皮も芯も春野菜を丸ごと食べ切る!食品ロス削減にも役立つ薬膳料理レシピ

春野菜レシピ

冬の間じっと過ごしエネルギーを蓄え続けた「春野菜」は栄養の宝庫。本記事では中医薬膳師の資格を持つ筆者が、春野菜を余すことなく使う方法を薬膳の観点も交えながら紹介します。

春野菜をうまく取り入れ、梅雨・夏へ向けて体を整える

「薬膳料理」とは中医学の考えに基づき、食材を選び、組み合わせ、調理をする料理のこと病気の予防や回復、また健康を保つ手段のひとつとして日本でも広く取り入れられています。

中医薬膳では、自然界や環境との繋がりということが非常に大切にされています。そのため、使う食材は季節の恵みを最大限に受けた旬のものがいちばんよいとされています。

今回は、心身ともに健やかに過ごすために取り入れたい春野菜の中から、春キャベツ春人参をピックアップ。皮や芯まで丸ごと使った2品をお届けします。

野菜を無駄なく楽しむためのコツは切り方にアリ

春野菜

野菜は有機栽培されたものを使うことで、皮を剥く手間や生ゴミを減らすことにも繋がります。©︎ Chiyuki Arita

外葉と芯は粗みじんに コリコリ食感がクセになる「春キャベツと大葉の水餃子」

水餃子

「有機春キャベツと大葉の水餃子」 ©︎ Chiyuki Arita

外葉や芯といったキャベツの硬い部分までおいしく食べ切るには、その食感をうまく活かす方法で調理するのがおすすめ。

このレシピでは中位のサイズのキャベツ半玉を使用。外側の硬い葉2枚ほどと太めの芯を予め20〜30秒下茹でし粗みじんにすることで、コリコリとした食感が楽しい水餃子に仕上げました。

材料(約35個分の餃子の餡)

・キャベツ(中)半玉
・大葉 8〜10枚
・豚ミンチ 80〜90g
・調味料など(腐乳大さじ2:ごま油大さじ2:醤油大さじ1:紹興酒大さじ1、片栗粉大さじ2)

春キャベツ

下茹でした外葉 (画像左) と太めの芯 (画像中央) を粗みじん (画像右) にします。 ©︎ Chiyuki Arita

つくり方

1. 下茹でしたキャベツの外葉と太めの芯を粗みじんに。残りのキャベツもサッと湯通しし同じく粗みじんに。その後、すべてのキャベツを一緒にし、しっかりと水分を絞り切ります。部位によって茹で時間を変えるこのひと手間がベストな食感を引き出します。

水餃子

肉はつなぎとして少量入れる程度にして餡を留め軽い仕上がりにすると、包むときにも扱いやすく、子どもとも一緒にもつくれます。 ©︎ Chiyuki Arita

2. 水切りしたすべてのキャベツをボールに入れ、大葉(8〜10枚)と豚ミンチ(80〜90g)と合わせ、しっかり揉み込み、餃子の餡をつくります。肉は繋ぎ役として少量入れる程度に留めることで軽い仕上がりに。この日の味つけは、腐乳大さじ2:ごま油大さじ2:醤油大さじ1:紹興酒大さじ1、そして片栗粉大さじ2。この分量で約35個ほどつくれます。

手軽に済ませたいときには皮は購入してもよし、より手づくり感を楽しみたいときには自分でつくるのもよし。

薬膳的には、“元気を養うキャベツ” “気の流れをよくする大葉” の水餃子。多めにつくって冷凍しておけば、バタバタな日の朝ごはんや疲れ切った日の夜食としても重宝します。

すりおろしと千切りの合わせワザ 半分人参でできた「有機春人参の薬膳キャロットケーキ」

春人参のキャロットケーキ

「有機春人参の薬膳キャロットケーキ」。豆腐でつくったヴィーガンホイップクリームを添えて。 ©︎ Chiyuki Arita

1年中流通している普通の人参に比べると、甘くてやわらかくみずみずしい春人参。おすすめは生でそのまま食べるか、甘みを活かせるレシピに取り入れる方法です。

このキャロットケーキでは、全体量の半分に人参を使用。人参1本(120g)のうち、4/5はすりおろしに、残りの1/5を千切りにし、同量の薄力粉と全粒粉(100g+20g=120g)と合わせることでしっとり食感のケーキに仕上げました。

キャロットケーキ

©︎ Chiyuki Arita

こちらのケーキのレシピは「子どももよろこぶ! おいしくて環境にやさしい、ヴィーガンスイーツづくりのススメ子どももよろこぶ!おいしくて環境にやさしい、ヴィーガンスイーツづくりのススメ」の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

キャロットケーキ

しっかりとした甘みを感じられる大棗(タイソウ)と枸杞子(クコシ)を入れることで、糖類に頼りすぎないヘルシーなスイーツに。全体量の半分以上は野菜と実でできているので、口当たりはとてもやわらか。 ©︎ Chiyuki Arita

薬膳的には、“血を養う人参”“血を養い心を落ち着かせる大棗”“肺や目をうるおす枸杞子” がたっぷり入ったキャロットケーキ。朝ごはんやおやつに、またホームパーティなどの差し入れとしてもおすすめです。

使いきれそうにない、状態が悪くなりかけている、また形がよくないといった野菜でも、切り方や調理方法をほんの少し工夫することが解決策に繋がることもあります。

スーパーで見切り品を見つけたり、自宅で食材をロスしてしまいそう、ということばあれば、ぜひ試してみてください。

【参考文献】本草薬膳学院 (2018)、食薬方剤学 第1版
【関連ページ】プロが教える! おいしくて、健康、サステナブルな薬膳料理のススメ
【関連ページ】子どももよろこぶ! おいしくて環境にやさしい、ヴィーガンスイーツづくりのススメ

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有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。週一で台湾朝ごはんとヴィーガンスイーツのポップアップを開催中。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。国際薬膳師。中医薬膳師。家庭薬膳アドバイザー。ワインエキスパート。