環境保護や生産過程、労働者の保護などにも配慮したエシカルファッションへの注目度が近年さらに増してきている。なかでも古くなった衣類の回収は、消費者も気軽に参加できる活動として実践している人も多いのではないだろうか。
株式会社ジュンが運営するレディースブランド、ROPE’ PICNIC(ロペピクニック)も、自社製品を購入したユーザー向けの回収サービスをスタートした。古くなって着なくなったROPE’ PICNICの洋服を対象店舗に持参すると、5,000円(税込)以上の買い物に使える500円割引クーポンを受け取れる。期間は8月1日(月)〜9月19日(月・祝)だ。
回収した洋服は、「WEAR to Fashion(ウェア トゥ ファッション)」プロジェクトに依頼し、リユース、リサイクル、アップサイクルのほか、固形燃料などにも生まれ変わる。
WEAR to Fashionとは、伊藤忠商事株式会社と株式会社ecommit(エコミット)が運営するサステナブルファッションサービスだ。伊藤忠商事株式会社が2019年にサーキュラーエコノミーの実現を目指して発足した「RENU(レニュー)プロジェクト」の一貫である。全国各地の事業者や自治体と協力し集めた衣類や、生産工程で発生する生地片などを原材料にしたリサイクルポリエステル素材「レニュー」を使って業界が抱えるファッションロス問題の解決を目指している。
ROPE’ PICNICではレディース、キッズ向け衣類のほか、バッグ類やベルト、帽子が対象だ。靴やアクセサリー、肌着、下着、水着は対象外となっており、事前に洗濯し過度な毛玉ややぶれ、シミのないもののみとなっている。また、クーポンの受け取り利用には別途、ROPE’ PICNIC公式アプリが必要とのこと。ROPE’ PICNIC店舗やオンラインストア「J’aDoRe JUN ONLINE(ジャドール ジュン オンライン)」で利用可能だ。
株式会社ジュンは8月、ROPE’ PICNICを含めた主要なブランドで2030年までに達成したいサステナビリティ目標を数値化して公表するなど、SDGs達成に向けて積極的に取り組んでいる企業だ。また、Wear to Fashionが環境省の「温室効果ガス総排出量算定方法ガイドライン(2017年)」を基に、同プロジェクトの取り組みを独自に調査した結果、焼却した場合に比べCO2排出量を約20〜最大85%まで削減可能ということが判明している。
洋服を購入した消費者が”捨てない選択肢”を選べるように、今後もこうした活動が広がっていくことを願いたい。
【参照サイト】WEAR to Fashion
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斉藤雄二
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