宮崎の郷土料理である冷や汁は、夏の定番メニューとして少しずつ知名度を上げつつあります。宮崎県在住の筆者としてはうれしく思っていますが、まだまだご存知ない方も多いのではないでしょうか。
「冷たい味噌汁でしょ?」などと思われている方もいらっしゃるかもしれません。確かに見た目は味噌汁のよう……。しかしその味わいはまったく別物です。一般的に宮崎では干物を焼いたものなど魚を使って冷や汁を作りますが、今回は簡単に野菜だけで作るレシピにチャレンジしてみました! あわせて地元在住だからこそ知る、おいしい冷や汁の作り方のポイントについてもお教えしちゃいます。
暑さにバテたら冷や汁がおすすめ!
冷や汁は宮崎県の沿岸部を中心として食べられている郷土料理です。冷たい「汁かけごはん」で食欲がないときでもさらっとして食べやすく、たっぷりの野菜や香味野菜、豆腐、魚や味噌を入れて作るため、暑い夏の栄養補給にも適しています。宮崎ではスーパーなどで画像のような即席の「冷や汁の素」が販売されているほどポピュラーなメニュー。基本的に次のような手順で作られます。
- アジの干物やタイなどを焼いて身をほぐす
- 炙った麦味噌、すりごまなどを合わせてだし汁で伸ばす
- 仕上げに豆腐やきゅうり、大葉、ミョウガなどを混ぜて冷やす
- 麦飯にかけていただく
この作り方はあくまで一例です。いりこを炒ったものを使ったり、砕いたピーナッツを加えたり、はたまたナスを入れたり……。家庭によってさまざまなアレンジがあるのも冷や汁の楽しさといえるでしょう。
野菜だけで作る簡単冷や汁レシピをご紹介!
おいしくて食べやすく栄養満点な冷や汁。とはいえ、自分で作るのはちょっとハードルが高い、と感じる方も多いかもしれません。とくに魚を焼いて身をほぐすのは手間がかかります。
そこで筆者がご紹介するのは、野菜だけで作る簡単冷や汁レシピです。「魚を使わないと物足りないのでは?」とお思いの方もいるかもしれませんが、野菜だけでもおいしい冷や汁が作れちゃうんです!また、コンロを使わず作れるためエコですし、キッチンに立ちたくないような暑い日にもぴったり。シンプルな作り方なので好みに合わせてアレンジしても楽しいですよ。それでは作り方を解説しましょう。
【材料(2人分)】
- きゅうり 1本
- ミョウガ・大葉などの香味野菜 お好みの量
- 味噌(あれば麦味噌がおすすめ) 大さじ2
- すりごま 大さじ2〜
- 木綿豆腐 100gほど
- 冷たい水 150ml〜
1.きゅうりは薄切り、ミョウガや大葉は千切りにする
食べやすいようにきゅうりは2mm幅ほどの薄切り、ミョウガや大葉などの香味野菜は千切りにします。今回は生姜もプラスしてみました。
2.すりごまに味噌を加えて混ぜる
すりごまに味噌を加えて混ぜます。余裕があれば、アルミホイルに混ぜたものを広げ、魚焼きグリルやトースターなどで焦げ目をつけると香ばしさがアップしますよ。
3.冷たい水を加え、豆腐を崩しながら入れる
2.に冷たい水を加えて溶かし、その中へ木綿豆腐を一口サイズに崩しながら入れます。豆腐は手で崩すことで断面が粗くなり、味が染み込みやすくなります。
4.きゅうり、ミョウガ、大葉を加える
最後に1.でカットしたきゅうり、ミョウガ、大葉を加え軽く混ぜたら完成です。ごはんにかけていただきます。
地元ライター直伝!おいしい冷や汁を作るコツ
郷土料理である冷や汁は厳密に決められたレシピがあるわけではなく、正解はありません。とはいえ、地元在住の筆者としては多くの方においしい冷や汁を食べてほしいのが本音です。そこでおいしい冷や汁を作るのに欠かせないポイントをご紹介します。
冷や汁はキンキンに、ごはんはアツアツで
冷や汁は冷蔵庫で冷たく冷やし、アツアツのごはんにかけて食べます。氷を入れて冷やしてもよいですね。もちろん普通の白ごはんでもかまいませんが、麦ごはんで食べるのが本場・宮崎流。風味がアップし、おいしくいただけます。
薬味はたっぷりと
お好みにもよりますが、薬味はたっぷり入れるのがおすすめです。鮮やかな彩りとさわやかな香りが食欲を刺激し、暑い日でもしっかりと食べられます。子どもは食べにくいことも多いため、後から好みに応じて入れてもよいですね。
豆腐は木綿豆腐を選んで
こちらもお好みによりますが、豆腐は木綿豆腐がおすすめです。冷たくても味が染みやすく、しっかりした食べ応えがあります。前述したように、手で崩すように入れると断面が粗くなり、より味染みがよくなります。
きゅうりは冷凍しておくのがおすすめ
冷や汁に必須のきゅうりは薄切りにして冷凍保存しておくと、食べたいときにさっと使えて便利です。氷の代わりにもなり、冷や汁をより冷たく食べるのにも役立ちます。薄切りにして軽く塩を振ってしばらく置き、出てきた水分を絞ってからジッパー袋などにまとめて入れて冷凍庫へ入れるだけでOKです。
冷や汁は暑い日でもさらっと食べられ、たっぷりの野菜や豆腐で栄養もしっかり補給できる夏にもってこいの料理です。焼き魚をほぐして作るのは手間がかかりますが、今回ご紹介した野菜だけのレシピなら思い立ってすぐ作れます。ぜひこの夏の定番メニューに加えてみてくださいね!

みすみぞの いずみ

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