年末年始の食品ロス対策。家庭やお店で無駄なく食べきるために私たちにできることとは?

食品ロス

年末年始のシーズンは、家族や友人と会食の機会が増える時期。ホームパーティーや外食、テイクアウトなど、華やかな料理を前に話が弾みますよね。しかし、気になるのが食べ残しなどによる食品ロスです。つい料理をたくさん用意しすぎたり、話に夢中で食べ残したりするなどして、まだ食べられる食品を捨ててしまった経験はありませんか?そこで今回のテーマは年末年始の食品ロス対策。家庭や外食の際に役立つポイントを解説します。

年末年始は食品ロス削減を意識するチャンス!

食品ロス

食品ロスとは、食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。国内での令和2年度における食品ロスは約522万t。うち一般家庭から排出される食品ロスは、約247万tと半分近くを占めています。特に年末年始は外食やデリバリー、テイクアウトの機会も増え、食べ残しが気になる時期です。

捨てられた食品はもったいないのはもちろん、ゴミとして捨てられると処分の際に二酸化炭素が発生するなど、さらなる環境への影響が懸念されます。食品ロスが発生しやすいこの時期に意識を高め、普段の生活でも無駄のない食生活を送るようにしたいですね。

【参照】消費者庁 「食品ロス量(令和2年度推計値)の公表」について

年末年始に家庭で食品ロスを減らすコツ

まずは家庭で年末年始にできる食品ロス対策について、「買い物編」と「調理編」に分けて具体的なコツをご紹介します。できることから始めてみませんか。

家庭での食品ロス対策【買い物編】

食品ロス

まずは買い物の際にできる食品ロス対策をご紹介します。

買い過ぎない

まずは買い過ぎを防ぐことが重要です。使う予定の分、食べられる分だけを買うようにしましょう。そのためには買い物前に冷蔵庫や食品庫などを確認し、食材をチェックしておくと効果的です。リストアップが手間だという方は、出かける前に冷蔵庫内の写真を撮影しておくと、一目で何があるかがわかって便利ですよ。

しかし、そもそも食品をしまう場所が雑然とした状態では、在庫を正しく確認するのが難しいもの。大掃除も兼ねて片付けを行い、冷蔵庫や食品庫を見える化しておくのもおすすめです。

食品の期限を知る

食品の期限表示にも注目してみてください。すぐ使う食品であれば陳列棚の手前から取ることで、お店での売れ残りを減らして食品廃棄を減らすことにつなげられます。

家庭での食品ロス対策【調理編】

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つづいて、調理の際にできる食品ロス対策を解説します。

作りすぎない

たくさん作りすぎるのも食品ロスの大きな原因となってしまいます。自分や家族の食べる量や好き嫌いを把握し、食べきれる量を作ることが大切です。作りすぎてしまったらリメイク料理として生まれ変わらせるのもおすすめ。

適切に保存する

食品を正しく保存することも食品ロス対策のひとつです。誤った保存方法では早く傷んでしまい、廃棄せざるをえなくなってしまいます。たとえば白菜やキャベツなどは切り口を濡らしたキッチンペーパーなどでくるみ、ラップで包むなどしておくと乾燥して傷むのを防げます。このように食材ごとの保存方法を知っておくことも食品ロス対策に役立ちます。

無駄なく食材を調理に使う

普段捨ててしまっている野菜の部位は、食べられる場合もあります。たとえば人参や大根、かぼちゃの皮、ほうれん草の根元部分などは、しっかり洗えばおいしく食べられます。大根やかぶの葉は細かく刻んで炒め、甘辛く味付けしてふりかけにしても。それでも残った食べられない部位は、ベジブロス(野菜だし)として使うと無駄なく使い切ることができます。

余った食品はフードバンクに寄付という手段も

「フードバンク」とは、品質に問題のない食品を自治体やNPO法人などに引き取ってもらい、福祉施設などに無償提供するボランティア活動のことです。活動団体にもよりますが、缶詰やフリーズドライ、ペットボトル飲料など、常温で保存でき、開封されておらず、消費期限が明記されていることなどが原則の条件です。余った食品が大量にある方は、お住まいの地域でフードバンク活動を行っている団体に問い合わせてみるとよいでしょう。

年末年始に外食で食品ロスを減らすコツ

食品ロス

外での食事は、お酒やおしゃべりに夢中になり、つい食べ残しが多くなってしまうもの。せっかくの豪華でおいしい料理を食べ残さないためのコツをご紹介します。

「30・10運動」を心がける

外食の際には、「30・10(さんまるいちまる)運動」を心がけることで、無駄なく食べきることができます。

  • 乾杯後30分は席を立たずに食事を楽しむ
  • お開き10分前は席に戻って料理を食べきる

幹事の方が呼びかけても効果的ですが、一人ひとりが「もったいない」を意識して、食べきることが肝心です。

食べきれる分だけ注文する

お店で注文する際には、食べきれる量を注文することも大切です。小盛りになったメニューやハーフサイズなどのメニューを活用するのもおすすめ。また、苦手な食材が含まれている場合、残してしまうようなら料理から抜いてもらうとよいですね。

サルベージ・パーティーを開催してみよう

友人や家族との会食を「サルベージ・パーティー」のスタイルで開催してみませんか。サルベージ・パーティーとは、一般社団法人フードサルベージが提案している家庭で持て余している食材を持ち寄り、自由な組み合わせで新たな料理に変身させる取り組みのことです。

もらいすぎて使い切れない食材や、棚の奥に眠っている缶詰などの加工品、お土産でもらった調味料などを使って、みんなで新たな活用法を考えながら、食事までを行います。食品ロスを楽しく解決へと導く、新しいパーティーです。

年末年始の食品ロスを減らし、新しい年をサステナブルに

食品ロスが発生しやすい年末年始ですが、ちょっとした心がけで無駄なく食べきることができます。最近は食品ロス対策に力を入れている飲食店も多く見られます。自分自身の意識も高め、新しい年はよりサステナブルな暮らしにシフトしていきませんか?

【参考サイト】消費者庁 食品ロス削減ガイドブック
【参考サイト】消費者庁 家庭での食費ロスを減らそう
【参考サイト】一般社団法人フードサルベージ サルベージ・パーティー
【関連ページ】年末年始は“サルベージ・パーティー”で家庭の食品ロスを楽しく解決しよう

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みすみぞの いずみ

九州在住、2男児の母でライター。産後、慣れない育児と家事を必死に両立させようとする中で、モノを減らした暮らしの快適さに気づく。もっともっと毎日の生活も思考もシンプルにさせたい30代半ば。