日本のスーパーでも目にする機会が増えてきた「大豆ミート」や「プラントベースミルク」といった代替食品。なかでも豆乳を使った加工食品は気軽に手に取りやすい製品です。今回は、そんな豆乳由来製品のなかでも「チーズの代替品」として登場した「大豆舞珠」(以下、まめまーじゅ)を紹介します。筆者が実際に購入し、美味しい食べ方や保存方法なども検証しました。さっそく見ていきましょう!
まめまーじゅとは
「まめまーじゅ」とは、不二製油株式会社が開発、販売している豆乳発酵食品です。大豆の劣化や酸化を防いだまま分離・分画する世界初の特許技術「ウルトラソイセパレーション(USS)製法」を採用し、発酵させて作っています。
「イミテーションチーズ」や「アナログチーズ」といった従来のチーズ代用品とは異なり、香料不使用のまま、コクや大豆本来の旨味を引き出した製品です。まめまーじゅは、クリームチーズタイプと、マスカルポーネチーズタイプの「mou(ムー)」、セミハードタイプの「ぶろっく」の3種類が販売されています。今回購入したまめまーじゅはブロックタイプです。
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食感や香りはチーズそっくり?!
ここからは、購入した製品を実際にレポートします。配送時の様子から、味や食感、香りのほか、冷凍保存、加熱処理などでどのように変化するかを試してみました。記事の最後には、簡単な作例も紹介しています。
植物油脂や澱粉で硬さを出している
自宅に届き開封したところです。今回はAmazonで注文しました。価格は2,250円(税込)です。ぴったりサイズのダンボールに新聞紙1枚のみで、ほかには何も入っていません。
内容量は1kgです。もともと業務用として販売された商品のため、ブロックタイプはこれよりも小さなサイズはありません。
原材料は以下のとおりです。
- 豆乳
- 植物油脂
- 澱粉
- デキストリン
- 食塩
- 酵母エキス/増粘剤(加工澱粉)
- pH調整剤(一部に大豆を含む)
植物由来の油や澱粉類が含まれています。酵母を加えて発酵させているようです。また、防腐剤や劣化防止剤としてpH調整剤も入っています。保存温度は0〜10℃、賞味期限は240日です。
食感はねっとりとしていてプロセスチーズに似ている
パッケージを開封しナイフでカットしてみると、粘度が非常に高く、ブロック型の「プロセスチーズ」とよく似ています。開けた瞬間にチーズのような発酵食品の香りもします。
実際に食べてみると、最初にチーズの香りが口の中に広がることに驚きます。そのまま噛んでいるとスッと溶けて消えていく感じです。原材料に含まれる油が強く、人によっては苦手と感じるかもしれませんが、いつまでも口の中に残るといったことはありません。
常温でもかたちを保ったまま
室温23℃の常温で約5時間ほど放置してみました。見た目には大きな変化はなく、指で押しても硬いままです。食べても味が変化するといったことはありません。
冷凍から冷蔵解凍時は少し風味が落ちる
次に、自宅の冷凍庫で2日ほど冷凍させてから、ひと晩ほどかけて冷蔵解凍したらどうなるかを試してみました。こちらも、あまり大きな変化はなかったものの、発酵食品の香りや食べたときの風味が若干落ちているようにも感じます。食感も少し粉っぽくなったようです。冷凍庫での保存は可能なようですが、味は少し落ちてしまうことがわかりました。
写真は、冷凍したままのまめまーじゅをチーズ削りでパスタにかけてみたところです。見た目は粉チーズそっくりですが、食べてみると、本家ハードチーズ(パルミジャーノレッジャーノやグラナパダーノなど)のようなコクや旨味はあまり感じられません。削るのにかなり力を要するうえに、削っていくうちに摩擦熱でどんどん溶けていってしまうので、ハードチーズのように使うには工夫が必要です。
電子レンジで加熱するとお餅のようにとろける
写真は、3cmほどにカットしたまめまーじゅを600wの電子レンジで20秒ほど加熱した様子です。お餅のように溶けています。スプーンですくってみると、チーズほどではありませんが少し伸びるようです。油や澱粉がちょうどいい温度帯でかたちを保ったまま溶けたのかもしれません。
これ以上熱を加えるとどうなるのかも気になります。豆乳パスタに大さじ2杯程度のまめまーじゅを加えて溶かしてみたところ、チーズに期待する「コクや旨味」は足りませんが、ソースの粘度がどんどん増していき、硬めのクリームソースに仕上がりました。
まめまーじゅを使った調理例3つ
ひと通り検証を終えたところで、ここからは「まめまーじゅ ぶろっく」を使った簡単な作例を紹介します。
フルーツやナッツでコクと酸味を加えたサラダ
オーソドックスなサラダですが、ナッツを乗せてコクや香ばしさを出し、みかんの爽やかな酸味で、まめまーじゅが持つ油っぽさを和らげています。ドレッシングも、オリーブオイルに豆乳とビネガーで酸っぱめに仕上げています。
生ハムの旨味とフレッシュトマトの酸味が相性抜群なまめまーじゅサンド
こちらは試作する中でもっともチーズっぽさを感じた「まめまーじゅサンド」です。トマトと生ハムを挟んでいます。生トマトの酸味とみずみずしさでまめまーじゅの油を和らげながら、生ハムの動物由来の旨味が加わり、本物のスライスチーズと区別がつかなくなるほどです。生ハムは発酵食品のため、余計に相性がいいのかもしれません。
まめまーじゅがトロッととろけるピザトースト
「まめまーじゅサンド」が思いのほか美味しかったことと、加熱したほうが油っぽさが和らぐ気がしたので、トーストしてみました。まめまーじゅが溶けてピザトーストのようになっています。口のなかで溶けたまめまーじゅがまとわりつく感じが、本物のチーズとそっくりです。加熱したことでトマトの酸味と甘みが強調され、まめまーじゅとの相性は抜群。仕上げには、ぜひバジルとオリーブオイルを乗せましょう。
新しい選択肢をどんどん広げていこう
100%植物由来のチーズ代替品「まめまーじゅ ぶろっく」を、実際に購入してレポートしました。今回、筆者がまめまーじゅを購入したのは、世界規模で取り組んでいる「環境保護」の解決を目指すための「新しい食習慣」に、少しでも適応したいという思いからです。
ヴィーガンやベジタリアンに限らず、今後は一般消費者もまめまーじゅのような植物由来の代替品を手に取る機会が増えると予想しています。
まめまーじゅは、チーズの代替品としてはまだ一歩及ばずといった印象ですが、とても可能性の感じる製品です。発酵食品の香りもしっかり出ており、レシピによっては本物のチーズに近い味が楽しめるでしょう。100gあたり約220円と、市販のプロセスチーズとそこまで変わらない価格で100%植物由来のチーズ代替品が購入できるのは、とてもポジティブなことといえます。
食卓にならぶチーズを、すべて代替品に置き換えるのはまだ難しいかもしれませんが、少しずつその比率を変えていくことはできます。気になる人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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斉藤雄二
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