里地里山の保全につながる「絶滅危惧茶®」、ホテル椿山荘東京が販売

日本茶のなかでも、生産者の不足や生産環境の変化によって絶滅の危機に瀕しているお茶を「絶滅危惧茶®」と呼ぶことを知っているだろうか。

そんな絶滅危惧茶®を通して、日本の農業の社会問題を考えるきっかけづくりをしているのがホテル椿山荘東京だ。同ホテルでは絶滅危惧茶®をホテルショップにて販売している。

日本に古くから伝わる日本茶は、守るべき里地里山の保全につながり、文化保存にも貢献している。絶滅危惧茶®はもともとCLASS EARTH株式会社が今年から販売を開始しており、その取り組みに賛同した同ホテルが導入をすることとなった。

今回ホテル椿山荘東京が販売を開始した「絶滅危惧茶 和紙パッケージ3個入りセット」3,800円(税込)には、3種類の絶滅危惧茶®が入っている。

ひとつ目は和歌山県熊野産の「釜炒り番茶(かまいりばんちゃ)」で、奥熊野・本宮の山間部に古くから伝わる、伝統的な製法でつくられたお茶だ。

釜炒り番茶

富山県朝日町蛭谷が産地の「バタバタ茶(ばたばたちゃ)」は摘んだ茶葉を蒸し上げたのち、麹カビによって乳酸発酵させた黒茶の一種。茶碗に入れたお茶を、若いすす竹を2本合わせた夫婦茶筅で音を立てながら泡立てるところから名づけられたという、ユニークな名前も特徴的。

バタバタ茶

愛媛県西条市が産地の「石鎚黒茶(いしづちくろちゃ)」は、日本国内に4つしかない貴重な後発酵茶のなかでも、さらに珍しい二段発酵茶。糸状菌で好気発酵させた後に、乳酸菌で嫌気発酵を行って製造されている。石鎚山の麓で空海が伝えたとされるこの製法は現在まで伝承され、すべての工程を手作業で行っているのだ。

石鎚黒茶

いずれも使い捨てとなるティーバッグは採用せず、茶葉での提供と、オーガニックコットン製の洗って繰り返し使えるバッグの販売を推進している。また梱包資材には、FSC認証FSC認証紙製の和紙などを使用。絶滅危惧茶1点購入ごとに100円の売り上げの一部が世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)へ寄付される仕組みだ。

その種がなぜ今危機に晒されているのかを知ることで、行動を変容するきっかけが生まれるかもしれない絶滅危惧茶®。ホテル椿山荘東京のホテルショップのほか、同ホテルのオンラインストアでも取り扱いを予定している。またCLASS EARTH株式会社のECサイトでも購入できるため、興味がある人にはぜひチェックしていただきたい。


【参照サイト】ホテル椿山荘東京
【参照サイト】絶滅危惧茶 CLASS EARTH株式会社
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Life Hugger 編集部

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