2019年暮れから始まった新型コロナウイルスの流行により、世界中のさまざまな国や地域で、それまでとはまったく異なる生活を強いられることとなった。国内でも、全国の小中学校で臨時休校、学級閉鎖が相次いでいる。
文部科学省が3月4日に発表した「新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業状況調査の結果について」によると、2022年2月22日時点で、特定の学年・学級の臨時休業を実施している学校は、幼稚園から高等学校、特別支援学校を含め計3951校となっており、学校全体が臨時休業している数も合わせると4000校にも上る。
参考資料:新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業状況調査の結果について
生徒たちを支えている保護者や職員の苦労はもちろんだが、登校日数が減ることで起こる問題は、子どもたちの学業の遅れだけではない。毎日の給食にも大きな影響があるのだ。
本来消費されるはずだった給食用のパンが、臨時休業によって大量に余ってしまう状態を少しでも改善しようと、福岡市にある公益財団法人「福岡市学校給食公社」は、「余剰パン」として一般販売する活動を実施している。同社公式サイトのページ「給食パン販売のお知らせ」では、「学級閉鎖等に伴って、大量のパンが食品ロスとなるのを防ぐため、販売を実施しております。ご協力をお願いします!」という文が添えられ、余剰パンの販売情報が詳しく掲載されている。告知用チラシを見ると、美味しそうなパンの写真も添付されていた。
公式ページをさらに詳しく見ると、給食用食材の調達や検査を自ら行っている様子や、行事で提供される特別食や非常食の準備なども確認できるので、安心感につながっている。
公式Twitterアカウントでは、販売されるパンの種類やセット数、即売会実施の有無などもリアルタイムで告知しており、ほぼ毎日更新しているようだ。販売されるパンの種類には、「ミルククレセントパンと背割りコッペパン、米粉パン」や「ミルクパンとぶどうパン、メロンパン」など、懐かしい名前が並んでいる。
福岡市学校給食公社 公式Twitter:https://twitter.com/n9ejdysmpjxrurf
突発的な事態にも素早く対応し、フードロス削減や雇用確保などを同時に実現している素晴らしい取り組みではないだろうか。お近くの人は、ぜひ懐かしい給食パンを味わってみよう。
【参照サイト】福岡市学校給食公社
【参照ページ】コロナ禍で相次ぐ学級閉鎖 フードロス削減へ福岡市で給食パンを販売
【関連ページ】「ツナグパン」で食品ロスと社会課題を同時に解決!神戸「ケルン」の新しい挑戦
斉藤雄二
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