「Enter the E」がユーザーと共創したパンツの受注販売を開始、1月31日までクラウドファンディング実施

セレクトショップ「Enter the E(エンタージイー)」が、自社ユーザーとともに生み出した完全受注生産のオリジナルのパンツの販売を開始した。1月31日までクラウドファンディングを行っている。

Enter the Eは、さまざまなソーシャルビジネス事業を展開する株式会社ボーダレス・ジャパンのグループ会社で、人や環境に配慮した洋服だけを集めたセレクトショップとして2019年にスタート。オーガニックやリサイクル、余剰在庫を利用したアップサイクル素材を活用すると同時に、フェアトレードなど作る人への配慮のある35のエシカルブランドをそろえている。販路には公式オンラインストアと「渋谷スクランブルスクエア」9階のショールームストアがある。

受注販売を開始したストレートパンツは、Enter the Eのユーザー128名からのヒアリングや意識調査をもとに、さらにサンプルモニタリングをして制作されたもの。アンケートでは「特別なものではなく、普段使いのものほどエシカルな商品を選びたい」という声が多く寄せられた。普段使いのアイテムとしては「パンツ」が1位に選ばれたため、ユーザー共創商品の第1弾となった。

アイテムはストレートチノパンツ、ストレートギャバパンツ、ストレートチェックパンツの3種。カラーはブラック、グレージュ、ブラック、ベージュ、チェック、ウィンドーペンの6種類で、サイズはXS-XL。販売価格は16,500円(税込)ですべて日本製だ。

デザインや仕様は「着るたびに使用感の良さ、シルエットの良さがわかり、服の背景を知るほど幸せな気持ちになる服」を目指し、試行錯誤を重ねたという。価格は工場と直接取引することで、国産のオーダーメードでありながら、お手頃な価格帯を実現した。

ファッション産業で「大量廃棄(衣類ロス)」「劣悪な労働環境」が問題視されていることを受け、廃盤予定だった生地を生かし、さらには労働環境の改善に取り組む岐阜県の縫製工場と協業している。また、昨夏に発覚した愛媛の縫製工場でベトナム実習生への給料未払い問題を受け、今回の商品を寄付付き商品にして、1商品あたり1,000円を価格に上乗せし、上乗せ分を実習生に寄付する予定だ。

第2弾ではワンピースを発売予定している。

サステナビリティをうたうアイテムは数あれど、服選びで優先するのはまずデザイン、そして予算だ。サステナブルやエシカルに距離を感じてしまう人は、Enter the Eのショップで製品やストーリーを気軽に楽しんでみてはいかがだろうか。お気に入りの普段着と出会えれば、それがサステナブルやエシカルの入口になるはずだ。


【参照サイト】Enter the E
【参照サイト】Enter the E クラウドファンディングサイト
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富永周也

地方紙、業界専門紙など日刊紙記者として製造業、流通、地方行政、ファッション、ライフスタイルなど幅広く取材。SDGs、ESGは氾濫ぎみの情報から、本流を探す。プライベートでは一次産業にも興味あり。