大豆やえんどう豆などの植物を100%主原料とする代替肉(植物肉、プラントベースミート)は、世界的にすっかりスタンダードな食材となっています。日本国内でも複数の企業が開発、製造、販売を行っており、スーパーでも代替肉を使った加工品を目にする機会が増えてきました。
今回は植物肉の研究開発を行っているグリーンカルチャー株式会社の広報・マーケティング担当の宮澤亮さんに同社の取り組みについて詳しくお話を伺いました。同社は2021年12月に人気製品「Green Meat™」の新モデルを、最近では2022年2月9日に日本初となる植物性とんかつを発表するなど、次々と新たな製品を生み出しています。
2021年4月販売の生タイプの代替肉「Green Meat™️」とは
2021年4月から販売してきた既存商品「Green Meat™️」はミンチ状のお肉で、動物性の肉にとても近く、牛肉や豚肉と並列して新しいジャンルのお肉としての市場を開拓しています。
植物性たんぱくの肉はおおまかに分けて5レベルがあります。レベル1は大豆やえんどう豆そのものの段階、レベル2は豆腐やがんもなどに加工する段階、レベル3はそぼろ状やシート状など乾燥タイプの大豆ミートにする段階。このレベル3の大豆ミートなどが現在スーパーでも多く取り扱われています。弊社の「Green Meat™️」はレベル4で、現在世界的に見ても最高レベルだと自負しています。レベル5は価格面でも動物性の肉をしのぐ安さで提供でき、栄養価も完璧の状態という段階ですが、まだどこも到達できていません。
スーパー等で出回っている乾燥タイプの大豆ミートは水戻しや湯戻しをして柔らかくする必要があります。味はついておらず、大豆の味がするので下味の調理も必要です。例えば乾燥大豆ミートをハンバーグにしようとすると、粒をまとめようとしてもくっつかないので、小麦粉やつなぎを使う必要があります。
一方で「Green Meat™️」は国内外から選別した味も形もまったく異なる乾燥タイプの大豆ミートを複数組み合わせて作っています。乾燥させていない生タイプなので生肉と同様の扱い方ができます。水戻しの必要がないので、豚や牛の合いびき肉と同じように調理することが可能で、肉に粘り気を出して結着させるための安全成分や油などを加えることでジューシーさを出しています。
また香料にもこだわり、風味も本物のお肉にかなり近いことが特徴です。本来は飲食事業者向けでしたが、「家でも使いたい」という声から一般消費者がECサイトで購入できるようになっています。
「Green Meat™️」の新モデル2種類とは
2021年12月に事業者向けに新発売された「Green Meat™️」の新モデル2種類は、「Green Meat Model S」と「Green Meat Model FT」の2種類です。「Green Meat Model S」は現状のところ飲食店向けのみの展開で、既存製品よりも味に重厚感があり、香りもより濃厚に仕上げました。食感もこだわっており、食べた時により肉のような満足感が得られるようにしています。既存の「Green Meat™️」が牛と豚の合いびき肉のイメージなら「Green Meat Model S」は牛100%のイメージです。
一方の「Green Meat Model FT」は業務用で、同業他社の食品加工メーカー向けです。味や食感が軽めなので、製品開発の汎用性が高い製品で、どんな事業者でも加工しやすいように薄めの味付けになっています。
「Green Meat™️」は冷凍で流通しているので、動物の肉のように細菌が繁殖しないので、長期保存が可能です。仕入れてから廃棄することが非常に少ないので、食品ロスにもなりにくいです。
一般消費者が代替肉を選ぶ際は、肉感が楽しめるけど動物の肉よりもヘルシーなので、ダイエットに興味がある人に人気があります。現状ではクオリティの高い代替肉がスーパーやコンビニに置けないのは、価格面がネックです。価格さえクリアできればスーパーなどでの取り扱いが増えるはずなので、価格面を抑えられるようにしながら、今後は一般消費者が代替肉を実際に食べてみる機会を作るのが課題です。食品なので実際に食べてみないと良さがわからないので、代替肉を身近に感じてもらえる機会を増やしたいです。
「Green Meat™️」を使って実際に調理してみた
「代替肉」というと、牛や豚に変わる廉価版という印象があるかもしれないですが、牛肉や鶏肉と並列した新しいジャンルの肉というイメージで位置付けており、そういった認知をもっと広げていきたいと話していました。筆者は今回実際に同社の「Green Meat Model S」を使ってハンバーグを作ってみましたが、見た目も質感も牛肉や豚肉の合いびき肉とまったく遜色ないクオリティで驚きました。ミンチ状なので肉同士がしっかりくっつくので、形成も非常に楽。
フライパンで焼いても離れてボロボロにならずにキレイに焼き上がるので、とても扱いやすかったです。
通常のハンバーグと同じ味付けで作ってみましたが、味は動物性の肉を使ったハンバーグとほぼ同じ。言われなければ植物性の肉だとはわかりません。家族に内緒で食卓に出してみても、誰にも気づかれませんでした。
植物肉は「牛肉や豚肉、鶏肉の下位互換」というイメージが持たれがちですが、肉を選ぶように代替肉を選ぶようになる日常もそう遠くはないかもしれません。今後どのような製品が出されていき、私たちの食生活が変わっていくのか期待したいところです。
【参照サイト】グリーンカルチャー株式会社
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