子どもがつくる、夏のひんやり手づくりおやつー服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第60回目となる今回は、「子どもがつくる、夏のひんやり手づくりおやつ」です。

手づくりコーラ&カルピス革命

雄一郎:今日は、最近のわが家のゼロウェイストなひんやりおやつについてお話ししましょう。

麻子:小5の末っ子のおやつ熱が再燃。少し前からすごい勢いでいろいろつくっているよね。きっかけは「手づくりコーラとカルピス」。

自家製クラフトコーラ!

カルピスづくりはちょっぴり実験風

雄一郎:うちはペットボトルの清涼飲料水はほぼ買わないんだけど、末っ子は自分のお小遣いで時々買うのをたのしみにしていて。たまたま同級生と一緒にドラッグストアに買い物に行ったとき、大容量2Lのカルピスがものすごく安く売られていることに衝撃を受けて帰ってきたんだよね。「なんでこんなに安いの?」って。

麻子:中身はただ同然だから…(笑)。

雄一郎:そうそう、「ほとんど砂糖水みたいなものだからじゃない?」って言ったら、「じゃ、自分でつくれば、安くつくれるってことか!」「どうやってつくるの?」って。「いや~知らないよ…」って言ったら、お決まりのYouTubeで調べ始めて、「あ、あった!」ってつくり始めた。

麻子:おどろくほど上手にできたよね。カルピスに続いて、コーラ、CCレモン、ポカリスエット…とドリンク三昧(笑)。何しろ、いい素材でつくる無添加ドリンクだから、親からすれば本物よりもずっとおいしい。

雄一郎:ペットボトルごみゼロ!まさか清涼飲料水にこんな逆転ホームラン的な世界が広がっていたとはね。

麻子:砂糖の量だけは気になるけど…

雄一郎:たしかに。けど、逆に自分でつくるから、「入れる砂糖」の量もしっかり把握できて、糖分摂取量の話も雲をつかむような話ではなくなったのはいい変化。トータルではいいことばっかりだった気がするな。

YouTubeで開ける地平

雄一郎:今回末っ子が参考にしたのは、「OKUDAIRA BASE」という人気チャンネルです。若い男性のスローライフ的な食卓を発信しているチャンネルで、各種清涼飲料水のつくり方も網羅されている。わかりやすくて、映像もきれいで、末っ子はドはまりしていたね。

手づくりならではの「飲みくらべ」

麻子:YouTubeの威力は既に強調するまでもないけど、改めて「すごいものだな」って思った。

雄一郎:ネット依存の不安はもちろんあるけど、この「娯楽と学びが一体になる」みたいなパワフルさはYouTubeならではだなと思う。

麻子:特に料理やお菓子づくりは、動画だと手順が一目瞭然だしね。正直、本よりもずっとわかりやすい。個人的には本の方が好きだけど、子供には断然動画がわかりやすい。3回くらい見てから「よし、わかった!」と作り始めて、迷ったらまた確認して…と親の手助けがいらないのも助かります。

雄一郎:本人が心から「おもしろい!」って思えて、実際に暮らしの中に変化を生み出す実感が得られたら、これはやっぱりプラスだなって。スローライフ、サステナブル系のチャンネルも増えてきているしね。今回は本当に「YouTube様様」でした。

手軽なひんやりおやつでたのしい夏

麻子:その流れで、最近はゼリーやアイスなどのひんやりおやつづくりも絶好調の末っ子。

雄一郎:今度は「料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ」という人気チャンネルがはまったみたいで。今までもお菓子づくりは比較的よくやっていた末っ子だけど、今回は「ただ冷やすだけのおやつ」、ゼリーやアイスがヒットしたね。

麻子:アイスクリームからはじまって、いろいろなフレーバーのフローズンヨーグルトや、目にもあざやかなフルーツ寒天や…。次々にいろんなおやつができあがって、親の方もたのしい夏です。

手づくりアイスクリーム

フローズンヨーグルトに庭のベリーをトッピング

色どりよくしあげるフルーツ寒天

雄一郎:市販のアイスも大好きだった末っ子だけど、「買ってきたのと同じ味がする!」 しかも「自分でつくればたっぷりできる」って(笑)。「たっぷり食べる」のがいいかどうかは別として、この「手づくりの威力」を実感してもらえるのは、親としてはうれしい。

麻子:食まわりは暮らしのベースだからね。将来の「暮らし方を選ぶ力」につながるといいな…と願いつつ、砂糖の量には目をつぶってます(笑)。

雄一郎:そうそう。エコを大切にしているわが家だけど、子どもにエコを「押し付ける」のはイヤだなと思っていて。そんな中、「手づくりのたのしさやパワフルさ」はぜひ知ってほしい。その「基礎力」みたいなものがあれば、あとはいくらでも本人が選んでいってくれればいいかなと思ってる。

麻子:焼き菓子よりもずっと手軽だし、夏はオーブンを使うと部屋が暑くなるから、その点でも「冷やすおやつ」はすばらしい。長い夏休み、この先どんなおやつがお目見えするか、たのしみです。

親子共同作業でマカロンも!


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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola