「捨てる必要がない梱包」がキャッチコピーとなっているサステナブルな次世代パッケージ「BIOPAC(バイオパック)」が日本での販売を開始した。生分解可能で食べられる、海藻を原料としたプラスチックに代わるエコな梱包資材だ。
環境に優しい方法で加工されており、水の使用は最小限に留め、有害な化学物質は一切不使用。生分解は、土の場合は5〜12日程度、海に流れた場合は分解に時間を要するとのことだが、海藻であるため魚が好んで食べる様子が確認されている。海藻の栽培による炭素排出量の削減と、海中のプラスチック廃棄物の削減に貢献できるほか、海藻農家への支援にもつながる。
また、アレルゲン食品や動物性食品を含まないため、アレルギー疾患を持つ人やヴィーガンの人も気軽に選びやすい。
さらに、BIOPACは熱いお湯をかけると約1分で溶けてしまう。そのまま食べることも可能なため、コーヒーや粉末スープのパッケージにすることで、まるごと使い切るといった使い方が可能となる。入浴剤のパッケージに利用すれば海藻成分が溶け出し、温浴効果アップも期待できる。
着色や印刷、厚さの調整などもしやすくなっており、さまざまなかたちに加工できる。2023年4月現在、製品ラインにはラップや巾着袋、シールテープのほか、ガゼット袋や真空包装も可能だ。
今後小売店やECサイトの商品の梱包材、ホテルのアメニティやカトラリーの梱包材、ギフトラッピング紙といった用途での活躍が期待されるとのこと。
他にも海藻から作られたインクで印刷したサステナブル・オリジナルグッズやノベルティの注文も受け付けている。
リモートワークが定着して自分のペースで仕事ができる一方で、一週間の大半をオフィスで過ごしていた頃に比べて家庭ごみが増加したという声も少なくない。国内でも脱プラスチックを推進する動きが活発になっているが、プラスチックが家庭ごみから完全になくなるには、もう少し時間がかかるだろう。BIOPACのような次世代素材がより普及し、一日でも早くごみの出ない日常生活が来ることを願いたい。
【参照サイト】Biopac
【関連ページ】開発のきっかけは洪水。インドネシアの食べられる海藻パッケージ素材とは?
斉藤雄二
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