近年海外のBARでは、できるだけごみを出さないようにすることが当たり前になっているといいます。たとえばシンガポールのBARでは、1日のごみの排出量を500g以下に抑えることがトレンドに!兵庫県芦屋市にある「BAR芦屋日記」も、そんなゼロウェイストに取り組むBARのひとつです。
ゼロウェイストに取り組む「BAR芦屋日記」
「BAR芦屋日記」は、1986年に芦屋市で創業した老舗のBARです。できるだけ国産でオーガニックの果物を厳選し、食品ロス削減のため、果物を丸ごと使ったカクテルを提供しています。同店のバーテンダーが、食品ロス食材を使って創作したクリエイティブな「チャーム(BARで出てくるお通し)」も楽しめます。
オープン以来地元客を中心に人気を集め、コロナ禍にはランチ営業も開始。カレー粉ではなく、仕込むたびに数種のスパイスをホールから挽きパウダー状にして作るカレーなど、フードやパティシエが作るデザートも充実しています。
「BAR芦屋日記」の気になるメニューは?
「BAR芦屋日記」の店内に入ると、国産の小規模蒸溜所にこだわって仕入れたジャパニーズウイスキーが、それだけでも200種類ほど並んでいます。
気になるメニューは、食品ロスをできるだけ出さないように考えて作られています。そのため、カクテルに使う果物には、できるだけ国産でオーガニックのものを使用。皮から丸ごと使用し、食品ロスを削減しています。柑橘系の果物は100%活用していて、食品ロスは0だそうです。
看板ドリンクの「国産無農薬レモンのまるごとカクテル」は、産地では捨てられてしまっているような路地物のレモンを丸ごと堪能できるカクテルです。売り物にならないようなカチカチで硬いレモンですが、それが逆にこのカクテルのおいしさにつながっています。そんなレモンを皮ごとブレンダーに掛けてラムやジン、そして蜂蜜と併せているこのカクテルは、同店でしか味わえません。
カクテルに使われたレモンやライムなどの絞りかすを一度マーマレード状にしたものを、ディハイドレーター(食品乾燥機)にかけてできたシトラスピールをグラスエッジに飾ると、普段は捨てられている柑橘系の皮がおしゃれなチャームに。
国産のブラッドオレンジの皮はマーマーレードにして、カクテルに。
文旦の皮の白い部分も砂糖をまぶして乾燥させれば、おいしいおつまみに。
BARで出すサンドイッチの耳を落としたものを、ガーリックとローズマリーのクルトンに。
“フードロスをなくす”という角度でカクテルを考えることは楽しい
店主の草野智和さんは、20歳のときに職人とサービスマンの両方を表現できるバーテンダーに憧れ、「BAR芦屋日記」に勤務。2008年に先代から芦屋日記を譲り受け、経営を継承。2018年頃から地球環境を考えたカクテルに興味を持ち、地産地消・フードロス・フェアトレードなどのテーマで、カクテルの開発を手掛けています。
「お店を運営しているなかで、今まで当たり前のように捨てていたものが、実はおいしいという新しい発見がありました。捨てることが当たり前になっていますが、『ロスから何かを生み出そう』という思考に持っていくことはとてもおもしろい。バーテンダーをやってきたなかで、この4年間は、“フードロスをなくす”という角度でカクテルを考えています。とても新鮮で、新たな発想や発見があり、楽しいです。」と草野さんは語ります。
世界で一番権威のある「ワールドクラス」というカクテルコンペでBARのサステナブル化について知り、勉強しながら実践してきたという草野さん。
その他の環境への取り組みとしては、全国牛乳容器環境協議会(容環協)と紙パックリサイクルの推進プロジェクトを協働し、芦屋市や商工会を巻き込んで活動しています。芦屋でずっとBARを続けてきたからこそ、地元の活性化にも積極的に取り組んでいるのです。
「BAR芦屋日記」は、おしゃれなカクテルを楽しみながら、食品ロスや環境などについて考えるきっかけとなるBARです。ぜひ、訪れてみてください。
【参照サイト】BAR芦屋日記
【参照サイト】日本サステイナブル・レストラン協会
【関連ページ】兵庫の「BAR芦屋日記」がつくる、ゼロウェイストなカクテルとは?【FOOD MADE GOOD #19】
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