大阪府の最北端に位置する能勢町は、新大阪から車で40分と都会に程近い場所でありながら、多くの希少な野生動植物が生息・生育する「生物多様性のホットスポット」に選定されています。
そんな能勢町に約2年前にできたのが「能勢 日本料理 新(あらた)」です。
美しい田園風景と共に地元の食材を味わう
「能勢 日本料理 新」は、約2年前に山や田園に囲まれた能勢町に誕生しました。特徴はなんといっても周りの自然です。大きな窓からは田園風景が広がり、虫や鳥の鳴き声が聞こえてきます。時にはレストランに野生の鹿が訪れ、大きな虹が見えることもあるそうです。
また、店舗には築150年の古民家や廃材が、店内には古い器や照明などが大切に使われていて、ゆったりとした居心地の良い時間が流れています。
能勢の食材を堪能できる持続可能なコース料理とは?
気になるメニューは、京料理にヨーロッパのエッセンスを取り入れた独自の日本料理のコース(完全予約制)。ランチコースの「ワンランク上の季節食材で構成する10品」(税込16,500円)では、能勢の食材を堪能できます。能勢で育ったものを積極的に使うことで、地産地消の実践に注力しているのだそう。
カツオは目の前で藁焼きに。郊外のレストランだからこそ味わえる逸品です。
料理には近くに生えている野草が添えられています。全て食べられるそうです。
黒いパウダーは「食べられる炭」で、こちらも能勢で作られているものだそう。
能勢を中心にできるだけ小さい円を描き、その中から選んだジビエや川魚など地域の食材を仕入れているそうです。
野草の「よもぎ」を使ったソルベ。きれいな緑色です。
お米も卵も地元、能勢産です。
そのまま食べると酸っぱいイチゴは、焼いてアイスクリームと共に。焼くことで甘みが増します。
能勢でお店を始めた訳とは
シェフの中井建さんは、京都の祇園料亭や北新地鮨店にて勤務後、欧州連合日本政府代表部(ベルギー王国・ブリュッセル)の公邸料理長を2016年からの4年間務めた経歴の持ち主です。2021年、優秀公邸料理長として外務大臣表彰を受賞しています。
中井さんが能勢でレストランを始めたのには訳があります。
「ヨーロッパでは、“食”とは時間を愉しむことでした。郊外にレストランがたくさんあって、自然の中でのおいしい食事を求めて旅に出る文化がありました。それが、郊外の活性化につながっていたのです。レストランを開業しようと思ったときに、ただビジネスとしてやるのではなく、能勢の里山を守りながら、地域を活性化していくことが使命だと感じました」
実際のところ、「能勢 日本料理 新」にはドライブをしながら来店するお客さんも少なくないそうです。レストランまでの自然や時間までが、楽しみのひとつになっています。また、地元大阪からだけではなく、全国各地や海外からのお客様も多く、赤ちゃん連れのファミリーなど、さまざまな人が集う場所になっています。
能勢の自然や食文化を守りたい
「能勢 日本料理 新」では、野菜の皮や根っこ、茎の部分など、どうしても出てしまう野菜くずと魚の骨でスープを作ったり、普段は捨てられてしまうような食材も食べられるように調理して提供したりと、ひと手間を加えて、ロスが出ない工夫をしているそうです。
庭にはコンポストを設置し、生ごみを堆肥に変えて循環させています。できた堆肥で育てられた野菜をレストランの食材として使うなど、サーキュラーエコノミーを実践されていました。
また、「使い捨ておしぼり」を使わずに、リユースできるタオルやナプキンを使い、プラスチックごみの削減にも取り組まれています。
「いくらお金があっても、自然は人間が作れるものではありません。だからこそ、食でこの里山の風景を守るために何ができるのか、考えていきたいのです」と語る中井さん。
今後も新しい取り組みをどんどんしていく予定だそうです。また、能勢ならではの食と魅力を体験してもらい、その体験を日本から世界に発信する企画も進行中とのことです。
四季折々の自然と、新鮮な食材を使った日本料理を楽しめる「能勢 日本料理 新」。ぜひ、ドライブがてら訪れてみてください。
【参照サイト】能勢 日本料理 新
【参照サイト】日本サステイナブル・レストラン協会
【関連ページ】大阪・能勢の「郊外レストラン」が描く、地産地消の新たな可能性
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