進学する学校を選ぶときに、制服を気にする人は少なくないだろう。中にはこの学校の制服が着たいからと志望校を決める人もいるくらいだ。制服は学校に通う数年間、毎日着て過ごすことになるのだから、学生にとって大切なポイントだ。
今回、障がいや病気、怪我などを理由に、通常の学生服を着られない人のために、その人に合うように着やすく直してくれる、学生服に特化した服のお直しサービス「青春のキヤスク」プロジェクトが始まった。第1弾として、1月31日(火)から5月31日(水)の期間中、当事者の声を広く集めることを目的としたオンラインアンケートと、学生服のお直しサービスモニターを募集している。
キヤスクは、2022年3月にサービスを開始した服のお直しサービスだ。障害や病気などのさまざまな理由で、自分の好みよりも”着やすいかどうか?”を優先して毎日の服を選ばざるを得ない人が、自分の好みで選んだ既製服を自分に合わせて着やすく直してくれる。
サービスを展開していく中で、「学生服を直して欲しい」という声がしばしばユーザーから寄せられていたことをきっかけに、本プロジェクトの立ち上げに至ったという
ユーザーから送られてきた声を見ると、「学校では特別に体操服登校をさせてもらい制服を着る機会は少なかったが、学生最後の年はなるべく制服で登校させたい」や、「学生の間にしか着れない制服を選ぶにあたり、着脱しやすいようにブカブカのものを選ばざるをえなくて残念だった」という、学生ならではの悩みが寄せられている。
実際の制服スカートを手直しする前と後の比較では、ウエストのベルト芯を外し、ゴムに付け替えている。担当スタッフによると、後ろプリーツも2本ほどき、ゴムの伸び代を作ったそうだ。前のゴムは固定し、後ろウエストのゴムだけを伸びるようにしたことで、前から見た印象が大きく変化することなく、硬いベルト芯だけを外している。

オンラインでのヒアリングや写真でのチェック、実際に手元に服が届いた後も検討を重ね、一人ひとりに適した手直しを実施しているそうだ。
メニューはインナーやボトムスなどアイテムごとに異なり、一般的なお直しサービスでは簡単に受けてもらえない、体の不自由な人のニーズに特化したものが並んでいる。料金はメニュー1点あたり約1,600円〜4,000円程度が目安だ。
依頼から受け取りまですべて自宅で完結できるサービスフローを採用しており、お直しスタッフも同じ悩みを経験してきた肢体不自由児の母親など、技術と心の両面でサポートしてくれる人材を揃えている。
お直しモニター参加者には、お直し料金一律20%割引特典を用意し、通常と同じフローでサービスが受けられる。また、アンケートはシェアも可能なので、当事者以外の人にも広く興味を持ってほしいとのことだ。
みんなと同じ制服を着たいという思いは、みんなと同じ時間や思い出を持ちたいという願いでもある。学生という限られた時間であれば、なおさらだろう。本プロジェクトをきっかけに、より多くのインクルーシブなサービスが届いてほしい。
【参照サイト】:キヤスク
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斉藤雄二
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