アパレル業界が抱える環境問題の解決に向けた取り組み「MAWASU STATION(マワス ステーション)」が7月1日より試験的に開始される。
「MAWASU STATION」は、不要となった衣服の再利用や資源化を試み、アップサイクルしていく仕組みだ。回収した衣服は抗菌加工やメンテナンスを施したのち、企業ユニフォームなどへ再利用する。再利用が難しいものについては「有機物分解処理」を行い、新しい製品の原材料に生まれ変わる。有機分解処理とは、磁力を応用し有機物を分解する方法だ。これにより、燃焼しなくとも急速に衣服を分解できるという。
不要な衣服の回収場所は、JR中央線武蔵境駅、東小金井駅、西国分寺駅、JR南武線稲城長沼駅の計4駅に加え、駅ビル「セレオ国分寺」に設置される。
「MAWASU STATION」では、なるべくそのままの状態で再利用することが目的のひとつとなっているため、回収対象となっている衣服の種類が限定されている点に注意したい。基本的には「トップス」と「ボトムス」としており、以下のものは受け取り不可となっている。
- 制服類(学生服・体操服・企業用ユニフォーム・道着など)
- 氏名の記載があるもの
- シーツ・布団・毛布などの寝装品
- 敷物(カーペット、ラグなど)・クッション
- 肌着、生理用品、マスク
- 水着、靴下、ストッキング、タイツ
- おむつ、よだれ掛け
- ふきん、タオル、雑巾、ぬいぐるみ、人形、人形の服
- カバン類全般
- ペット用ウェア
- 洗濯していないもの(臭いの激しいものなど)、濡れているもの、湿っているもの
- その他、当取り組みの目的にそぐわないもの
回収期間と時間、場所は以下の通りだ。
- 回収期間:2022年7月1日(金)~9月30日(金)
- 回収時間:10時〜16時(セレオ国分寺は営業時間に準ずる)
- 回収場所:
・JR 中央線(武蔵境駅、東小金井駅、西国分寺駅 )有人改札
・JR 南武線 稲城長沼駅有人改札
・セレオ国分寺は南口
※1日に持っていける枚数は1人あたり5枚まで
回収した衣服は、人気ラーメンチェーン「博多一風堂」やグランピング施設「DOAI VILLAGE(土合ヴィレッジ)」のスタッフユニフォームに再利用する予定となっている。しっかりと抗菌加工を施し、ロゴも新しくプリントし直すそうだ。
環境省が特設ページ「SUSTAINABE FASHION(サステナブルファッション)」を公開するなど、アパレル業界が抱える環境問題は、大きな課題のひとつとして注目されている。「MAWASU STATION」は、一人ひとりに回収を呼びかけ、少しずつ変化を促そうという取り組みだ。地道ではあるが、国内でもこういった活動が少しずつ増えてきている。今回は試験的な取り組みで場所や期間が限定されているが、今後このような取組みがさまざまな場所で当たり前になることを願いたい。各駅を利用する際は、ぜひ活用してみよう。
【参照サイト】:環境省 SUSTAINABE FASHION
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斉藤雄二
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