秋が深まりはじめ、ホットコーヒーがおいしい時期となってきた。ホッと一息つきたい時や眠気覚まし、そして食後と日常のなかで出番が多いコーヒー。日本でも愛飲者が多いコーヒーではあるが、ある調査によるとなんと年間で90万トンものカスが出ているというのだから驚きだ。脱臭剤や消臭剤といった再利用法こそあるものの、乾燥に手間がかかるうえに、最終的には廃棄しているのが実情だ。
そんなコーヒーカスを有効活用できないかと、20代のバリスタである竹下亮さんと鈴木雪姫さんが、コーヒーカスと牛乳パックをアップサイクルした再生紙ブランド「Caffe Latte(カフェラテ)」を立ち上げた。同ブランドは、「コーヒーゴミを活かして減らして無くしてく」をミッションに掲げている。
バリスタは、最高のコーヒーを淹れる仕事である一方で、コーヒーカスなどの多くのゴミを出してしまう仕事だ。近年SDGsが重要視されるなかで、コーヒーのゴミを廃棄している当事者のバリスタがこの課題に向き合うべきと考え、Caffe Latteブランドを設立した。
今回は関東・関西・九州のスペシャルティコーヒーを提供するカフェに協力を仰ぎ、コーヒーカスの回収を行う。当日該当するコーヒーショップでコーヒーを飲めば、再利用プロジェクトへ参加することができる。
自分が飲んだコーヒーのカスが商品化されるのを体感できるこのプロジェクト。再生紙で作られた名刺やポーチ、ブックカバーはどれも手を出しやすい価格帯で、こだわり抜いて作られたアイテムばかり。シワ加工とラミネート加工が施されていて、再生紙とは思えないほど撥水性・耐久性に優れている。さらに、いつどこのコーヒーカスで作られたものかを、トレースできる仕組みになっている。自分が飲んだコーヒーのカスが生まれ変わる姿を楽しめる、まさに飲んで終わりではない、循環型の消費体験と言えそうだ。
Caffe Latte再生紙商品は、10月30日までクラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)で先行予約が可能。サイトでは回収日程についても確認することができる。今はまだ小さな一歩だとしても、同ブランドの活動を通じて、コーヒーの未来がサステナブルになることを期待したい。
【参照サイト】Caffe Latte
【参照サイト】Caffe Latte Makuakeサイト
河端 麻紀
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