衣類を肥料へ、体験しながら学べる「CIRCULAR FARM MUSEUM」に行ってみた!

クレサヴァ

クレサヴァ株式会社(以下、クレサヴァ)は、4月22日から7月中旬まで、東急プラザ銀座7階に、サステナブルエンターテイメントスペース「CIRCULAR FARM MUSEUM(サーキュラー ファーム ミュージアム)」をオープンしています。今回は4月18日(火)に行われたメディア内覧会の様子をレポートします。

年間約50万トン以上の衣類が廃棄されている現状を変えたいという想い

衣服の山
現在、日本では年間約50万トン以上の衣類が廃棄されていると言われています(※出典:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務)。

クレサヴァ代表の園部皓志社長は、もともと大手アパレルチェーンでファッションデザイナーをしていました。その時に、品質が高い服を大勢の人に安価で提供できることにやりがいを感じる一方で、大量に服が捨てられるビジネスモデルや、そのようなビジネスモデルが当たり前となっているアパレル業界に対し疑問を感じていたそう。

その解決策として、不要になった衣類を捨てるのではなく、「土に還す」ことを着想し、研究を重ねてきました。その結果廃棄された衣類を肥料化し、その肥料を使って野菜を育てることで、循環するシステムを築くことに成功しました。

これまでは、天然繊維のみを肥料化してきましたが、新たに開発したテクノロジーにより、 有害物質を取り除くことに成功し、ポリエステルやポリウレタン、ナイロンなどの化学繊維が混ざっていても肥料にできるようになりました。

衣から食への循環が学べるCIRCULAR FARM MUSEUM

CIRCULAR FARM MUSEUMの全体像

今回公開された「CIRCULAR FARM MUSEUM」は、約400坪のスペースに、知る・学ぶ・体験することができるブースが設けられています。

ポリエステルなどの化学繊維が環境や肌に与える影響や、天然繊維の安全性と心地良さを学ぶことができる展示エリア、不要になった衣類を実際に回収してもらえる衣類回収カウンター、肥料へ加工する工程を体験することができるワークショップスペースなどがあり、衣類がどのように循環するのかがわかるようになっています。

また、京都・美山の自社農園で、クレサヴァの肥料で育てた野菜や湯葉などの料理を提供するレストラン&バー「YUBA(ユバ)」も併設されています。

廃棄衣類から作られた肥料とは

回収した衣類が肥料になる工程を展示した部屋

まず案内されたのは、廃棄衣類から作られた肥料が展示されているスペース。破砕・粉砕・発酵された繊維や、1~2㎝ほどの円柱状のペレットにされた肥料を見たり、触ったりすることができました。

粉々にされた繊維

肥料は衣類1㎏に対し、1㎏ほどできるそう。環境に配慮し加熱処理をすることなく、衣類に発酵有機物を加えて約1カ月ほど発酵し、微生物による分解をさせることで、肥料にしています。衣類の重さと同程度の発酵有機物を使用するそうで、発酵に使用している有機物も、廃棄されるはずだったものをアップサイクルして使用しています。

作りたての廃棄衣料で作られた肥料。軽くてやわらかい触り心地

化学繊維にはさまざまなものが混ざっています。そのため実際に肥料として使えるものかどうかの安全性を調べるために、日本肥料検定協会で有害物質の検査を実施。

化学繊維を肥料化する上で、有害物質の無害化と肥料としての効能を持たせることに成功したことを語る園部皓志社長(中央)

農林水産省が肥料に関して規定している、ひ素やカドミウム、ニッケルなどの有害物質の数値をほぼゼロにできたことが証明されました。

衣類回収ボックスを身近に

百貨店やショッピングモールなどに設置を予定している衣類回収ボックス

クレサヴァと、グループ会社のaloof home(アルーフ ホーム)では、今後百貨店やショッピングモールなどの商業施設に衣類の回収ボックスを設置しようと考えており、年間5,000トンの衣類回収を目指しています。

aloof homeは皓志社長の姉の園部梨加社長が代表を務めており、“Feels like home. ”をコンセプトに、和紙やコットン、シルクなど天然繊維のみを使ったホームウェアブランドを展開しています。

CIRCULAR FARM MUSEUMの展示スペースに設置されている回収ボックスでも衣類の回収を体験することができます。自宅に不要な衣類がある方は、会場を訪れる際に持って来て、実際に入れてみて下さい。

衣類が肥料になる工程を体験できるワークショップスペース

CIRCULAR FARM MUSEUM内には、実際に衣類を肥料にする工程を体験するワークショップスペースがあります。

実際に衣類を肥料にする工程を体験できる

ここには回収した衣類を粉砕したものが中央に置かれており、それにリン、窒素、カリウムの発酵有機物を加えて、実際に肥料作りを体験することができます。発酵有機物も化学物質を使用せず、天然のものを使用しています。

窒素

リン、窒素、カリウムの発酵有機物を加える

発酵には時間がかかるので、自分が作った肥料を持ち帰るのではなく、体験した後は既に発酵が終わって肥料になった状態のものを持ち帰り、家庭菜園に使用することができるそうです。

衣類から作られた肥料を使ってできた大豆の味は?

試食させて頂いた汲み上げ湯葉の卵黄醤油漬け。優しい味付けでした。

最後は、会場内に併設されているレストラン&バー「YUBA」で、黒ごま豆乳と、汲み上げ湯葉の卵黄醤油漬けを試食させて頂きました。こちらでは、クレサヴァの自社農園がある京都 美山の契約農家で作られた大豆を使用した湯葉料理を楽しむことができます。

黒ゴマ豆乳は、豆腐を飲んでいるかのような濃厚な味わいでした。

今回頂いた黒ごま豆乳は、豆乳というよりお豆腐を飲んでいるような濃厚な味わい。湯葉も出汁の優しい味付けであっという間に完食してしまいました。会場内には、クレサヴァの肥料で育てた野菜や、自社農園がある京都府南丹市の特産品などを購入することもできます。

会場には野菜や京都府南丹市の名産品を購入できます。

さいごに

不要になった衣類をどうしたらいいか頭を悩ませている人は少なくありません。さまざまなところで衣類回収が進んでいますが、クレサヴァの取り組みは、回収された後のこともわかるため、生活者が参加しやすい取り組みやすだと感じました。今後回収ボックスを増やしていくとのことなので、お近くに回収ボックスを見つけた方はぜひ入れてみて下さい。

概要

開催場所:東急プラザ銀座7階(東京都中央区銀座5-2-1)
開催期間:7月中旬まで
営業時間:11:00~21:00※レストランは23:00まで営業


【参照サイト】CIRCULAR FARM MUSEUM
【参照サイト】環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務
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Life Hugger 編集部

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