ヴィンテージ・ファッションに特化したアプリ「Vintage.City(ヴィンテージ・シティ)」の累計ダウンロード数が2022年9月21日、100万を突破した。同アプリのDL数は21年11月17日に累計60万超に達しており、約10ヶ月で40万を上積みした計算になる。日常着のワンポイントとして、古着を取り入れる10代から20代前半の利用者が増加しており、サステナブル・ファッション市場の一角を担う勢いだ。
Vintage.Cityは、日本初のヴィンテージ・ファッション・アプリとして20年12月にローンチ。NAVER J.Hub Corporationが提供、株式会社MXN JAPAN(旧社名:リアルコマース)が運営を代行している。ユーザーはリアル店舗を訪れたり、店舗ごとのECサイトを個別に閲覧しなくても、アプリ上でまとめて服を閲覧できる。チャットでショップスタッフに質問できる機能を備えているほか、各店舗が運営するECサイトとVintage.Cityが連携するアウトリンク機能で、ユーザーとショップの関係構築までをサポートする。
今月21日時点で、日本全国47都道府県の540店の古着ショップが扱う15万3千点のアイテムにアクセス可能。「フリマアプリやショップアプリでは手に入れることが難しい一点物と出逢えるだけではなく、購入や販売もできる」(同社)とヴィンテージ・ファンの心をくすぐっている。
「サービス開始直後は、古着ブームを経験した30代から40代の利用者やアメカジ系の古着を取り扱うショップの出店が多くを占めていた」とMXN JAPAN社はふり返る。しかし、21年春頃から、ファッション・コーデに積極的にヴィンテージ・アイテムや古着を取り入れるスタイルが流行の兆しを見せ、10代から20代前半の利用者が増加。以降、アプリでは10代から20代前半が好むショップの出店が増え、さらにTwitterやInstagramと連動して古着の「ちょい足し」や、さりげなく着こなす「ふるぎみっくす」など、ヴィンテージ・ファッションの気軽な楽しみ方を提案したこともユーザー増を加速させた。
シェアリングなどの形態に慣れ、環境問題に関心の高い若年層は、古着への抵抗感も少ないといわれる。状態が良い古着を手に入れること、おしゃれに着こなすことは、ファッション上級者のステータスだ。これからのサステナブル・ファッション市場をけん引するのは、ヴィンテージ・ファッションを楽しむ若い世代なのかもしれない。
【参照ページ】Vintage.City
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富永周也
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