2022年に入り、原油価格の高騰や主原料系高騰、さらに円安も強く影響し消費生活に直結する食品分野で価格上昇が相次いでいる。帝国データバンクの調査によると、上場する主要105社で今後1年以内に累計6000品目以上で価格改定(値上がり)が実施されると発表され、値上がり率は平均11%にもなる。
参照資料:食品主要105社」価格改定動向調査 | 株式会社 帝国データバンク
外食産業でも多くの企業で値上げ発表が続いている中、一部プラントベース商品の価格を引き下げる発表をした大手コーヒーチェーンがあるのをご存知だろうか。
スターバックスコーヒージャパン株式会社は3月22日のリリースで、高品質なコーヒー豆、およびコーヒーを使った各商品の安定供給や健全な事業継続を図るため、コーヒー豆や定番ビバレッジの価格を4月13日(水)から引き上げると発表した。
そして同リリースには、植物性ミルクを使った「スターバックスラテ」の価格引き下げも含まれているのだ。厳密には、これまでスターバックスラテのミルクを植物性に変更すると約50円の追加料金がかかっていたものが、4月13日からは動物性ミルクと同一料金体系となり、実質50円の値下げとなったのだ。
同一料金体系となったのは定番ビバレッジのみで、カプチーノやキャラメルマキアートなどはこれまで通り植物性ミルクの変更に追加料金が必要とのこと。
同社は国内でも認知度の高かった豆乳に加え、2017年にはアーモンドミルクを、2021年にはオーツミルクを導入してきた。対象のドリンクを注文する際、レジで植物性ミルクへの変更を申し出ると、希望のものでラテを淹れてくれる。
スターバックスは、2021年に環境配慮型店舗の国際認証「グリーナーストア フレームワーク」を取得したグリーナーストア国内1号店「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」をオープンするなど、環境配慮へ積極的な姿勢を見せている企業だ。
筆者も、生活のほとんどの場面で、牛乳ではなく植物性ミルクを飲むようになって久しいが、理由はたまたま飲んだアーモンドミルクが美味しかったからというシンプルなもの。動物性食品が環境に与える影響や、植物性ミルクが人体に与える効果などを知ったのはその後のことで、せっかくなら続けてみよう思い今に至っている。
冒頭で紹介した帝国データバンクの発表を見ていると、今後は当たり前に手に入っていた食品が手に入りにくくなる日もくるかもしれない。一方で、今回のスターバックスコーヒーの対応のように、これまで日常に取り入れていない食品を試す機会が増えることで、食の多様化が進んでいくのではないだろか予想している。
国内では植物性ミルクの認知度や需要はまだまだ低いが、まだ飲んだことがない人はこの機会にぜひ一度味わってみてほしい。選択肢を増やしておくだけで、毎日の食が少し豊かになってゆくかもしれない。
【参照ページ】:コーヒー豆、およびビバレッジの価格改定に関して
【参照ページ】:食品主要105社、6000品目超が今年「値上げ」 価格は平均で1割アップ 輸入小麦・油脂など原材料から、包装資材の高騰も響く
【関連ページ】:スターバックスが日本初の「環境配慮型ストア」を皇居外苑にオープン
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斉藤雄二
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