見た目は違うが、味は同じ。規格外野菜の魅力を伝える八百屋とは?フードロス削減「福ごはんプロジェクト」

福ごはん八百屋

見た目は個性的だが、味や栄養価は、スーパーや店に並ぶ野菜や果物と変わらない。そんな規格外野菜を取り扱う八百屋が、食品ロス削減の日に合わせて、中央区の日本橋浜町にあるカフェ「Hama House」にて、10月30日〜11月5日の期間限定で開催されました。

この「地球も人も治したい八百屋」は、その日の体調に合わせて、市場に出回ることのないおいしい規格外野菜を購入できる八百屋となっており、一般社団法人「Tokyo Good Manners Project」が主催。同団体が東京・日本橋浜町エリアで2019年から取り組んでいる「福ごはんプロジェクト」の一環として実施されました。

店内に足を踏み入れると、一つひとつ形の異なる規格外野菜が、まるでアートのオブジェのように壁一面にディスプレイされている様子に目を奪われます。規格外ゆえに行き場をなくした新鮮な旬の野菜や果物を、リーズナブルな価格で手に入れることできます。

福ごはん 八百屋

他にも、規格外野菜を使った「福ごはん弁当」や、オリジナルスムージーなど、食品ロス削減に向け、仕入れた野菜を無駄なく使う取り組みも展開。野菜の効果・効能がわかるよう、美養食料理家の片山真美さん監修のリーフレットや、手のひらをかざすと野菜の摂取量がその場でわかる、カゴメの「ベジチェック」を設置するなど、食生活面でのサポートも充実していました。

福ごん八百屋ベジチェック

また、開催期間中には、コンポストづくりのワークショップも開催。コンポストとは、家庭から出る生ゴミを活用して堆肥をつくる取り組みのこと。初心者向けに開催された今回のワークショップでは、ローカルフードサイクリング(株)でコンポストアドバイザーを努める、平 希井さんが講師を担当。約1時間の講義をとおして、コンポストの基本や作り方、注意点をレクチャーしてくれました。

このワークショップは全3回の実施を予定。完成した堆肥を使って食物を植えることも検討しているとのことです。(参加募集はすでに終了済み)

福ごはんワークショップ

コンポストワークショップの様子

今回はハーチのオフィスがある日本橋で開催していた「地球も人も治したい八百屋」をLife Hugger編集部で訪問。企画・運営を担当するTokyo Good Manners Projectの角田(かくた)美佳さんにお話を伺いました。

おいしくてかわいい、規格外野菜の存在を知ってもらいたい

Q. 今回、規格外野菜を集めた八百屋を始めようと考えたきっかけを教えてください。

「フードロス削減をめざす『福ごはんプロジェクト』を手がけるなかで、規格に合わないために市場に出せない野菜や果物があることを知りました。サイズが小さい、形が不揃いなど、ほんの少しの違いだけで、味も栄養価もお店のモノと変わらない。そんな野菜や果物たちの存在を、多くの人に知ってもらい、手に取って食べてみてもらいたい。そんな想いから、規格外野菜を集めた八百屋を企画しました。」

Q. こうした規格外野菜は、どこで手に入れることができますか?

「今回店頭に並ぶ規格外野菜は、流通量日本一の太田市場さんに協力してもらって集めました。日本全国から毎日、野菜や果物が運ばれてくる太田市場さんには、規格外野菜もたくさん集まります。規格外野菜は、一般の流通経路には乗らないので、スーパーやお店では手に入りませんが、太田市場さんが運営する「みためとあじはちがう店」で手に入れることがきます。通常よりも安い価格で新鮮な野菜を楽しめるので、おすすめです。」

レシピよりも買う時の心がけと保存方法を知ることが大切

Q. 野菜を無駄にしないために、消費者ができることを教えてください。

「野菜の食品ロスを減らすためにできることの一つは、野菜を買う時に使い切れる量だけ購入することです。私たちがモノを買う時の判断は、どうしても値段に左右されてしまいます。例えば一玉100円のキャベツと、半玉70円のキャベツがある場合、多くの人は使う予定はなくとも一玉100円に魅力を感じてしまいます。“お得感”というその時の高揚感で野菜や果物を購入すると、結局使い切れずに野菜を腐らせてしまい、捨ててしまうことになります。」

Q. 買った野菜を無駄にしない、正しい野菜の保存方法があれば教えてください。

「野菜を長持ちさせるためにまず意識して欲しいのが、野菜の保存環境です。買ってきた野菜はとりあえず冷蔵庫に入れるという方が多いかもしれませんが、そうすることでかえって痛めるスピードを早めてしまう野菜もあります。あと、洗った野菜を乾かさずに、冷蔵庫に入れるのもNGです。

夏野菜(トマト、なすきゅうり)は、常温保存で早く食べ切るのが、味・栄養の観点からベストです。また、さつまいもやじゃがいもなどの芋類や根菜、冬野菜は、冷たくて暗い場所であれば、比較的長く保存できます。農家の方からは、倉庫か車庫に野菜を置いておくと聞きます。都市部のマンションであれば廊下など、温度が変わりにくく日の光が届かない場所がいいのではないかと思います。」

福ごはん お弁当

店では、野菜の食品ロスを減らす取り組みとして、仕入れた野菜を調理してお弁当として販売。

Q. 正しい野菜の知識はどこで集めたらよいでしょうか?

「近くの八百屋さんに足を運ぶことをおすすめします。常に野菜に触れている八百屋さんは、野菜のプロ。適切な保存方法や一番おいしい食べ方を知っています。私自身、お店の方と話した時には、かなり多くの発見がありました。」

作り手の顔が見えると、目の前の野菜への想いも変わってくる

Q. 食品ロスを減らすために心掛けていることはありますか?

「私個人としては、作り手の顔を想像することを大切にしています。今回お店に並ぶ規格外野菜の半分は、岩手県の岩手町から直接仕入れています。農家の方の顔を知っているので、その方たちの顔を想像すると、自然と目の前にある野菜を大切にいただこうという気持ちになります。」

Q. 今後の展開について教えてください。

「『地球も人も治したい八百屋』自体は、期間限定のプロジェクトです。ただ、今回開催したコンポストのワークショップのように、楽しく体験しながら、食について学べる機会は作り続けていきたいです。目の前の野菜も誰かの手によって作られていると想像することで、野菜への向き合い方が変わる。そんな機会をこれからも提供し続けたいと思います。」

福ごはん コンポスト

編集後記

一般のお店で目にすることがない規格外野菜の存在を知り、手に取り、食べてみる。そんなきっかけとなる「地球も人も治したい八百屋」は、大切に作った農産物を余すところなく食べてもらいたいという生産者の想いと、日本人の中にある「もったいない」の気持ちが重なり合う、やさしい空間でした。

お昼時に野菜たっぷりのお弁当を求めて店に入ってきた人たちが、規格外野菜たちのストーリーを知り、購入していく姿に、野菜の食品ロスが無くなる未来もそう遠くないかもしれないと思いました。

“残りものには福がある”をテーマにフードロス削減をめざす、Tokyo Good Manners Projectの「福ごはんプロジェクト」の取り組みに今後も注目です。

【関連ページ】残りものには福がある!フードロス解決に地域ぐるみで取り組む「福ごはんプロジェクト」 | IDEAS FOR GOOD
【参照サイト】Tokyo Good Manners Project
【参照サイト】【公式】LFCコンポスト

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Life Hugger 編集部

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