ごみの分別と捨て方の基本①「燃えるごみ」と「紙類」のポイントー服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第42回目となる今回は、「ごみの分別と捨て方の基本①~『燃えるごみ』と『紙類』のポイント」です。

ごみ箱はいくつ置く?

雄一郎:今月から数回、基本に立ち返って、日々のごみの捨て方・減らし方について話してみましょうか?

麻子:ごみの捨て方は私もいまだに「これでいいんだっけ?」と迷うこともあって…。そんな人も多いんじゃないかな。

雄一郎:自治体によって分別ルールが違うから、「これが絶対正解!」というのはないけど、一般的に「ぜひクリアしておきたい!」と思うポイントはいろいろあります。

麻子:「分別がややこしくて、ごみ箱をいくつ置けばいいの~!?」なんて声もありますね。

雄一郎:わが家のキッチンの分別は、基本は3分別。「容器包装プラスチック」「雑がみ」「焼えるごみ」。ふだんのごみはほぼこの3種類。

シンク下の「容器包装プラスチック」(左の白い琺瑯容器)と「燃えるごみ」(右のガラス瓶)。「雑がみ」はぬれると困るので、別の場所に置いています(下記参照)

麻子:もちろん、「缶」や「びん」のごみも出ます。でも、せいぜい1週間に1~2本だし、ペットボトルは基本買わない。「服」や「燃えないごみ」も本当にたまにしか出ない。だから、そういったものは専用のごみ箱的なものをキッチンに置くほどでもないかな、と。

雄一郎:不潔なものもないから、まとめて収納スペースに保管して、ある程度たまったら、まとめて収集に出してる感じだね。

古いブリキの衣装箱をごみと資源物の「一時収納箱」として活用しています

缶や瓶を料理中にいちいち収納箱まで入れに行くのは面倒なので、シンク下にもちょっとした一時置き籠(左端)を置いています

麻子:最近は10~15分別以上の自治体が多くて、「ごみ箱がいくつあっても足りない!」みたいな声も聞くけど、多少なりともごみを減らそうとしている人なら、たぶん「ありとあらゆる種類のごみが常時たくさん出る」という感じにはならないんじゃないかな。そういう意味では、この「容器包装プラスチック」「雑がみ」「燃えるごみ」の3分別はおすすめです。

「燃えるごみ」に入れるのは?

雄一郎:ゼロウェイストでは、まずは「燃えるごみ(=焼却)」と「燃えないごみ(=埋め立て)」を限りなく減らし、出てしまったごみは少しでもリサイクルに回して循環型の社会に近づけたい。だから、うちは資源化される「容器包装プラスチック」や「雑がみ」に入れられるものは徹底的に分別し、「燃えるごみ」を少しでも減らすように心がけてます。
※「容器包装プラスチック」と「雑がみ」は日本の大部分の自治体で分別回収されていますが、一部、分別回収していない自治体もあります。

麻子:ごみ箱の大きさも、「容器包装プラスチック」と「雑がみ」が大きくて、「燃えるごみ」のごみ箱がいちばん小さいよね。生ごみはコンポストに入れるので、「燃えるごみ」はほとんどたまらない。ごみ出しも1か月に1回出すかどうかくらい。

これでちょうど2週間分。まだまだいっぱいになりません

雄一郎:わが家の「燃えるごみ」に入れるものと言えば、剥がしたガムテープとか、宅配便の伝票とか、子どもの絆創膏とか、食品パックに入っている脱酸素剤とか…。ふだんはそういうこまごまとしたものくらい。あとはたまに軍手や靴下を捨てるとか…。

麻子:もちろん、時には粗大ごみも出るし、子どもが学校から持ち帰る雑多なものがごみになることもある。なので、これはあくまでも「ふだんのごみ」。でも、ふだんのごみが減るだけで、ごみ出しがかなり楽になる。

雄一郎:履き古した靴なんかは、靴流通センターなどの店舗回収に持っていけたりするよね(燃やして熱回収するサーマルリカバリーですが、ただ捨てるよりはマシ)。割り箸や木製品はコンポストに入れてしまいます。

麻子:いわゆるプラスチック容器類はすべて「容器包装プラスチック」に分別するし、プラ製品も極力使わない。そうすると、「燃えるごみにどうしても入れないといけないもの」は意外に少ししか残らなくて。なので、わが家のごみ箱はちいさめ。

「雑がみ」は捨てずにリサイクル!

雄一郎:「燃えるごみ」を減らす上で効果抜群なのは、「雑がみ」の分別!

麻子:プリント類や、封筒、お菓子の紙箱、トイレットペーパーの芯など、古紙としてリサイクルできるいろいろな紙のことですね。

雄一郎:「ミックスペーパー」とも呼ばれます。これを「燃えるごみ」に入れてしまっている人が意外に多いみたいだけど、ちゃんと分別すれば、それだけで「燃えるごみ」はごっそり減る!

雑がみはいらない紙袋にまとめます。うちはお米が入っていた紙袋も活用

麻子:新聞雑誌ダンボールのリサイクルほど浸透していないけど、同じように古紙になるんでしょ?

雄一郎:そう、ダンボールなどに再生されるみたい。

麻子:へえ!「何を入れたらいいのかよくわからない」という声も聞くけど、意外と何でもOKな感じだよね?

雄一郎:子どもの使い終わったノートや、小さな破れたメモ用紙みたいなものだって大丈夫。

麻子:逆に入れてはいけないものは?

雄一郎:ティッシュペーパーやキッチンペーパー、ウェットティッシュ、紙コップ、感熱紙のレシート、写真、圧着はがき、あとは手で破っても破れないようなビニールコーティングされた紙など。洗剤などの強いにおいや食品汚れがついた紙などもダメ。

麻子:逆に言えば「ふつうの紙」であれば、基本的にはすべて入れて大丈夫。

雄一郎:こちらの「古紙再生促進センター」のサイトがとてもわかりやすいのでおすすめです。下の方に写真つきで、入れられるものと入れられないものが紹介されているので、ぜひ見てみてください。

麻子後編では、これら古紙類の「出し方」の疑問を掘り下げてみましょう。

【後編はこちら⬇︎】

ごみの分別と捨て方の基本②「古紙類」の出し方の疑問を解消!ー服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア


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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola