インタビュー むなかたりょうこ

【Osakaほかさんマップを歩く】量り売り「fu tai（フウタイ）」でゴミの出ないお買い物

Futai

大阪梅田のお隣、JR環状線の福島駅から徒歩約10分のところにあるお店が、今回ご紹介する「fu tai（フウタイ）」。大阪では、まだ数少ない食品の量り売りのお店です。

建物の階段を上り、2階にある店内に足を運ぶと、約15㎡の小さなお部屋の中心に、瓶に入った食品がズラリと並んでいます。取り扱う商品は、フェアトレードや有機栽培のナッツや豆類、お塩、香りの良いハーブ、コショウやナツメグなどのスパイス、ソイミートもいろいろなサイズのものが揃っています。すべて、使い捨てになってしまうような袋や容器には入っておらず、量り売りで販売されています。

fu taiには、使い捨てになるような袋や容器がありません。気になるものがあったら、必要な量だけをグラム単位で購入し、持参したマイ容器に詰めてもらいます。使い捨てのプラスチック容器ゴミを減らすための量り売りなので、家にすでにある空き瓶、お弁当箱、コットンバック、タッパー、シリコンバックのスタッシャーなど、洗って何度も使える容器を持参しましょう。ただし、使い捨てのジッパー袋や紙袋は、結局ゴミになってしまうのでおすすめできません。もし家に適当な容器がない場合は、お店で販売されているオーガニックコットンのバックがおすすめです。

今ではリピーターの方やSNSを見て来てくださった方など、多くの方がお店に足を運んできてくれるようになったそう。大阪に量り売りのお店を開くことになった背景などを、お一人でお店を切り盛りする杉山さんに、お話を伺いました。

きっかけは、“海辺に広がるプラスチックゴミ”

店内に並ぶ食品の説明から、お客様が選んだ商品を量るところまで、一人ひとりと丁寧に向き合う杉山さん。お店を始めるきかっけは、一枚の写真との出会いだったという。

「きっかけは、海辺に広がるプラスチックゴミの写真です。その写真がずっと印象に残っていて、ゴミ問題について調べるようになりました。ゴミについて調べる中で、海外や東京にはゴミを出さない量り売りのお店があると知り、大阪や私自身の生活圏でもあるのではないかと思い探してみても、全然見つからなかったのです。でも、大阪でも『ゴミを出さない買い物』をしたいと考えている人が、自分の他にもいるかもしれない。じゃあ、私がやってみよう！と思い、お店をオープンしました。」

お店をオープンするという、大きな選択をした杉山さん。自分の住んでいる地域にないからと言って、自らお店を手がけるのは簡単なことではありません。そう尋ねると、杉山さんはこう続けます。

「もともと、『自分でお店をやってみたいな』という漠然とした想いがあったのです。そんなときに、京都の量り売り専門店「斗々屋」さんが行う「ゼロからはじめるゼロ・ウェイスト・ショップ開業講座」を見つけました。『ゼロから始める』って書いてあるなら、今ゼロの自分でもできるのはないか？そう思い、講座を受けることに。講座ではとても丁寧に、たくさんのことを教えていただいたので、安心してお店をオープンできました。」

目指しているのは、「ゴミを減らす」ことが当たり前の世の中

日常的に杉山さん自身が食べているものを中心に、商品を取り揃えているfu tai。ナッツやチョコレートなどは、特に人気があると言います。今後は、どのような商品を取り扱う予定なのでしょうか？あわせて今後の展望も伺いました。

「今後は、国内の商品なども取り揃えていきたいと考えています。また、お店以外での販売にも力を入れていきたいです。目指しているのは、『ゴミを減らす』という考えが当たり前になる世の中。今はまだ、ゴミはリサイクルをすればいいんでしょう？という言葉をよく聞きます。そうではなくて、そもそも出すゴミを減らさなければいけないということに、私も1年前に気づいたことがきっかけでこのお店を始めました。世の中全体が、『ゴミを減らす・なくす』が当たり前になればいいなと思っています。」

Fu tai

また、来店される方との交流を通じて、量り売りのお店の必要性を強く感じると言います。

「本業があるので、今は不定期でお店をオープンしているのですが、来店される方々には『こういうお店が欲しかった』『大阪でも量り売りのお店を探していた』など、嬉しい言葉を多くかけていただき、思っているよりも多くの方が量り売りを必要としているのだと感じています。今はなかなか週末にオープンできていないので、今後は土日営業や営業日数を増やして対応していきたいと思っています。」

ニコニコと微笑みながら取材を受ける姿が印象的な杉山さん。店内に使用される木の優しい温もりに比例するように、みながほっこりあたたかい気持ちに包まれるのを感じました。しかし、胸の奥には「プラスチックゴミを減らしたい」という、揺るぎなく強い想いがあります。ご来店される際には、新しいものを購入するのではなく、ぜひ自宅にあるマイ容器を持参してお買い物を楽しんでみてください。

Osakaほかさんマップ利用情報

fu tai（フウタイ）
対応容器タイプ：マイ容器（フード）
所在地：大阪府大阪市福島区鷲洲1-2-11 2F A号室
Googleマップ
詳細情報：https://www.osaka-hokasan.jp/spot/tyt7o2pikwi2i9u/

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むなかたりょうこ

京都在住のウェブライター。お酒とグルメが大好きです。自宅で野菜を育てたり、農家さんのお手伝いをしたり、「食」を大事にしながら暮らしています。毎日のご飯を残さず食べることも実践中。お肉よりも、野菜が好き！