IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とは?
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画 (UNEP)により設立された組織で、7年ごとに世界中の研究者や専門家の最新の研究成果や論文を集約し、気候変動に関する報告書をまとめ、要約(SPM)を公表しています。
IPCC第1次評価報告書
1990年に公表された第1次評価報告書の中で「温室効果ガスがこのまま大気中に排出され続ければ、生態系や人類に重大な影響をおよぼす気候変化が生じるおそれがある」と、温室効果ガスが引き起こす気候変動のリスクについて言及されました。その内容が、翌年1992年に採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の科学的資料となりました。
IPCC第6次評価報告書
2021年8月9日に第6次評価報告書のうち、第1作業部会報告書(自然科学的根拠)が発表され、地球温暖化の原因は人類が排出した温室効果ガスであることについて「疑う余地がない」と断定し、地球温暖化の要因が人間の行動にあるというメッセージが、初めて正式に国際社会に向けて発信されました。
報告書には、人間が今の生活を続ければ、地球の気温は2040年までに1.5度以上も上昇し、熱波、干ばつ、豪雨、山火事などの異常気象や自然災害のリスクが高まることや、海面の上昇が避けられないことも記されています。そして、地球温暖化を抑えるためには、温室効果ガスの排出の削減が急務であると指摘しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は今回の報告に対し、「この報告書は、人類への赤信号だ。対応を遅らせる余裕も、言い訳をしている余裕もない。」と、厳しいコメントを残しています。
近年、日本や世界各地で豪雨や熱波などの被害が発生しています。次の世代が住み続けられる地球を守るためには、国や企業が積極的な対策を行うだけでなく、私たち一人ひとりのライフスタイルの早急な見直しが求められています。
【参照サイト】「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と断定したIPCC報告書の、5つの主要ポイントをBBCの環境担当編集委員が解説する。
【参照サイト】地球温暖化の原因は人間の活動と初めて断定 国連IPCCが報告書 | 環境 | NHKニュース