「なぜ肉を食べるのか?」を問い直す展示が渋谷で開催中。ゲーム感覚で学ぶ食の選択とその背景

私たちが毎日のように口にする「肉」。その選択に、どれほど意識を向けているでしょうか。「なぜ肉を食べるのか」「どんな肉を選ぶのか」を改めて考える展示『Intentional Eater 節度ある食卓 #01 肉食再考』が、FabCafe Tokyo(東京都渋谷区)にて5月14日まで開催されています。

展示を企画したのは、自然との共生をデザインするバイオフィリック・スタジオ「土とデジタル」。本企画は、肉食にまつわる価値観や社会背景を見つめ直し、自分の食べ方を主体的に考えるきっかけを提供することを目的としています。

早い・旨い・安いが重視されてきた大量生産・大量消費の時代。しかし、その裏側には気候変動や動物福祉、生産現場の労働環境など、さまざまな課題が存在します。この展示は、食は単なる個人の嗜好ではなく、社会や環境ともつながっているという前提からスタートしています。

注目は、展示の一部に設けられた“ゲームボーイ”を使ったミニ・ロールプレイングゲーム。プレイヤーは、さまざまな立場の登場人物になりきり、それぞれの視点から食を考える体験ができます。RPGのような感覚で、自分とは異なる価値観やジレンマに触れられるのが特徴です。

肉食については長らく、普通である(Normal)、自然である(Natural)、必要である(Necessary)という考え方が根付いてきました。しかし心理学者メラニー・ジョイ博士は、こうした当たり前をカーニズム(肉食主義)という見えないイデオロギーとして位置づけ、見直す必要性を指摘しています。

本展示では、菜食主義か肉食主義かという二項対立ではなく、そのあいだにある多様な選択肢や背景に着目。ベジタリアンやヴィーガン、フレキシタリアンなどの食のスタイルに対しても、それぞれが持つ価値観の違いを図解で丁寧に示し、「食生活=価値観」ではないという視点を提示しています。

正解を押しつけるのではなく、自分の食のあり方に納得できるヒントをくれるこの展示。肉を食べること、やめること、それぞれの判断が社会や環境とどう関係しているのか、足を運んで体感してみてはいかがでしょうか。

【展示概要】

企画展『Intentional Eater 節度ある食卓 #01 肉食再考』
会期:2025年4月23日(水)〜5月14日(水)
時間:10:00〜20:00
会場:FabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F)
【参照ページ】 FabCafe Tokyo

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Life Hugger 編集部

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