大阪で環境に配慮したイベントとして毎回多くの人が集まる「ロハスフェスタ万博」。そのエコな取り組みが、サステナブルな未来への一歩として注目を集めています。
今年も、2024年4月26日から29日、5月3日から6日までの8日間、万博記念公園で「ロハスフェスタ万博 2024春」が開催されました。「みんなの小さなエコを大きなコエに」をテーマに、人と地球にやさしいアイテムや環境に配慮したグルメなどが並び、多くの人で賑わいました。
近年、イベントが終わったあとに残される大量のごみが、問題視されています。そんななか、ロハスフェスタ万博はこうした問題に真正面から取り組み、できるだけごみを出さないイベントを目指しています。そのため会場内には、環境負荷やごみを極力減らし、廃棄物を価値ある資源に変え循環させる工夫にあふれています。
今回は、ロハスフェスタ万博のサステナブルなイベント運営の仕組みや仕掛けについて、ロハスフェスタ事務局長の森永直花さんに取材しました。
大阪で大人気のイベント、ロハスフェスタとは?
ロハスフェスタは2006年に大阪で始まったイベントです。今では、東京、広島、福岡、淡路島で開催されるまでに拡大しています。毎回大人気のロハスフェスタですが、注目すべきなのは、会場にちりばめられたサステナブルな取り組みです。来場者や協賛企業、行政までも巻き込み、環境負荷とごみをできるだけ抑えたエコなイベントを目指しています。
そのサステナブルな取り組みは、2023年には環境省が主宰する「第11回 グッドライフアワード」において「実行委員会特別賞 EXPO2025いのち動的平衡賞」や、「2023年度グッドデザイン賞」、「ソトコト・ウェルビーイングアワード2023」など数々の賞を受賞しました。
「サステナブルなイベントにするために、環境負荷をなくし、ごみをできるだけ減らす方法を考え、ひとつずつトライアンドエラーを繰り返してきました。問題のあるところがわかったら、そこを改善していきました」と森永さん。
例えば、イベントで発生するごみのほとんどが、使い捨て容器などのプラスチックごみだということがわかり、使い捨てプラスチック容器の使用を禁止しました。代わりに、マイ食器やマイボトル、マイカトラリーなどを持参するよう事前に案内しています。また、忘れた人には、洗って何度も使える「リユース食器」を有償で購入してもらうことにしたそうです。
「リユース食器は、何度も使っていただくために、簡単には捨てられないようなかわいいデザインで作っています」と森永さん。
このようなマイ食器持参の呼びかけや、リユース食器の導入によって、今では一人あたりのごみ排出量を平均約15gに抑えており、屋外イベントとしては非常に少ない量になっています。ごみを出さない取り組みをレポート!
ロハスフェスタ万博では、さまざまな場所でごみを出さない工夫が見られました。今回は実際に会場を一周しながら、森永さんにお話しを伺いました。
ロハスフェスタ万博には、端材や不要品を使ったアップサイクル作品のお店が多く出展しています。「ごみと思われがちなものが、実は貴重な価値を持っていることに気がつくきっかけになればと願い、多くのアップサイクル作品のお店に出展してもらっています」(森永さん)
ロハスフェスタ万博の会場では、キッチンカーも多数出展しているので、食材にこだわったさまざまなグルメを楽しむことができます。「食材や味にこだわるのはもちろんですが、食品ロスを防ぐことにも取り組んでいます。出展者さんには『注文を受けてから調理する』という方針で、できるだけロスを出さないようにお願いしています」(森永さん)
「xChange」は、着なくなった服を持ってきて、好きな服に交換できる取り組みです。まだ着ることができるのに廃棄されてしまう衣類の削減を目指しています。「現在、xChangeでは、40代から50代の方の服や子ども服の交換が盛んです。これからは、若い人たちにもぜひ参加してほしいですね」と森永さん。
会場では、ペットボトルや缶を使用した飲料の販売はなく、リターナブル可能な瓶、マイカップ、リユースカップでの提供のみとし、使い捨てプラスチックごみの削減に取り組んでいます。来場者には事前に、マイ食器やマイボトルを持参してもらうように案内しています。マイボトルが空になった場合は、給水スポットで給水できます。「給水スポットは、マイカップやマイボトルを持参した方のみが利用できます。空のペットボトルには給水できません。マイボトルを普段から持ち歩いてもらえるように、このようなルールを設けています」(森永さん)
会場では資源回収も行われていて、来場者から回収した牛乳パックは会場のトイレで使用されるトイレットペーパーに再生されます。さらに、使用済みの天ぷら油の回収も行い、会場で使用する発電機の燃料として活用しています。編集後記
ロハスフェスタ万博は、環境を取り巻くさまざまな問題を、楽しく知る機会になっていました。実際に訪れた来場者は、アップサイクル商品を手に取ったり、出展者さんとコミュニケーションを取ったりして、新たな発見や気づきを得ていました。これらの体験が日々の行動に少しずつ影響を与え、大きな変化へとつながりそうです。
次回は秋に開催予定のロハスフェスタ万博。ぜひ、マイ容器を持って遊びに行ってみてください。
【参照サイト】ロハスフェスタ
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