ゼロウェイストの合言葉は「楽しく、無理なく、我慢せず」服部さん夫妻に聞く暮らしのアイデア

ガラス瓶

海外で人気のライフスタイルの「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るプラスチックごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載を始めます。

今回はゼロウェイストを始める時、どこから始めるべきかを教えてもらいました。

ゼロウェイストはワクワクする場所から!

お風呂

1カ所に限定すると、成果が目に見えて表れます。

雄一郎さん:おすすめの工夫は本当にいろいろありますが、まずは「ご自身がどんな結果にいちばんやりがいを覚えるかによるかな」だと思います。たとえば、「ごみ量が減るといちばんやる気が起きる!」というなら、いちばん効果が出やすいのは、生ごみコンポスト。でも、「とりあえず無理なく」というなら、別のことでもいい。逆に、「家の中のまず1カ所、とってもすっきり変化が見えるとやる気が湧く」というなら「まずはお風呂場!」とか、限定してみるとやりやすいかもしれませんね。

麻子さん:「自分がいちばんワクワクできるものは何かな?」と考えるところからはじめてみたらいかがでしょうか?ネットで調べるといろいろな情報が目に入りますが、「やってみたいと感じること」は人それぞれ。自分が楽しそうだと思えること、そしてできそうなことを選ぶのが大事です。というのも、続けることがいちばんの価値だから。無理は禁物だし、ハードル高めのことは「もっとあとで」。楽しいことであれば、むしろ「自然と続けたくなる」のでうまくいくと思いますよ。

蓋つきのガラス瓶で食材を保存すると、ラップも不要、中身も見えやすく、とても便利。

雄一郎さん:料理が好きな人なら、まずは調理道具を見直してみて。たとえば使い捨てのラップをやめて、蜜蝋ラップを使ってみるとか、平たいお皿でフタをしてみるとか。あとは、フタ付きのガラス瓶を使った食材の保存からはじめてみるのがおすすめです。お風呂場だったら固形石鹸やシャンプーを使ってみたり、浴槽をヘチマで洗うようにしてみたりと、フォーカスを決めれば、具体的なステップを踏みやすいと思います。

ゼロウェイストの必需品!マイボトルを普段使いに

マイボトル

すっかり家族の日常となった「ひとり1本」のマイボトル。

麻子さん:気に入ったデザインの水筒を手に入れて、毎日使うのは気持ちがいいですよ。外出時にお茶を入れていけば、買った飲み物よりもおいしいものがいつでも、すぐに飲めます。私はお茶を入れる時間がない時には、水か白湯を入れていきます。水であっても外出先で飲み物を買うよりはずっとましだし、寒い季節の温かい飲み物は、たとえ白湯であっても、ほっとしてよいものです。家にいる時にも、ポット代わりに使うことをおすすめします。お茶を入れるとき、多めに作って水筒に入れておけば、いつでも温かいものが飲めて、洗い物は水筒だけ!ごみも出ず、おいしく、経済的にもリーズナブル、気分もよくて一石四鳥。

雄一郎さん:家で水筒を使うと、マイボトルが日常になじむ効果もある気がします。コツは毎日楽しく使うことかな。

ゼロウェイストを気持ちのよい習慣に

ラップ代わり

ラップ代わりとして、深皿には平皿が、平皿にはボウル類が大活躍。

麻子さん:そうこうするうちに自然に習慣になりますから。それは努力でも我慢でもなくて、とてもスムーズでうれしい変化です。「気持ちのよい習慣を新たに身につけられた」というのは、ささやかですが大きなステップ。自信がついて、次に進む力になると思うんです。全般的なヒントとしては、買い物でも持ち物でも「量を減らす」「必要な分だけにする」というマインドに切り替えられると、自然にゼロウェイストへと向かっていける気がしますね。

雄一郎さん:「買い物のパッケージごみは減らせない」と嘆く方も多いですが、「必要以上に買わないようにする」というだけで、その分ごみはラクに減らせると思いますよ。

麻子さん:「自分にとって、本当に必要かな?」と少し立ち止まる習慣がついてくると、変化が自然に生まれると思いますよ。いずれにしても「楽しく、無理なく、我慢せず」を合言葉にしたいですね!

次回はわが家のバスルーム、洗面回りの工夫をご紹介します。

【関連ページ】【連載】服部雄一郎・麻子さんに聞くゼロウェイストな暮らしのアイデア
【関連ページ】「ゼロウェイストには人生を変える力がある」 書籍『サステイナブルに暮らしたい』著者に学ぶ生活のヒント

The following two tabs change content below.

服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola