1990年半ば〜2010年代初頭に生まれの、いわゆるZ世代の学生は、サステナブルな商品やサービスへの関心が強いが、経済的な理由などにより、なかなか利用するのが難しいと言われている。
実際、大学の協力のもと、関西と首都圏を中心に553名の学生を対象に実施したアンケート調査「日本における学生(Z世代)の行動とサステナビリティに対する考え方(調査期間2022年2~4月)」によると、45.3%がサステナビリティに関心を持ち、20.9%が積極的に行動しているとしたものの、74.2%が活動の難しさを感じていると回答。具体的には「サステナブルなブランドやお店は高価だと思う」への回答が79.6%もあったそうだ。
環境問題に興味を持ち、積極的に行動を起こそうとしている若い世代の「機会」が失われることは、地球にとっても大きな損失であることは間違いないだろう。
そんな中、サステナブルなお店やブランドと学生をつなぐ学生限定サービスの「mamoru(まもる)」がサービスを開始した。
mamoruは、フェアトレード、プラントベースやエシカルな商品の提供、プラスチックごみの削減、再生可能エネルギーの利用などの活動をしているサステナブルなカフェ、レストラン、お店やブランドを厳選し、その情報をウェブ上で公開している。mamoruのウェブサイトを利用することで、サステナブルなお店を利用する際に学割が適用されるようになり、金銭的な問題で、なかなか利用にまで至らなかった学生の利用を促していく。
mamoruの利用には事前登録が必要。対象エリアは今のところ(2022年4月末時点)京都と東京の一部の店舗のみとなっている。
使い方はmamoruのWebサイトへアクセスし、どのようなお店でどのような特典があるかを確認する。住所やお店の種類、店名などのフリーキーワード、おすすめ特典など、幅広い方法で検索可能だ。
実際に特典を利用するには、注文時または決済時にお店に掲示されたQRコードをスキャンして店員にスマホ画面を見せるだけ。過去の利用履歴をチェックすることで、自身の特典利用が社会に対してどのように貢献しているかを確認できる機能も備わっている。
学割や特典を提供してくれる新規参加店舗を募りつつ、年内中には関西地方や東京、名古屋まで拡大する予定だ。また、秋にはmamoruのスマホアプリ(iOSとAndroid)もリリース予定とのこと。
mamoruのようなサービスを通して金銭面の問題がクリアされ、学生がよりローカルかつサステナブルなところを選べるようになることで、サステナブルな商品の価格は徐々にコスト競争力を持つようになっていくだろう。誰にとってもサステナブルな選択が当たり前なものになる世界は、そう遠くないのかもしれない。
【参照サイト】:mamoru
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斉藤雄二
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