暑い季節には消費が増えるスポーツドリンクだが、大量に出るペットボトルのごみに頭を悩ませがちだ。そんな中、プラスチックごみを増やさないというエコの視点からも、飲み物を飲み終わった後に再利用可能なガラス製の「リターナブル瓶」が見直されている。
大塚製薬株式会社は、「ポカリスエット リターナブル瓶 250ml」を7月12日から販売開始する。専用の店頭返却ボックスを利用し、使用済みの瓶を回収することで、プラスチックごみの削減を目指す。今回大塚製薬株式会社が採用した「リターナブル瓶」は、飲み終えたあとも再度利用することを想定した強度や、ポカリスエットの品質基準をクリアしたガラス製のボトルだ。デザインもシンプルで爽やかな印象に仕上がっており、スポーツドリンクのイメージにもピッタリではないだろうか。
容量は250ml、キャップは王冠タイプを採用し、栓抜きを使って開栓する。ボトル本体のラベルは、シートを廃止し直接印刷した。
販売は、イオンとイオンスタイルの66店舗(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県、京都府)で7月12日より開始とのこと。店舗内に設置された「Loop(ループ)」を活用し、使用済み容器を回収する。回収後は瓶の洗浄を行い、再び中身を充填し販売していくという仕組みだ。
Loopとはニュージャージー州トレントンに拠点を置く民間のリサイクル事業団体「TerraCycle(テラサイクル)」が運営しているサービス。リユース容器を使った様々なブランドの商品を販売することで、ゼロ・ウェイストな社会の実現を目指しており、世界5カ国で展開している。
販売価格は税抜で1本230円。これにはデポジット料金70円が含まれており、利用者自身がLoop専用アプリを使って払い戻しを行う。店頭に設置されたLoop返却ボックスでQRコードを発行し、返却する容器に貼る。QRコードをLoop専用アプリでスキャンした後、容器を返却ボックスに返却する。容器の回収がアプリで確認されると、購入時に支払ったデポジット料金70円がアプリ経由で返金されるという流れだ。
イオンやイオンスタイルを運営するイオンリテール株式会社は、これまでの使い捨てスタイルから、くり返し使うサステナブルなライフスタイルへの関心を高めてもらおうと、Loopの取り組みに参加している企業のひとつだ。
一部の瓶入りソフトドリンクは、空き瓶を回収し再利用するという取り組みが以前にもあったが、今はほとんどがペットボトルに代わってしまっている。今回の取り組みは、そんな昔ながらの文化がテクノロジーの力で再び見直されるきっかけになるかもしれない。
【参照サイト】:イオン「Loop」特設サイト
【参照サイト】:TerraCycle公式サイト
【関連ページ】ゼロウェイスト生活でできること!アイデアまとめ【キッチン編】
斉藤雄二
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