気づけば一日中やることに追われ、夜になってやっと「今日も自分のことは後回しだった」と気づく。秋が深まるこの時期、なんとなく気分が晴れない、疲れが抜けないと感じることはありませんか。
季節の変わり目は、気温差や日照時間の変化などから、心や体の調子をくずしやすい時期ともいわれます。がんばり屋の人ほど、無理を重ねてしまいがちです。
10月10日は、WHO(世界保健機関)も協賛する「世界メンタルヘルスデー」。こころの健康について考えるこの日をきっかけに、がんばりすぎず、自分を心地よく保つための暮らしの工夫を考えてみませんか。
世界メンタルヘルスデーとは
世界メンタルヘルスデーは、世界精神保健連盟(WFMH)が1992年に定めた国際デーで、その後WHOも協賛しています。こころの健康について正しい知識を広め、偏見をなくし、誰もが自分や周りの人のこころに目を向けるきっかけにすることを目的としています。
こころの不調は、特別な人にだけ起こるものではありません。ストレスが積み重なれば、誰にでも起こりうるものです。だからこそ、日頃から「がんばりすぎない」「自分をいたわる」習慣を持っておくことが、こころの健康を保つ助けになります。
2026年の日本でのテーマは「つながる、どこでも、だれにでも」。こころの健康に欠かせない“人とのつながり”に目を向けることが呼びかけられています。
ちゃんとしなきゃ、を少しゆるめてみる
毎日の家事や仕事を「きちんとこなさなきゃ」と思うほど、できなかったときに自分を責めてしまいがちです。けれど、暮らしは満点を取るためのものではありません。
部屋が少し散らかっていても、夕食が買ってきたお惣菜でも、それで責める必要はありません。「今日はここまでできれば十分」と合格ラインを下げてあげることも、こころを守るひとつの方法です。
「全部を自分で抱えない」のも、がんばりすぎないための一歩です。家族と分担したり、ときには誰かの手を借りたりするのは、なまけではなく、自分をいたわる選択。頼れるものに頼って空いた時間は、自分を休ませることに使えます。
がんばりすぎない暮らしは、手を抜くことではなく、自分を大切にすること。その考え方が、少しずつ広がっています。
心地よく過ごすための、小さな暮らしの工夫
こころの余白は、特別なことをしなくても、日々のちょっとした工夫で生まれます。無理なく取り入れられそうなものから、試してみてください。
朝、少しだけ光を浴びる
日照時間が短くなる秋は、朝の光を浴びることが心身のリズムを整える助けになるといわれます。カーテンを開ける、少しだけ外の空気を吸うなど、短い時間でもかまいません。
「やらないこと」を決める
やることリストだけでなく、「今日はやらないこと」を決めておくのもおすすめです。完璧を目指さず、手放すものを決めておくと、気持ちがふっと軽くなります。
温かい飲み物で一息つく
忙しい日ほど、意識して立ち止まる時間を。温かいお茶やスープをゆっくり飲むだけでも、張りつめた気持ちがやわらぎます。
画面から少し離れる
寝る前のスマホを少し早めに手放すだけでも、頭の中が静かになります。情報から離れる時間は、こころを休ませる時間にもなります。
植物や自然にふれる
ベランダの植物に水をやる、近所を少し散歩するなど、自然にふれる時間は気分転換になります。手を動かし、季節を感じることが、こころをほぐしてくれます。
“つながり”も、こころの支えになる
2026年のテーマにもあるように、人とのつながりは、こころの健康に深く関わっています。
とはいえ、無理にたくさんの人と関わる必要はありません。気のおけない友人と短く話す、家族と一緒にごはんを食べる、地域のイベントにふらりと出かけてみる。ゆるやかなつながりが、ふとしたときの支えになることがあります。
一人で抱え込まず、「ちょっと疲れた」と口に出せる相手がいること。それ自体が、こころの余白をつくってくれます。
つらいときは、無理をしないで
暮らしの工夫で整えられる疲れもあれば、休息や人の助けが必要なときもあります。
眠れない、気分が沈む状態が続く、これまで楽しめていたことが楽しめない。そんな状態が続くときは、無理にがんばろうとせず、信頼できる人や専門の相談窓口に頼ることも大切な選択です。こころの不調は誰にでも起こりうるもので、助けを求めることは、決して弱さではありません。
まとめ
がんばりすぎないことは、なまけることではなく、自分を大切にすること。
朝の光を浴びる、やらないことを決める、温かい飲み物で一息つく、自然にふれる。どれも小さなことですが、その積み重ねが、こころの余白を少しずつ育ててくれます。
世界メンタルヘルスデーをきっかけに、自分をいたわる暮らしの工夫を、ひとつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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