着なくなってしまった服や使わなくなったおもちゃなどを誰かほしい人に使ってもらいたい。そんな時に役立つのが、不要になった物を買い取ってくれたり、ユーズド品がリーズナブルな価格で手に入る、リサイクルショップとも呼ばれるサービスです。
2023年4月現在、全国に800店舗以上展開している国内大手のリサイクルショップ「2nd STREET(セカンドストリート)」。洋服から家具、家電、日用品、食器、アウトドア用品など豊富な品揃えはもちろんのこと、気軽に買い取りに出せば査定と対応をしてくれるのも特徴です。不用品の処分や引っ越しの際に重宝している人も多いのではないでしょうか。
そんなセカンドストリートには、他店よりも大規模な「スーパーセカンドストリート」という大型店もあります。2023年4月21日から7月13日の期間、全国のスーパーセカンドストリート5店舗はネスレ日本株式会社とコラボし、廃棄される可能性があるネスカフェやキットカットなどのネスレ製品専用売り場を展開しているとのこと。今回はその様子を取材しました。
2021年に食品ロス削減に向けた無人販売機を展開
世界最大の食品メーカーの日本法人であるネスレ日本。コーヒーやお菓子、調味料など、さまざまな商品を展開しています。そんなネスレでは本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品ロスの問題実態と食品ロス削減を重視しているのです。
そもそも食品業界には、商慣習として取り決めている取引条件のひとつに「納品期限」があります。これは製品の製造日から賞味期限までの長さのうち、1/3を超えてしまったものは出荷できないというルールです。
つまりメーカーとしてはスーパーやコンビニなどに商品を卸したいと思っても、1/3を少しでも超えていれば、まだまだ賞味期限までに多くの日数が残っていても、出荷できないのです。また、パッケージデザインが切り替わるタイミングは、納品期限が過ぎていなくても旧パッケージのものが出荷できないことも。こうなると、行き場を失った食品が大量に出てしまうのです。
ネスレはこうした食品ロスの問題に向き合うため、イベントでのサンプリングやフードバンクへの提供など、さまざまな取り組みを行ってきました。また、2021年にはフードロスを削減できる無人販売機「食品ロス削減ボックス」を全国5ヶ所で開始。これには納品期限を過ぎたネスレの商品を気軽に購入して、食品ロス削減につなげたいという思いがあったと言います。しかし、このボックスでは購入時に登録の必要性があり、設置場所がビルや郵便局などに限定されていたため、より多くの人の目に触れる場所での取り組みを考えていたのだそう。
ネスカフェやキットカットなど、代表的なネスレ製品を約半額で
そこで生まれたのが今回のスーパーセカンドストリートとの取り組み「未来のために、身近にできること。エコアクションキャンペーン」です。
全国のスーパーセカンドストリート5店舗では、納品期限を超過したために出荷される流通先が限定され、廃棄される可能性があるネスレ製品を販売。販売価格が希望小売価格の約半額となっている製品もあり、かなりお得に購入できます。
販売予定製品は「ネスカフェ ゴールドブレンド オリジン コロンビアブレンド65g」(希望小売価格1,053円→販売価格537円)、「ネスカフェ ブラックスティック セレクション(13本入り)」(希望小売価格506円→販売価格429円)、「キットカット ミニ13枚」(希望小売価格540円→販売価格246円)など。賞味期限1ヶ月前まで(容量が多い製品は賞味期限2ヶ月前まで)の製品が販売される予定とのこと。
未来のために今できるアクションを記入する「みんなで考えようエコアクション」も
今回スーパーセカンドストリートで展開しているのは、ただ単に「ネスレ製品を安く買ってもらいたい」という思いからだけではありません。より多くの全国の人たちに食品ロスの実態を知ってもらうことも目的としています。
そのため、日本一の売上を誇るスーパーセカンドストリート大宮日進店では、未来のために自分たちに何ができるのかを紙に書いてもらう「みんなで考えようエコアクション」スペースを売り場の横に設置。
ゴミの分別やエコバッグの持参、食品を残さず食べるなど、思い思いのエコアクションを書いてもらい、ボードに貼り付けてもらうイベントを行いました。現在はボードのみの設置を行っています。
普通の買い物や買い取りに来た人たちが、気軽に食品業界の納品期限や食品ロスの問題に触れ、自分たちに今できることを考える。そしてまだまだ食べられるネスレ製品をお手頃価格で買い、スーパーセカンドストリート内の食器など、食卓を彩るライフスタイル雑貨とともに楽しむ。そんなふうにすることで、「安いから買う」意識から「食品ロスや捨てない暮らしのために買う」意識へと少しずつ変わっていけるような取り組みになっています。
セカンドストリートは洋服やバッグ、家具などの取り扱いがメインであるため、食品自体は取り扱っていません。そのため食品以外の「もったいない」意識はあるけれども、食品の「もったいない」意識はなんとなく薄かった層や、ネスレ製品に普段から親しんでいるファミリー層などを中心に、今まで届けることができなかった老若男女さまざまな人々が食品ロスの問題を考えられるきっかけになりそうですね。
4月21日から7月13日まで約3ヶ月間の開催
「未来のために、身近にできること。エコアクションキャンペーン」は、2023年4月21日から7月13日まで開催。対象店舗はスーパーセカンドストリート大谷地店ほか、大宮日進店、柏沼南店、LIVINよこすか店、八尾店の全5店舗。なお、「みんなで考えようエコアクション」スペースを売り場の横に設置しているのは大宮日進店だけで、他4店舗は売り場のみとなります。
みなさんもスーパーセカンドストリートに行った際には、1杯のネスカフェや1個のキットカットからできる食品ロス削減に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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【参照サイト】セカンドストリート
【参照サイト】スーパーセカンドストリート大宮日進店