急速冷凍技術で食品ロス削減!アートロックフリーザーを体験

特殊冷凍ソリューション事業を展開するデイブレイク株式会社が10月7日(木)、東京・品川区にある特殊冷凍ショールームをリニューアル。最先端の冷凍テクノロジーを集結させたショールームとして10月27日(水)にお披露目会が開催され、報道陣向けに公開されました。

コロナ禍で備蓄や保存のために食品を冷凍する機会が急増した今、冷凍技術は私たちの生活になくてはならない存在になっています。急速冷凍はこれからどのような生活シーンで使われていくのでしょうか。実際に同社の急速冷凍技術を用いて冷凍された食材を試食した感想と合わせてお伝えします。

急速冷凍技術によって江戸前寿司がいつでもどこでも食べられるようになった

「急速冷凍」とは、通常の冷凍よりもスピーディーに冷凍する技術のこと。デイブレイク株式会社が手掛ける特殊冷凍機「アートロックフリーザー」は、急速かつ均一に冷却することで細胞の損傷を極少化し、うまみ成分の流出を防ぎます。また風の湿度や冷風の当て方などの特殊技術によって、あたたかい調理済み食品の急速冷凍も可能に。他にも、これまで困難とされていた食材の急速冷凍を可能にしています。

「『アートロックフリーザー』では、お刺身やとんかつ、ラーメン、牛肉など、家庭向けの冷凍庫ではなかなか冷凍できない食材を冷凍し、解凍後もおいしい状態をキープして食べられる」と、同社代表の木下昌之さんは語ります。

実際に東京・白金にある寿司屋「鮨心」では、この「アートロックフリーザー」の冷凍技術を使って、寿司職人が握ったお寿司を超瞬間冷凍し、真空フィルムで梱包した商品の「シン握り」を展開。お店に行かなくても、本格的な江戸前寿司をいつでもどこでも食べられるライフスタイルが、急速冷凍技術によって実現しているのです。

2週間前に握られたお寿司の味は?

お披露目会では「鮨心」の大将・中村導昌さんが握ったばかりのお寿司を「アートロックフリーザー」に入れ、-35℃で急速冷凍。約30分後には石のようにカチカチと冷凍され、そのスピード感に驚かされます。

今回は、約2週間前に握ったというお寿司を3時間かけて自然解凍させた冷凍寿司のまぐろとイカを試食させていただきました。マグロには臭みが一切なく、新鮮なおいしさでビックリ。イカも歯応えのある食感が健在で、とてもおいしいです。

お米もパサパサ感やベチャッと感が皆無。炊き立てのお米で握られたお寿司のようでした。一流の寿司職人が握っているので、回転寿司でレーンによって運ばれてくるお寿司以上に高級感のあるおいしさでした。言われなければ冷凍寿司とは気付きません。

中村さん曰く、お寿司や生の魚は乾燥に弱く、冷凍に適さない食材。そしてお米もまた乾燥に弱いのだとか。そのため、冷凍と解凍を経てもおいしく食べられるように、通常のお寿司よりも水分量や調味料などを調整して、この味と食感を実現しているのだそう。

電子レンジで解凍しただけなのに揚げ物がサクサクのまま!

また、冷凍したものを電子レンジで解凍したというアジフライも試食。

解凍後のサクサク感のために、揚げる温度や衣の水分量などが調整されているとのこと。ジューシーで衣のサクサクとした食感は、本当に揚げたてのようです。時間が経った揚げ物にありがちな、衣と具の分離もありません。

同じく冷凍したものを電子レンジで解凍したというイワシの天ぷらも、サクサクと小気味のいい音がして、とってもおいしかったです。たとえ家で揚げた物でも、時間が経つとベチャッとしてしまい、電子レンジで温めてもここまでサクサク感が出ません。

冷凍に適した揚げ方で、おいしさを閉じ込めつつ急速冷凍をすると、こんなにおいしさと食感をキープできるのかと、終始驚きっぱなしでした。

焼き芋も試食しましたが、こちらもホクホクととてもおいしかったです。木下さんは「焼き芋に限らず、農家が形や大きさなどの理由から出荷できない野菜を捨てずに、加工などをして急速冷凍すれば世の中に提供できる。急速冷凍技術があれば農家さんの廃棄も確実に減るはず」と語りました。

食品ロスが減り、安心安全な食材を食べることができる

急速冷凍は旬の時期が限られている食材や、生産地が遠いが故に物流の観点から諦めなければならなかった生鮮食品、海外や地方で作られた料理など、場所や時間を問わない安定供給を可能にします。もしかしたら知らず知らずのうちに、この急速冷凍技術の恩恵を受けている人がたくさんいるかもしれません。

また、一般的な冷凍技術ではおいしさをキープできず、賞味期限が迫っているために破棄しなければいけなかった食材も、一定期間の保存が可能になるため、食品ロスの削減にも貢献できるのです。それだけではなく、長期保存のために添加物や農薬などを使わなければならなかった食材も、急速冷凍技術があれば無添加で安心・安全な状態をキープできます。

「アートロックフリーザー」を導入している飲食店や卸業者、加工業者はすでに多く存在しているのだそう。食材の長期保存と安定供給が可能になったことで食材ロスが減り、売上などにも大きく影響を及ぼしているということです。

生産者や農家、飲食店や卸業者、消費者、そして地球環境と、すべての人を幸せにできるテクノロジーである急速冷凍。「いつでもどこでもおいしい食を楽しむことができる」という、新たな食材の価値はすでに生まれ始めています。デイブレイクの「アートロックフリーザー」で、これからの私たちの生活や地球の未来は、大きく変わっていくかもしれませんね。

【参照サイト】デイブレイク株式会社

The following two tabs change content below.

Life Hugger 編集部

Life Hugger(ライフハガー)は暮らしを楽しむヒントを紹介するウェブマガジンです。消費や暮らしをサステナブルな方向へと変えていきたいと考えている人に向け、サステナブルなライフスタイル、丁寧な暮らし、子育て、農と緑、健康、家事、レジャーなどに関する情報を紹介しています。
InstagramTwitter