電気自動車(EV)や水素燃料自動車(FCV)のレンタカー事情とは? メリットや料金も

レンタカー

3年ぶりに行動制限がないお盆となり、車で帰省したりする人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ガソリン車よりもクリーンでエコな運用が可能とされている「電気自動車(EV)」や「水素燃料自動車(FCV)」のレンタカー事情について見ていきます。

ガソリン価格が高騰しEVやFCVレンタカーが注目されている?

2021年から続くガソリン価格の高騰は、2022年に入っても落ち着く気配がありません。ガソリンスタンドで販売されているレギュラーガソリンの価格は、1Lあたり170〜180円台という地域がほとんど(※22年7月13日現在)です。夏場は車内でも冷房を使うケースが多いため、余計にガソリン代がかかってしまいます。

そんなときおすすめしたいのが、EVやFCVをレンタルするという選択肢です。

EVをレンタルするときのメリットとデメリット

EVをレンタルした場合のメリットは、なんといっても運転時にガソリンを使わなくて済む点です。電気を多く消費して動く車のため、自動車のライフサイクル全体で見た場合のCO2排出量についてはまだまだ課題が多く残されていますが、国内の大手自動車メーカーも、エネルギーの採掘・製造・輸送段階のCO2排出量削減を含めた長期計画を発表し、本格的な取り組みへの姿勢を示しています。

また、2022年現在、充電スポットはほとんど無料(または低価格)で利用することが可能なうえ、返却時は満充電でなくてもよいという点も魅力でしょう。

デメリットとしては、充電時間が長いわりに運行距離が短い点や、充電スポットをあらかじめ確認しておく必要がある点、ガソリン車に比べてレンタル料金が高い点です。

FCVをレンタルするときのメリットとデメリット

FCVとはFuel Cell Vehicle(フューエル セル ビークル)の略で、燃料電池自動車のことを指します。水素と酸素の化学反応によって発電したエネルギーでモーターを回して走るという仕組みです。

EVと同様に走行時はCO2を排出せず、とても静かなため、快適なドライブが楽しめます。また、燃料の水素はゼロから満タンまで5分〜10分程度と、ガソリン車と同じような感覚で充填可能です。EVよりも充填時間が断トツで短いことに加え、1回の充填で走行距離が長い点も魅力でしょう。

デメリットとしては、水素を充填できる「水素ステーション」の数がまだまだ少ない点です。また、水素充填は有料で1kgおよそ1,200円程度。例として、トヨタ自動車が2020年に発表した新型「MIRAI(ミライ)」は約5.6kg分の水素を貯蔵できるため、満タンで約6〜7,000円程度となっています。

国内でレンタルできるのは「LEAF(リーフ)」と「MIRAI(ミライ)」のみ

国内のレンタカーで取り扱っているEVは日産自動車の「LEAF」、FCVはトヨタ自動車の「MIRAI」がほとんどと言ってよいでしょう。どちらもタウンユースの4〜5人乗り、収容荷物はスーツケースやゴルフバッグが2〜3個程度のミッドサイズカーとなっています。

「LEAF」がレンタルできるサービス

LEAFがレンタルできる大手レンタカー会社は、次の4つです。

サービス 最低料金 店舗数
オリックスレンタカー 6時間:税込9,350円〜(ハイシーズン料金あり) 全国約900店舗
日産レンタカー 6時間:(一般)税込14,520円〜、(会員)税込10,164円〜(ハイシーズン料金あり) 全国約340店舗
ニッポンレンタカー 6時間:税込11,220円〜(ハイシーズン料金あり) 全国約580店舗
タイムズカーレンタル 15分:税込330円〜 全国約430店舗

比較してみると、どの会社も6時間で約10,000円前後が目安となっています。会員割引やWeb割など各社さまざまなサービスを実施していますが、ハイシーズン料金や保険料もあるため注意しましょう。レンタル場所や返却場所の目安となる「店舗数」も重要なポイントです。

「MIRAI」がレンタルできるサービス

MIRAIがレンタルできる大手レンタカー会社は「TOYOTA Rent a Car(トヨタレンタカー、またはトヨタレンタリース)」の1社のみです。カーシェアリングサービスも含めると「オリックスカーシェア」や「Anyca (エニカ)」、「カレコ・カーシェアリングクラブ」なども取り扱っていますが、月額費用などがかかるため、本記事では除外します。

料金は4時間で税込4,000円、24時間で9,000円、店舗数は全国1,200箇所と国内最大規模です。ただし、FCVは水素充填料金がかかるため注意しましょう。水素ステーションの数も限られています。

充電スポットや水素ステーションを探せるアプリが便利

国内ではEV、FCVで必須な充電スポットや水素ステーションの数がまだまだ限られています。年に数回のレンタルで利用する場合は、旅先でのエネルギー充填についても事前に対策しておくのがベターです。充電スポットや水素ステーションが探せる専用アプリをスマホにDLしておきましょう。

本記事では、おすすめアプリとして次の3つを紹介します。

  • EVsmart(イーブイ スマート):EVやPHEVユーザー向けの充電スポット検索アプリです。スポット表示・利用可能時間や料金の詳細・利用者の口コミなどがシンプルにまとまっています。
  • GoGoEV(ゴーゴー イーブイ):こちらはEV専用の充電スポット検索アプリ。スポット登録や休止予定の確認・詳細条件での検索・スポットごとの出力や、営業時間といった必要な情報をひと通り確認できます。
  • Pocket MIRAI(ポケット ミライ):「MIRAI」専用アプリです。車の水素残量や水素ステーションの検索ができます。

EVsmartやGoGoEVは一般企業が作ったアプリで、同名の自動車メディアも運営しています。EVの基本的な乗り方や、エコな運用方法といったコンテンツも充実しているので、エコドライブの参考にしましょう。

燃料費がほぼ無料のEVかレンタル料が安いFCVか

EVとFCVのレンタカー利用について見てきました。どちらもCO2を排出せずに走行できますが、比較してみると”燃料費がほぼ無料のEV”と”レンタル料が安いFCV”といった印象です。

政府は「2030年半ばにガソリン車の新車販売禁止」を打ち出しており、今後はEVやFCVといったエコカーに触れる機会も増えてくると予想されます。気軽にエコカーを試せるサービスとして、レンタカーを利用してみるのもおすすめです。

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斉藤雄二

「フレキシタリアン」を実践している静岡在住のWebライター。これまでモノ系、テクノロジー、サイエンス、ビジネス、ファッションといったジャンルで執筆してきました。趣味は読書とフィットネスと料理。最近は愛車のfiat500でドライブに出かけるのが楽しみです。