「ごみ」の基準は人によってそれぞれだ。ある人にとってはごみでも、他の人から見れば必要なものかもしれない。現状、モノを廃棄するかどうかは個人の判断にゆだねられている。
そんななか、粗大ごみの中からまだ使えるものをリユースして引き渡す実証実験を、株式会社ジモティーと東京都八王子市が連携・実施するという。
ジモティーと言えば、これまで「売ります・あげます」や「求人」、「不動産」「助け合い」といった情報を都道府県や市区町村別に掲載してきた情報サイト。身近な情報を無料で入手できる手軽さが受けて、月間ユーザーは1,000万人以上にのぼる。2021年9月には、第4回エコプロアワードの「環境大臣賞」を受賞していて、サーキュラーエコノミーへの取り組みが高く評価されているサービスだ。
これまでも、東京の世田谷区や国立市、大阪の東大阪市など、全国35箇所の自治体と協定や覚書を締結し連携し、リユースへの取り組みをサポートしてきた(2022年1月14日時点)。そのジモティーが今回タッグを組む八王子市は、八王子市ごみ処理基本計画「循環型都市八王子プラン」のもと、ごみ減量へ積極的に取り組む自治体として知られている。2017年度には人口50万人以上の都市の中で、1人1日あたりのごみの排出量の少なさが全国1位となり、翌年には「埋立処分量ゼロ」を達成した。
今回の官民連携はジモティーの企業理念と、さらなるごみの削減を目指す八王子市の指針が合致したことで実現。まず八王子市内にある戸吹クリーンセンターに持ち込まれた粗大ごみのなかから、まだ使えるものをジモティーに出品。地域内で引き取りを希望する人が現れたら、その人に譲渡されるシンプルな仕組みだ。
リユースのノウハウ提供や、粗大ごみの中でまだ使えるものの選定基準、地域内での円滑な受け渡しはジモティーがサポートしてくれるので、粗大ごみの引き取りに不安がある人も安心だ。
八王子市の公式HPや公式Twitterアカウントでもこの取り組みを発信予定。官民一体の取り組みが、八王子市民のリユース意識の啓発につながるかもしれない。
リユースは、モノがそのまま人から人へと循環する仕組み。リサイクルに比べ、再利用する際のエネルギーを最小限に抑えることができるため、より環境への負荷が低い取り組みである。また、ごみの焼却やリサイクルに比べ、コスト面でのメリットも大きい。
Life Hugger編集部でもゼロウェイスト生活のアイデアとして、リユースの活用をおすすめしている。自治体が主催する仕組みに参加する他にも方法はいろいろとあるので、ぜひ自分に合ったやり方でリユースを暮らしに取り入れてもらいたい。
【参照サイト】ジモティー
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河端 麻紀
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