切り花の寿命がグッと延びる!3つのポイントをおさえて、花のある暮らしを楽しもう

切り花を長持ちさせる方法

花を生けたはいいけれど「すぐに枯れてしまう」「もっと長く楽しみたい」、そう思っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、切り花を長持ちさせるために大切な3つの基本ポイントを紹介。長持ちしやすい季節の植物や花屋で買う花と庭から切ってくる花の違いなどについて、植物に囲まれて暮らすグラフィックデザイナーの金谷麻衣さんに教えてもらいました。

教えてくれる人

金谷麻衣さん

Photo by Chiyuki Arita

金谷 麻衣 (かねや まい)

多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、広告制作会社勤務を経て、アパレルやインテリアメーカーのインハウスグラフィックデザイナーに。のちにフリーランスへ転身。祖母が花屋を営んでいたこともあり、小さいころから植物好き。外に出れば下ばかり見て歩き、道端の草花を楽しむような子どもだった。現在は更地だった自宅の裏山を開墾し、季節の植物や野菜を育てている。趣味は陶芸とキャンプ。Instagram @_life_is_flowers_

切り花を長持ちさせるポイントは、水・茎・日当たりにあり

1. 水は常温にし、1〜2日に1回換える

「切り花を長持ちさせるためにいちばん大切なことは、水を清潔に保つことです。水が濁ってきたときは、水の中に雑菌が繁殖しているという証拠。夏場は1日に1回、それ以外の季節は2日に1回を目安に水を換えるだけでも持ちがグンとよくなります。また水は常温をおすすめします。温かい水だと雑菌が繁殖しやすくなり、キンキンに冷えた水だと植物が室温と水温の差に戸惑いくたびれやすくなることもあります。水の量は少な過ぎると水分が蒸発したり植物に吸われてなくなってしまう他、花瓶が倒れたりする原因にもなるので、切り口が十分に浸かり安定して花瓶が置けるほどまで入れましょう。(金谷さん、以下同様)」

紫陽花の花瓶

花瓶やハサミも清潔に保ち、汚れてきたら洗剤で洗う。 Photo by Chiyuki Arita

2. 茎がぬるぬるしてきたらぬめりを取り除き、切り戻す

「ぬるぬるする部分があれば、しっかりと洗い流した後に2~3cm切り戻し、あらためて茎のきれいな切断面を出してあげることで、茎がまた水を吸い上げてくれます。枝物の場合は枝の先端をハサミで十字切りにし、茎の中にある繊維が水に触れる面積を広げてあげると尚よいですね。」

切り花を長持ちさせる方法

ぬるぬるしやすい茎の先端部。水に浸かったり枯れてしまった葉っぱがあればハサミで切り落として、水を清潔に保つようにする。 Photo by Chiyuki Arita

切り戻しをした切断面

ハサミを斜めに入れ切り戻すことで、切断面が広がり吸水しやすくなる。 Photo by Chiyuki Arita

3. 風通しのよいところに置く

「直射日光に当たるところだと水が痛みやすく、花の開花も早まります。切り花は家の中の涼しい、風通しのよいところで楽しみましょう。ただしクーラーなどの風が直接当たると弱る原因になってしまうのでその点も注意が必要です。」

花瓶に飾られた紫陽花

この日金谷家のダイニングテーブルに飾ってあった紫陽花。左は庭から1週間ほど前に切ってきたもの。右は花屋で今年の1月に購入したものなのだそう。金谷さん自身も持ちのよさに驚いていた。 Photo by Chiyuki Arita

それでも花が弱ってきたら?

「水換えや切り戻しをきちんとしているのに元気がないと感じることもあるかもしれません。そんなときは、寸胴のようななるべく深い容れ物にたっぷりの水を張り、深いところで再度切り戻しをしてみてください。このときも茎の断面が広く出るように斜めにハサミを入れることで、水圧の力でより水を吸い上げやすくすることができます。切った後はそのまま1時間ほど浸けておけばピンとしてきます。」

切り花を寸胴に入れ切り戻しをしたところ

オンラインショップでまとめて花を購入することもあるという金谷さん。10本や20本などのまとめ売りがメインなことが多いため、ボリューム感で魅せたいときに利用するそう。画像は「はなどんやアソシエ」で購入した矢車草とミモザ。花が届いたらまずは切り戻しをする。 Photo by Mai Kaneya

紫陽花

梅雨もだいぶ過ぎ色褪せていた筆者の1か月ものの紫陽花も、大きめのボールで切り戻しをし30分ほどつけておいたところ、再びピンとしました。 Photo by Chiyuki Arita

「紫陽花のように茎の中心部に白い綿があるものは、それを掻き出し繊維を露出することで水の吸い上げがよりよくなります。また大きな枝物で頻繁に水換えがむずかしいものであれば、水の持ちをよくするためにハイターを少量入れるという方法もあります。」

季節ごとに旬の花を楽しもう

「長く楽しむという観点で選ぶのであれば、春は蕾のチューリップを選ぶと花びらが散るまで楽しめます。球根のヒヤシンスなどを水耕栽培で楽しむのも良いですね。ネイティブフラワーは切り花として楽しんだ後、切り口をしっかり乾燥させておけばドライでも楽しめます。」

春の花

アマリリス (左) とチューリップ (右)。 チューリップは水換えの度に切り戻しをしていき、最終的には葉っぱのない状態で花を楽しんでいるそう。古い薬瓶や果実酒用の瓶を花瓶として使うことも。 Photo by Mai Kaneya

「夏場であれば暑さに強い蘭科のシンビジュウムやモカラ、カサブランカ。冬場であれば椿などの枝物やクリスマスにぴったりのアマリリスなどがおすすめです。冬場は割と水が持つので、枝物であれば風通しが良くない壺系の花瓶で生けても素敵ですね。」

花瓶に生けられた蘭の花

「大人になってから蘭の魅力に気づいた」と金谷さん。シンビジュウムはラン科の植物で1本生けるだけでも空間がパッと華やかに。「手をかけられて育つ花なので少し値段は張りますが、色も形も様々な種類があり長持ちするのがうれしいポイント。」  Photo by Mai Kaneya

冬の花瓶

クリスマスにぴったり、真紅のアマリリス。茎が太く水に浸かっている先端部がタコウィンナーのように裂けてくるため、水替えのたびに切り戻すのが長く楽しむためのポイントだそう。花は順々に開くので花殻も随時取り除くと見栄えが良いとのこと。 Photo by Mai Kaneya

「一年を通して市場に出ているガーベラやカーネーションで、店頭に並ぶ段階でしっかりと水揚げされているものはこまめに手入れしていれば1週間ほど楽しむことができます。ただし、この2種は茎が腐りやすいので花瓶に水を張る際は切り口から5cmほどまでに留めておきましょう。」

庭から切ってきた花は、花瓶に入れる前にまず水揚げを

「買ってきた花は元々品種改良されていて強いものも多く、また水揚げ処理がきちんとされていることが多いので鑑賞に向いているといえます。対して庭など自然に咲いているものは、庭仕事をしているうちにぐったりうなだれてしまうことも。そんなときには、寸胴などでしっかり水切りすることで大概またピンと元気なります。庭の植物には虫が隠れていることもあるので、気になる場合は花ごと30分ほど水に浸しましょう。」

金谷麻衣さんの生花とキッチン

この日キッチンに飾ってあったのはすべて裏庭から摘んできた植物たち。夏場は葉がグングンと生い茂ってくるため、伸びてきたオリーブやユーカリの枝を剪定がてら切ってきて楽しむことが多いそう。 Photo by Chiyuki Arita

ちょっとした工夫と目をかけることでお花の寿命はグッと延びてくれます。ぜひ次に花を生けるときの参考にしてみてください。

次回は、「根っこが出てきた!切り花から鉢植えに、植物を 2度楽しむ秘訣とは?」をお届けします。

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アリタ チユキ

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。週一で台湾朝ごはんとヴィーガンスイーツのポップアップを開催中。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。国際薬膳師。中医薬膳師。家庭薬膳アドバイザー。ワインエキスパート。