衣類の廃棄が世界的に問題視されている中、昔ながらの「おさがり」の文化が再注目されてきている。
成長期に部活動やスポーツクラブチームで着た「ユニフォーム」も、あっという間に身体のサイズが大きくなり、着る機会がなくなってしまう衣類の1つ。そんなユニフォームを綺麗に洗って海外の子どもたちに贈るという「届けようユニフォームプロジェクト」が花王アタックとイースリー、そして全国のジュニアサッカーチームの手によって実施され、古くなったユニフォームの新しい可能性を実証した。

プロジェクトのスタートは2021年10月14日。そこから約3週間に渡りプロジェクトの概要を説明した全国のジュニアサッカーチームに着なくなったユニフォームや練習着を募集したところ、312チームから合計4729枚ものユニフォームたちが集まったという。
集まったユニフォームはクリーニング専門業者の手で丁寧に汚れを落とし、2022年1月〜2月にかけて一般財団法人「CHANG アジアの子供財団」(※)の協力のもと、カンボジア現地の小学校や児童施設11箇所に寄付されたことが確認されている。
(※)「CHNGアジア子供財団」は”寄付先の希望を聞いて寄付をする、寄付金は直接施設に渡す”ことをモットーに活動している、カンボジアでのサポート実績がある団体です。
プロジェクトに参加した保護者やサッカーチームのコーチは、「親も子もすごく思い入れのあるユニフォームなので、また使ってもらえること、役に立つことが凄く嬉しい」や「大事にユニフォームを使ったことで、カンボジアの子どもたちがまた同じユニフォームを着てサッカーを楽しめる。これからもユニフォームは大事に使ってほしい(コーチ)」とコメントした。
そしてユニフォームを贈ったサッカーチームの子どもたちは、「自分が着ていたユニフォームをカンボジアで着てくれているのが凄い!世界とつながっている感じがする」と、リアルタイムで進行していくプロジェクトを見て感動している様子だ。
他にも、「動きやすいからたくさん走ったりできる。これを着てサッカーを楽しんでほしい」や「将来、もし試合ができたら、お互い全力でやりましょう!」と熱いメッセージを送った。
一方、ユニフォームを受け取ったカンボジアの子どもたちも、「カンボジアに来たら、一緒に試合をしよう」とコメントしており、本プロジェクトを通じて一層親交も深まったようだ。
プロジェクトの様子を追った公式動画では、実際にユニフォームを集める様子や日本とカンボジア、それぞれの子どもたちがユニフォームを着てサッカーをプレイしているところなどが収録されている。
動きやすさや発汗性、少しばかり激しく動いても破れない強度を持ったスポーツユニフォームは、確かに一度役目を終えただけで廃棄されるのはもったいない。これからもさまざまな企画を通じて、タンスの奥に眠っているユニフォームがリユースされるような社会になっていってほしい。
【参照サイト】:アタックZERO presents 届けようユニフォームプロジェクト
【関連ページ】環境にも家計にもやさしい「お下がり」をもっと使おう!子ども服を譲るときのマナーも解説
斉藤雄二
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