汗のにおい・黄ばみが落ちない服に。過炭酸ナトリウムの使い方

洗濯

何度洗っても、シャツからふっと立ちのぼる汗のにおい。襟や袖口の黒ずみ、いつの間にかできた黄ばみ——ふだんの洗濯では落としきれない汚れに、心当たりはありませんか。

そんなときに頼りになるのが「過炭酸ナトリウム」です。「オキシ漬け」で知られる『オキシクリーン』の主成分で、花王『ワイドハイター』やライオン『ブライト』などの酸素系漂白剤にも使われています。漂白・消臭・除菌に加えて洗濯槽の掃除までこなし、使ったあとは自然に分解されて環境への負担も少ない——ひとつ常備しておくと頼れるアイテムです。今回は、その効果的な使い方を解説します。

過炭酸ナトリウムはなぜ落ちる?「酸化」で汚れを分解する

過炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウムと過酸化水素が結びついてできた酸素系漂白剤です。お湯に溶けると活性酸素を放ち、その酸化する力で色素や汚れを分解します。汚れを「中和」するのではなく、「酸化」と「アルカリ」のダブルの働きで落とすのがポイントです。

得意なのは、皮脂よごれや油よごれ、食べこぼし、シャツの襟・袖の黒ずみ、黄ばみといったよごれ。血液のシミにも使えます(※血液は熱湯でタンパク質が固まると落ちにくくなるため、先に水かぬるま湯で洗ってから使うのがコツです)。さらに、汗や皮脂はにおいの原因となる雑菌のエサになるため、これらをすっきり落とすことでにおいの解消にもつながります。塩素系漂白剤のようなツンとした刺激臭がなく、色柄物にも使いやすいのも魅力です。

基本の使い方:40〜60℃のお湯でつけおき洗い

過炭酸ナトリウムは、つけおき洗いで使うのがもっとも効果的です。お湯に溶かして浸けておくだけと手軽なので、手順を追って紹介します。

1.洗面器などにお湯を張り、過炭酸ナトリウムを溶かす

洗面器に40〜60℃ほどのお湯を張り、その中に規定量の過炭酸ナトリウムを溶かして洗浄液を作ります。過酸化水素は40℃以上で活性化するため、少し熱いかなと感じるくらいの温度が効果的。頑固なよごれの場合は、少し濃いめに作るのがおすすめです。

2.20分を目安につけおきする

洗浄液の中に、よごれを落としたい衣類を入れてつけおきします。つけおき時間は20分ほどが目安。よごれがひどい場合は延長してもかまいませんが、長く浸けすぎると生地や付属品を傷めることがあるため、衣類の場合は数時間以内にとどめると安心です。

3.洗浄液ごと洗濯機に入れ、いつもどおり洗濯する

よごれが落ちたら、洗浄液ごと洗濯機に入れて洗います。ほかの衣類と一緒に洗ってもかまいません。洗浄液はアルカリ性のため、肌が弱い方はゴム手袋をはめ、直接触れないようにしましょう。

使えない素材に注意:ウール・シルク・金属はNG

よごれ落ちに頼れる過炭酸ナトリウムですが、使えない素材もあります。アルカリ性がタンパク質を溶かすため、ウールやシルクなどの動物性繊維には使えません。また、木のボタンや金属のファスナー・装飾が付いた衣類も、変色や傷みの原因になるため避けましょう。

デリケートな衣類に使う場合は、目立たない場所であらかじめ色落ちしないかを確かめてから使うと安心です。

使いやすいもの 避けたいもの
綿・麻・ポリエステルなど ウール・シルクなどの動物性繊維
色柄物(塩素系より穏やか) 木・金属の付属品がある衣類

洗濯槽の掃除にも活躍。こちらは一晩つけおきでOK

衣類のよごれやにおいだけでなく、洗濯槽の掃除にも活躍します。つけおきと同じように40〜50℃のお湯を洗濯槽に張り、規定量の過炭酸ナトリウムを入れて数時間から一晩置きます。浮いてきたよごれを網ですくい、その後よごれが出てこなくなるまで洗濯機を回したら完了です。衣類のつけおきと違い、洗濯槽の掃除ではしっかり時間を置いて大丈夫です。

「洗剤を増やさない」から選びたい。環境にやさしい理由

過炭酸ナトリウムは、使ったあとに炭酸ナトリウムと水、酸素に分解されます。特別な生分解を必要とせず、環境への負担が少ないのが特徴です。塩素系のような刺激臭もなく、扱いやすさの面でも日常づかいに向いています。

そして何より、これひとつで漂白・消臭・除菌・洗濯槽掃除までまかなえます。専用洗剤を何本もそろえる必要がなく、家に置く洗剤の種類そのものを減らせる——モノを増やさない暮らしとも相性のいいアイテムです。ナチュラルな掃除アイテムを取り入れたい方は、汚れタイプ別のお掃除スプレーの作り方もあわせてどうぞ。

まとめ:頑固なよごれ・においは過炭酸ナトリウムで

過炭酸ナトリウムは、皮脂や食べこぼし、血液、雑菌によるにおいなど、いつもの洗濯では落としきれないよごれに活躍します。40〜60℃のお湯に溶かしてつけおきするのが基本。ウールやシルク、金属の付属品には使えない点だけ押さえておけば、衣類から洗濯槽まで幅広く使える頼れる一本です。落ちなかった汚れやにおいは、ぜひ過炭酸ナトリウムでリセットしてみてください。

(文:みすみぞの いずみ/監修:曽我 美穂

※本記事は2022年8月に公開した記事を、2026年7月に編集部が最新情報をもとに加筆・更新したものです。監修は初出時のものです。

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