【2023年版】食レポ付き、バレンタインにぴったりのサステナブルなチョコレート8選

サステナブルチョコ

私たちの毎日にハッピーな気分をもたらしてくれるお菓子、チョコレート。せっかく食べるなら作っている人、売っている人たちの幸せにつながるものを選びたいですよね。そこで今回はエコライターの筆者が厳選したサステナブルなチョコレートを8種類、食レポも含めてお伝えします!

サステナブルなチョコレートとは

今回は、取り組みを応援したいという気持ちを込めて、以下の基準を1個以上満たしていて、実際に食べて「おいしい!」と感動したものを選びました。

「フェアトレード」と明記されている

カカオ栽培地域の多くでは、生産者の生活は不安定です。その理由として、生産者の安い賃金で働かされているという問題があります。また、児童労働がおこなわれているケースもあります。「フェアトレード(公正な取引)」でやりとりされているチョコレートは、生産者の労働内容に見合った価格、労働条件で作られているので、生産者のハッピーにつながることが分かります。第三者によるフェアトレード認証を取得したチョコレートも増えているので、そこも判断基準にしました。

オーガニック食材を多く使っている

オーガニック食材とは、農薬や化学肥料などの化学物質を使わず基本的に自然の力だけに頼って生産された食や物のこと。自然環境への負荷が少ないのでサステナブルだと言えます。

「エシカル」であることを重視している

エシカル」とは、倫理的・道徳的であること。昨今は「人や地球環境、社会、地域に配慮している」というニュアンスで使われます。チョコレートづくりのストーリーを読み、それが作り手や地球環境に配慮しているかどうか、じっくり検討したうえで選びました。

サステナブルなチョコレート8選!

ピープルツリー「板チョコシリーズ」

ピープルツリーのチョコ
世界フェアトレード連盟が認証している、日本の老舗フェアトレードブランド「ピープルツリー」の板チョコは、贈りやすい価格と工夫がいっぱいのフレーバーが魅力です。

ピープルツリーのチョコ
今回試したのは、動物性原料不使用のヴィーガンチョコレート「オーガニック ビター・ペルー75」。「フルーティーでまろやか」というパッケージに書かれた言葉どおり、カカオというフルーツのうまみが感じられる板チョコです。もう一つ「オーガニック ミルク」は、毎年買っているのですが、ミルクとカカオと黒糖のコクのある甘みが口の中に広がって、ひとかけらだけでもすごく満足感があります。小学生の息子も大好きで、あっという間になくなります。

どちらも包み紙の裏に、イラスト入りで背景やおいしさの秘密が書いてあるので、こちらもぜひ読んでみてください。

【ウェブサイト】ピープルツリー公式サイト

「マシュピの森のチョコレート」

マシュピの森のチョコレート
「マシュピの森のチョコレート」は、南米エクアドルの「マシュピ農園」で作られているチョコレート。熱帯雨林の多種多様な樹木と一緒に育てる森林農法という方法で、森の生物多様性を守りながら希少なカカオを栽培し、農園内でチョコレートを作り上げています。

このチョコレートの感想を一文字で書くなら「!」。どのフレーバーにもハッとするような驚きがありました。また、森に近い場所で作られているからか、どれを食べても森に行った気分になれるのが不思議です。

マシュピの森のチョコレート
「カカオ65%」は、希少なアリバ種の風味が一番良く出る配合度合いだそうで、その言葉どおり「カカオってフルーツなんだな」と実感できる風味です。「パッションフルーツと黒胡椒」は、特に「!」が大きいフレーバー。カカオの香りの後にパッションフルーツの香りが広がり、最後に黒胡椒のスパイス感が残る、忘れられない味のチョコレートです。

【ウェブサイト】冬季限定 マシュピの森のチョコレート各種

第三世界ショップ「アートBOX ミルク」

アートBOX ミルク

1986年にフェアトレード事業を始めた老舗フェアトレードブランドの1つ「第三世界ショップ」が販売している限定アートパッケージ「Artisanシリーズ」は、中のチョコレートづくりだけでなく、パッケージを作る段階にもこだわった商品です。

パッケージを担当しているのは「アトリエ 嬉々!! CREATIVE」。さまざまな障がいのある人が好きなこと・得意なことで活躍し、嬉々として創造的に暮らせる社会を目指して活動する福祉施設です。パッケージデザインをお願いすることが、アトリエで働く人たちの収入や働きがいにつながっています。

アートBOX ミルク
実際に「アートBOX ミルク」を食べてみると、包み紙の柄はもちろんのこと、中のチョコの味も素晴らしかったです。おいしさのポイントは、ヘーゼルナッツの粉。食べた後に口の中にほんのりナッツの風味が残ります。手土産にもぴったりの一品です。(2024年時点では「アートBOX ミルク」の販売は終了していますが、同シリーズで素敵な商品が多数、売られています。

【ウェブサイト】第三世界ショップ公式サイト

藤野良品店「里山クラフトチョコレート」

里山クラフトチョコレート
里山クラフトチョコレート」は、旧藤野町(神奈川県相模原市緑区)にある藤野良品店が、タンザニアの生産者と地元のデザイナーとともに作り上げているチョコレート。国際的な賞も受賞した実力派です。

里山に移住した代表が「我が子やまわりの子どもたちに安心・安全なものを口にしてほしい」という想いで立ち上げたことから、作る過程の随所にその気持ちが反映されています。カカオ豆は地元の里山で伝統的な工法で作った炭で焙煎。チョコレートの形にもこだわっており「地元のアーティストにカカオの豆を半分に割った形を模したデザインしてもらった」という珍しいデザイン。パッケージは、タンザニアと藤野をイメージして描かれたもので、食べた後に一枚の絵として飾る人も多い、とのことです。

里山クラフトチョコレート
このチョコレートの材料は、有機カカオ豆と有機砂糖のみ。口に入れるとカカオの風味とフルーティーな香りが広がります。厳選した材料から丁寧に作りあげたからこそのシンプルなおいしさで、カカオニブが良いアクセントになっています。今回、一緒にいろんなチョコレートを食べた中学生の娘は「味がシンプルで、これが一番好き」と言っていました。

【ウェブサイト】藤野良品店公式サイト

green bean to bar CHOCOLATE「NATIVO BLANCO -PERU- 73%」

green bean to bar chocolate

「現地へ足を運び、自分たちの目で確認し、作っている人に直接話を聞く」ことを大切に、砂糖と、ブレンドしないシングルオリジン(1つの生産地)のカカオ豆だけでチョコレートを作っているgreen bean to bar CHOCOLATE。取り組みを追ったドキュメンタリー映画『The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方』も秀逸で、その背景を知るほどにファンになってしまうブランドです。

green bean to bar chocolate
今回食べた「NATIVO BLANCO -PERU- 73%」は、その名前の通り、どこかナッツのような風味があり、カカオと砂糖だけで作られたと思えないほどの複雑な味が口の中に広がります。口に入れると目の前に熱帯雨林と川が広がってくるような、奥深い味のチョコレートです。

【ウェブサイト】green bean to bar CHOCOLATE公式サイト

ovgo Baker「ブルッキー」「ソルティチョコミント」

クッキー

可能なかぎり環境に負荷のかからない形でヴィーガンクッキーを作っている「ovgo Baker(オブゴベイカー)」のクッキーは、工夫と驚きがつまったオリジナルのフレーバーが特徴のアメリカンスタイルのクッキーを生産、販売しています。
ブルッキー

今回はチョコレートが入ったフレーバーとして2種類をおすすめします。1つは「ブルッキー(ブラウニークッキー)」。これは「ブラウニーとクッキーのいいとこ取り」と言うコンセプトで作られた食べ応え抜群のクッキーです。たくさんチョコレートが入っていて、かむたびにチョコのおいしさと甘みが広がり、幸せな気分になれる1枚です。

クッキー
もう1つの「ソルティチョコミント」は、アイシングのミントが本当においしく(歯磨き粉っぽさ皆無!)、チョコレートとミントとほんのちょっぴり加えられた塩のバランスが絶妙で、何度も食べたくなる味です。チョコミントが好きな人はぜひお試しください。

【ウェブサイト】ovgo Baker公式サイト
【関連記事】毎月のお楽しみ!ヴィーガンクッキーの詰め合わせが届く「ovgo Baker」のサブスクを試してみた

久遠チョコレート「QUONテリーヌ」

「久遠チョコレート」は、全国の障がい者および障がい者事業所と協働で店舗を運営し、多くの障がいのある方々の仕事、働きがいにつながっているチョコレートメーカーです。2022年には全国に40店舗を展開しており、日本各地にエシカルな働き方、消費のありかたを広めています。エシカルなカカオ豆を使っているので、生産者のハッピーにもつながっています。

チョコレート
久遠チョコレートはショコラティエの野口和男さんが携わっているだけあり、どれを食べても「さすが!」とため息が出てしまうおいしさです。今回は「QUONテリーヌ」から3枚を実食。「アップルティー」はリンゴと紅茶とチョコレートのバランスが良い、オリジナリティが光るフレーバー。「チョコミント」はミント感が強すぎず、ちょうど良いさわやかさです。「瀬戸内レモン」はバターミルクの風味がドライレモンの香り、うまみをさらに引き立てています。

【ウェブサイト】久遠チョコレート公式サイト

マザーハウス「イロドリ チョコレート はるはな」

チョコレート
途上国の生産者と共に、素材開発から消費者に届けるまでを一貫しておこなっているマザーハウスは「エシカルなファッションアイテムを買うならここ」と言われる、代表的なエシカルブランドの1つです。そんなマザーハウスが食品を通じて途上国の可能性を表現しようと手掛けているのが「イロドリ チョコレート」のシリーズです。特徴は、インドネシア・スラウェシ島の農園で育ったエシカルなカカオを使っていることと、ホワイトチョコレートから色付けしたグラデーションがあること。アート作品のようなチョコレートです。
チョコレート

イロドリ チョコレート はるはな」は、白からオレンジへの色の変化が目を楽しませてくれる1枚。口に入れるとパッションフルーツといちごの酸味とホワイトチョコレートの甘味のハーモニーを楽しめ、見た目からも味からも春の訪れを感じさせます。相手をあっと驚かせるプレゼントとしておすすめです。

【ウェブサイト】マザーハウス公式サイト

いかがでしたか?お世話になった人へのちょっとしたお礼、自分へのごほうび、そして大切な誰かへの贈り物に、ぜひ気になるチョコレートを買ってみてください。

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曽我 美穂

曽我 美穂(そが みほ)。2008年にエコライター・エディター・翻訳者として独立。雑誌やウェブサイトで編集、撮影、執筆、翻訳などをおこなっている。主なテーマはエコな暮らしやSDGs、環境問題。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。個人サイト:https://sogamiho.mystrikingly.com/