不燃ごみ(燃えないごみ・燃やさないごみ)のなかで、処分に困るものといえば乾電池やスプレー缶類、ライター、蛍光灯などが挙げられるが、刃物(包丁・ナイフ)も手間がかかる処分品のひとつだ。
東京都23区で「包丁・処分」と調べてみると、多くの行政区は「布か厚紙に包んで”キケン”と明記」とある。また金属ゴミと不燃ごみ、その他不燃ごみは分けて出すように指示されており、刃物類は「その他不燃ごみ」に指定されている。危険物とはいえ、もっとうまく処分する方法はないものか、気になっている人も多いだろう。
そのような方にぜひおすすめしたいのが、貝印株式会社が6月からスタートしている「包丁回収サービス」だ。
これは自宅で不要になった貝印製包丁を送料のみで回収してくれるサービスで、同社公式オンラインストアより所定の方法で発送するだけ。到着後には、オンラインストアで利用可能な20%オフクーポンコードを受け取れるのだ。
回収対象商品は貝印製のペティ、三徳、牛刀、和包丁、中華包丁、パン切りナイフ、果物ナイフだ。ハサミやカッターナイフ、バターナイフ、ピーラーは不可となっているものの、ほとんどの包丁が対象となっている点はうれしい。不要となった包丁を引き取ってもらい、20%オフクーポンでまた新しい包丁を購入するのも良い方法ではないだろうか。回収した包丁は、再利用も含め「資源の循環」に向けて取り組んでいく方向だ。
貝印はほかにも、自社製刃物の「研ぎ直しサービス」も実施している。こちらはA4サイズの洋包丁・和包丁の研ぎ直しで、税込2,500円(送料無料)からの設定。サステナビリティの観点から、同社は研ぎ直しを推奨している。本来、包丁は買い換えるものではなく、メンテナンスして長く使い続けるもの。貝印社の取り組みによって、包丁の寿命を延ばすことができるだろう。
刃付けから、サビ取り、歪み補正まで、製造元ならではの知識とノウハウを知る「包丁マイスター」が、一本一本、丁寧に研ぎ直してくれるこのサービス。オンラインストアから注文後、梱包キットが自宅に届くので、研ぎ直したい包丁を入れ、ポストに投函すれば約2〜4週間で完了する。
自社製品に対して最後まで責任を持つという考え方は、国内の企業でも少しずつ浸透しつつある。買い替え頻度の高い電化製品やアパレルなどは、すでに自主回収サービスや店頭回収ボックスなどを使って、積極的に自社で回収する取り組みが進んでいる。
家庭用包丁でトップシェアを誇る貝印のような企業が、日常の料理生活で欠かせない包丁の取り扱いを見直すことは、とてもポジティブな変化だろう。これからは、鍋やフライパンといった包丁以外のキッチンツールも、もっと手軽に手直しできるようになるかもしれない。
【参照ページ】貝印
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斉藤雄二
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