バナナを通じて持続可能な食生活を目指す絵本『バナナのらんとごん』出版プロジェクト始動

バナナを通じて持続可能な食生活を目指す絵本『バナナのらんとごん』出版プロジェクト始動

規格外バナナの活用を通じて食品ロス問題に取り組んでいる「ぽこぽこバナナプロジェクト」が、子どもたちに規格外バナナの存在を伝える絵本『バナナのらんとごん』制作のためのクラウドファンディングを開始した。

バナナを通じて持続可能な食生活を目指す絵本『バナナのらんとごん』出版プロジェクト始動

日本ではかねてから、大量の食品廃棄が問題となっている。農林水産省によると、食品ロス量は令和3年度で年間523万トン、令和4年度は減ってはいるものの年間472万トンもの食品廃棄があったと推計されている。その一方で、国内の食料自給率はカロリーベースで38%程度だという。多くの食料を輸入に頼りながらも、きちんと消費されずに廃棄されてしまっているということは、決して無視できるものではない。

バナナを通じて持続可能な食生活を目指す絵本『バナナのらんとごん』出版プロジェクト始動

今回、ぽこぽこバナナプロジェクトが注目したのは、フィリピンから輸入される「バランゴンバナナ」という品種。輸入されたバナナを日本向けにリパックする際、皮に傷みなどがあると「規格外」として廃棄されているのだ。

絵本『バナナのらんとごん』は、そんなバランゴンバナナの姉弟「らん」と「ごん」が、日本の誰かに食べてもらうまでの旅を通じて、身近な食べ物たちの背景や食品ロス問題を読者に伝えるというストーリーだ。

絵本の制作は、ぽこぽこバナナプロジェクトを主催する特定非営利活動法人APLA(あぷら)と和歌山県の出版社「らくだ舎出帆室」が共同で行う。文章はらくだ舎出帆室が、ページデザインと装丁は真鶴出版の書籍などのデザインを担当してきたDOTMARKSの鈴木大輔氏が、絵は大分県別府市を拠点にデザインやイラストレーションで活躍するひなたや 加藤えりこ氏が担当する。

判型は横25cm×縦25cm、ページ数は32ページ、フルカラーのハードカバーで、品質の高い子ども向けの絵本となる予定だ。また、本文ページにはFSC認証紙または環境配慮紙を使用し、目標金額達成時には一部にバナナペーパーの使用を計画しているという。

バナナを通じて持続可能な食生活を目指す絵本『バナナのらんとごん』出版プロジェクト始動

クラウドファンディングサイトにはCAMPFIRE(キャンプファイヤー)を利用し、250万円の目標金額を掲げる。プロジェクトは2024年9月30日(月)まで実施し、募集完了後の10月からは印刷開始、遅くとも11月には出版したいとのこと。部数は2,000部、販売価格は2,500円前後を予定している。

クラウドファンディングでは、シンプルな応援プラン以外にも、「子どもに贈るプラン」や「規格外バナナとレシピ集セット」など、さまざまなプランを用意。子どもたちに食品ロス問題を身近に感じてもらうだけでなく、持続可能な社会への意識を高める機会を提供するものだ。興味のある人は、ぜひプロジェクトに参加してみよう。


【ウェブサイト】CAMPFIRE
【ウェブサイト】食品ロス量(令和3年度推計値)を公表「農林水産省」
【ウェブサイト】食品ロス量(令和4年度推計値)を公表「農林水産省」
【ウェブサイト】令和5年度の食料自給率「農林水産省」
【関連ページ】「消費期限」と「賞味期限」とは?違いを理解して食品ロスを減らそう!

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斉藤雄二

「フレキシタリアン」を実践している静岡在住のWebライター。これまでモノ系、テクノロジー、サイエンス、ビジネス、ファッションといったジャンルで執筆してきました。趣味は読書とフィットネスと料理。最近は愛車のfiat500でドライブに出かけるのが楽しみです。