オンワードの衣料品回収が累計1000万点突破、集めた服はどこへ行く?

たたんで重ねたニットのセーターに手を添える様子

衣替えの日曜日、クローゼットの奥から、何シーズンも袖を通していないジャケットが出てきました。傷みはなく、まだ着られる。けれど、自分はもう着ない。ゴミ袋に入れかけて、手が止まりました。

株式会社オンワードホールディングスは2026年10月7日、2009年から続けている衣料品回収「オンワード・グリーン・キャンペーン」の累計回収点数が1,000万点を突破したと発表しました。全国の店舗や回収拠点、オンラインで自社の服を引き取り、リユースやリサイクルに回す取り組みで、2030年度には年間200万点の回収を目指しています。

回収された服がどこへ行き、ほかの回収と何が違うのか。服を出す前に知っておきたい点とあわせて紹介します。

今回の数字は、2009年5月から2026年8月末までの集計です。累計回収点数は約1,031万点、累計参加者数は約201万人にのぼります(2026年8月末時点・同社調べ)。同社はこの活動を国内アパレル業界における資源循環活動の先駆けとして2009年に始め、今年で18年目を迎えました。

回収の窓口は、全国の店舗、回収拠点、オンラインの3つです。オンラインでの回収は2023年春に始まりました。今後は回収拠点の拡大や、さまざまなパートナーと連携したリサイクル技術の活用を進め、2030年度に年間200万点の回収を目指すとしています。

同社コーポレートコミュニケーション室の執行役員は、「衣料品循環活動は、一人ひとりの小さな行動が環境負荷の低減につながる取り組みです」とコメントしています。

回収された服の行き先は4つ

この取り組みの軸にあるのは、「出口まで責任を持つ」というポリシーです。服を集めて終わりにせず、焼却や埋め立てに回さないで、リユースとリサイクルで使い切ることを掲げています。リリースにある回収品の主な行き先を、流れに沿って並べると次のようになります。

  • リユース:自社で4~5回の検品を行い、販売基準に達した服を、環境コンセプトショップ「オンワード・リユースパーク」(東京・吉祥寺の店舗とECサイト)でチャリティー価格で販売。収益はすべて同社のサステナブル活動に使われます。
  • 繊維としてのリサイクル:繊維製品の原料になるリサイクル糸をつくり、毛布や軍手を生産。自動車内装材にも活用されています。
  • 燃料としてのリサイクル:RPF(廃棄物からつくる固形燃料)に再生し、代替エネルギーとして利用されています。
  • アップサイクル:2024年に始めた「アップサイクル・アクション」で、社員がクリエイターとして参加するほか、ファッション業界を志す学生や小中学生なども作品づくりに加わっています。

リサイクル毛布の届け方にも特徴があります。毛布は日本赤十字社の協力のもと、国内外の被災地や開発途上国の支援に使われています。寄贈の際は同社の社員が現地に赴き、直接手渡すことをポリシーにしています(第1回・第2回はUNHCRを通じて寄贈し、第3回以降は日本赤十字社を通じて寄贈)。軍手は、災害支援や森林保全、啓蒙活動など、さまざまな場面で配られています。

ほかの回収と比べたときの違いは、自社の服を引き取り、自社で検品し、自社の店で次の持ち主へ届けるという、ひと続きの流れにあります。吉祥寺の店舗には常時3,000点以上のリユース品がチャリティー価格で並び、売り上げはふたたび同社のサステナブル活動に回ります。

一方で、「何点集めたか」と「どう生かされたか」は別の物差しです。リユースなら服は形のまま次の人に着られますが、燃料になれば一度燃やして使い切られます。毛布や軍手、自動車内装材になる道は、素材として別の製品に生まれ変わる使い方です。今回のリリースでは、回収した服がリユース・繊維リサイクル・燃料のそれぞれにどれだけ回ったかの割合は示されていません。編集部は、累計点数とあわせてこの内訳が公開されると、服を出す側も自分の一着の行き先を思い描きやすくなると考えています。

服を出す前に知っておきたいこと

回収の対象は、オンワードグループが「ご愛用いただいた自社の衣料品」とする服です。どのブランドの服でも出せる回収ではないため、ほかのブランドの服は、それぞれのブランドの店頭回収や古着の買取など、別の行き先と組み合わせて考えるのが現実的です。ブランドごとの回収の特徴は、アパレルブランドの衣類回収の選び方をまとめた記事で紹介しています。

服の状態についても触れておきます。リユースの棚に並ぶのは、4~5回の検品を通って販売基準に達した服だけです。受け付ける服の状態の条件はリリースには書かれていませんが、編集部は、洗って汚れやほつれの少ない状態で出すことが、形のまま次の人に着られる道を残すことにつながると考えています。

出し方は、近くの店舗や回収拠点に持ち込むほか、2023年春からはオンラインの窓口も使えます。店舗が近くにない地域に住んでいても参加しやすい仕組みです。

回収に出すだけでなく、買う側として循環に加わる方法もあります。オンワード・リユースパークは東京都武蔵野市吉祥寺本町に店舗を構え、ECサイトでも販売しています。まだ値がつきそうなブランドの服を手放すなら、服を売るときのリサイクルショップの使い方を紹介した記事も、行き先を選ぶ参考になります。

次の衣替えでは、眠っているオンワードの服を一着選び、近くの店舗かオンラインの回収窓口へ出してみてください。オンワード以外の服は、ブランドの回収と買取を使い分けると、手放す先の選択肢が広がります。

【参照記事】

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Life Hugger 編集部

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