洗面所のゼロウェイスト②服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るプラスチックごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第4回目となる今回は、洗面所のゼロウェイスト【身だしなみ編】について教えてもらいました。

ゼロウェイストなシェービング

麻子さん:前回の「手洗い・歯みがき編」に続いて、今回は「身だしなみ編」ということで、シェービングとお化粧についてです。

雄一郎さん:まずはシェービング。うちは夫婦ともに、ステンレス製のクラシックな両刃カミソリを愛用しています。

ゼロ・ウェイスト・ホーム』の原書を読んで、作者のベア・ジョンソンが使っているのを知り、真っ先にネット検索して購入したもののひとつですが、これが本当にいい。カートリッジのごみが出ないのはもちろん、替え刃が1枚数十円と激安なので、経済的にもお得。見かけも美しくて、まるごとステンレスなので一生壊れない。初回だけ5000円くらいの買い物となりますが、そのあとは何から何まで最高です。

シンプルな外観もポイントが高いです。

麻子さん:女性のムダ毛処理にも問題なく使えます。ベア・ジョンソンさんも使っていますしね。使い心地もいいですよ。毎回刃を乾かすと長持ちするようなので、それだけ気を付けています。

雄一郎さん:「切れやすくて危ないのでは?」と使い始めはおそるおそるでしたが、全然平気。普通のシェーバーと同じ感覚で使っています。イメージよりもずっとハードルは低いのでおすすめです!

10秒で解体できるので、毎回洗って乾かします。

雄一郎さん:ちなみに、シェービングのジェルやフォームは、僕は使っていません。お湯+泡立てた石鹸がいちばん手軽。質のよい石鹸は、むしろぜいたくな気分になれますよ。

極上の使い心地の「山のせっけん屋西熊家」の石鹸。

石鹸はいいものがたくさんあるかと思いますが、個人的に好きなのは、手づくり感のある、小規模に丁寧に作られたタイプ。わが家は何と隣町に「山のせっけん屋西熊家」というすばらしい石鹸屋さんがあって、本当に質が高くて、それなのにリーズナブルで良心的。山の蜂蜜とか、源泉の水とか、驚くような材料を使われていて、実際すばらしい使い心地です。高知では日曜朝市(土佐の日曜市)でもおなじみのローカルな石鹸。全国に発送もされていて、ファンも多いようですよ。

ウェブサイト:山のせっけん屋 西熊家

ゼロウェイストな手作り化粧品

麻子さん:基礎化粧品は長らく使ってなかったのですが、手作りのものをギフトでいただいて、使ってみたら「気持ちいいな」と感じて。ここ1年ほどは、化粧水の代わりに芳香蒸留水、乳液代わりに蜜蝋クリームを使っています。どちらも友人が作ってくれたもので、使い心地は最高。すごく気に入っています。使い終わった容器を再利用してもらっているので、ごみが出ないのもうれしいですね。

友人の手作りなので、シンプルな瓶入り。

麻子さん:お化粧はしないので、化粧品も化粧落としも不要。洗面台はすっきりするし、旅行の際も荷物が少なくて身軽です。お金もかからずよいことばかり、と思っていますが、これは単なる私の好みで、お化粧反対!とかではなく(笑)、きれいにメイクした人を見ると、「すてき!」と思います。もし今後自分や子どもが化粧品を使うとしたら、できるだけ環境負荷の少ないものを選べるといいな、と思います。

雄一郎さん:身だしなみと言えば「鏡」ですが、この古い鏡、すごく気に入っています。インド出張の時に、デリーの古道具屋さんで買ってきました。わずか数百円でしたが、すごくいい買い物でした! ミニマルな洗面所で存在感を放ってくれています。

ちなみに左に映っているのは友人に贈られた高級な歯みがき粉。
時には気分も変わってたのしいので、ありがたくたのしませてもらっています。

ゼロウェイストなつげの櫛

麻子さん:髪をとかす時は、昔ながらのつげの櫛を使っています。これは別の友人からの誕生日プレゼントです。軽くて肌触りがよくて、使い心地もとても良いので気に入っています。ブラシは髪の毛や埃がからまってしまいますが、これは手入れもほぼ不要。おしゃれ心が芽生えはじめた娘も「同じものがほしい」というので、彼女専用のものをプレゼントしました。コンパクトなので持ち歩きにも便利ですよ。

ブラシより洗いやすいのもメリットです。

次回はネット通販について語ります!

【⬇︎前編はこちらから】

洗面所のゼロウェイスト①服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola