洗面所のゼロウェイスト①服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

ゼロウェイスト

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るプラスチックごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第3回目となる今回は、洗面所のゼロウェイスト【手洗い・歯みがき編】について教えてもらいました。

ゼロウェイストな洗面所はミニマムに

雄一郎さん:洗面所はとにかくすっきりミニマムにしたいと思っています。洗面所のゼロウェイスト化の秘訣は、一にも二にもシンプル化。使うアイテムの数を減らすことに尽きます。

麻子さん: 洗面所の用途は、手洗い、歯みがき、身だしなみ。手洗いは固形石鹸で。庭で育てたヘチマを輪切りにしたものを石鹸置きにしています。水切れがよく、石鹸が溶けずに長持ちするのでおすすめです。洗面台を洗うときは、このヘチマでそのままこすればよいので便利ですよ!

ヘチマは庭で育てて庭に捨てられて最高です。

ゼロウェイストな竹の歯ブラシ

雄一郎さん:歯ブラシは、まだまだプラスチックのものが一般的かと思いますが、わが家は竹の歯ブラシを使っています。見た目もよく、触り心地もよく、とても気分がいいです。

メイソンジャーにそのまま挿しています。

麻子さん:最近ではずいぶんメーカーも増えてきていて、サイズや磨き心地、値段など様々。消耗品なので、色々試して自分に合ったものを見つけていったらいいと思います。「竹はカビやすいのでは?」という声も聞かれますが、メーカーによっては全然かびないし、逆に梅雨どきにかびてしまったものもあります。持ち手の下の部分が濡れてかびやすいので、コップに渡しかけるようにして保管しています。

こんな風に置いて、しばらく乾かしてから戻すと安心。

雄一郎さん:ちなみに子どもは、竹歯ブラシを使ったり、プラスチックの歯ブラシを使ったり、いろいろです。徹底せずに、本人に選んでもらっています。せっかくの高級な竹歯ブラシ、本人が気に入ってもいないのに使わせるのはもったいないですし…(笑)。いや、本当は使ってほしいところですけれど、プラスチックの歯ブラシを使いたい欲求も満たす必要があると思うし、竹歯ブラシに窮屈なイメージを抱いてほしくないですからね。そんな感じで本人に選ばせていたら、最近はプラスチックの歯ブラシばかり使っていますが、「今はそれでもいいかな」って。すぐ横に大人の竹歯ブラシが目に入るので、「そういう選択肢がある」ってわかっているだけでも十分かなと思っています。

ゼロウェイストなデンタルフロス

麻子さん:デンタルフロスは、パッケージもフロス自体もプラスチック。わが家はシルクのデンタルフロスを使っています。ガラスや金属の容器入りで、中身を詰め替えて使えるタイプが気に入ってますが、紙パッケージの気軽に買えるタイプも便利ですね。使い心地は、一般的なフロスと比べてまったく遜色ないです。メーカーによるかもしれませんが、メートルあたりの値段も、一般的なフロスとほとんど変わらないんですよ!

ステンレス製は割れる心配がなく持ち運びに便利。、中身が見えるガラスの方は、残りの量が見えるのがよいところ。

天然の絹糸に植物性オイルをコーティングしただけのフロス。

雄一郎さん:シルクのフロスはとても快適ですが、個人的には海外からの輸入なのが少し引っかかるところですね。国産でそれに代わるようなものがあればいいのにな~って。あとはアニマルウェルフェア問題ですよね。絹糸の生産の現状は、問題含みな部分もあるので、「木綿とか植物製のフロスができたらいいのにな」とも。金属製の「デンタルスケーラー」と呼ばれる歯石取りもあって、これは歯間ブラシ的にも使えて便利だなと思っています。

歯石やフロスでは取り除けない汚れも取り除けるので重宝しています。

ゼロウェイストな手作り歯磨き粉

雄一郎さん:歯みがき粉は、市販のものは長らく買っていなくて、手作りしています。いろいろな配合で作れるようですが、僕は手軽に重曹とココナッツオイルそれぞれ大さじ1にハッカオイルを2、3滴混ぜたもの(※すべて食品グレード)が気に入っていますよ。とても爽やかです。重曹もココナッツオイルも、そのために準備するのではなく、台所で使っているものをそのまま使っているので、その点でも無理がありません。

家にあるものを混ぜるだけで作れる手軽さがポイント。

麻子さん:歯みがき粉は、私は毎回使うわけではなく、気分転換に時々使う感じかな。重曹を歯磨きに使うことついて、「研磨効果がすばらしい」という意見と、「歯の表面が削れる可能性がある」という意見が両方あるみたいだけど・・・雄一郎さん、どうですか?

雄一郎さん:僕自身の実感としては、濡れた歯ブラシにつけると、その時点でほとんど溶けてしまって、気にするほどの研磨効果は出ていない気もするんですけどね、よくも悪くも(笑)。個人的には、市販の一般的な歯みがき粉に含まれるいろいろな化学物質の方が気になります。でも、それぞれの体質などもあると思うし、みなさん、ご自身の体感で選ばれるといいと思いますよ。次は、洗面所の「身だしなみ編」に続きます!

【⬇︎後編はこちらから】

洗面所のゼロウェイスト②服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola