アダストリアの「OFF STORE」で、かっこいい、楽しい、捨てない暮らしを体験する

近年、ファッション業界では、大量生産・大量消費を見直し、地球環境や社会の循環を考慮した「サステナブルファッション」への注目が高まっています。そんな中、今年2月に茨城県のイオン水戸南店に誕生したアダストリアの「OFF STORE(オフストア)」は、「服を捨てない」アパレルのサーキュラーエコノミーを体験できる場所です。

「ローリーズファーム」や「グローバルワーク」など、消費者の多様なニーズに応えるべく、さまざまなブランドを運営している株式会社アダストリア。同社が100%出資する株式会社アドアーリンク(ADOORLINK)が手掛けるオフストアは、サステナビリティに特化した「お客さま参加型」の新しいスタイルの店舗です。

これまでオンラインでのみ展開していた、廃棄衣料を染め直すアップサイクルブランド「FROM STOCK(フロムストック)」が常設されています。黒染めに加え、その時のトレンドを採用した5色で展開。これまで手に取ることができなかった商品を手に取り、素材やサイズ感などを確かめられるので、本当に着たい服に出会えます。

フロムストック

「FROM STOCK」の染め直した服は、繊維の種類や織り方で、染め上がりの色味が異なるのも魅力です。

またオフストアには、服だけでなく「ニコアンド」「ラコレ」「ベイフロー」などの店舗で、在庫として残ってしまった生活雑貨を手頃な価格で手に入れることができます。

店内では、古着回収や服の修理サービス、アップサイクルのワークショップ、DIYに役立つアイテムの販売など「捨てない暮らし」を実践するために、誰でも気軽に「リユース」や「リペア」に取り組めるよう、サービスや情報が提供されています。

オフストアで使用されている棚などの什器は、理由があって閉店してしまった全国のアダストリアの店舗から集めたものだそう。傷があって店舗で販売できないお皿をディスプレイに使うなど、あらゆるところで「捨てない」にこだわった空間となっています。

什器

よく見ると、ところどころ傷や穴あいている壁やラック。什器もまだ使えるものを集めて設置されています。

子どもから大人まで、さまざまなスタイルのブランドを展開するアダストリアのサーキュラーエコノミーを体験できる場として生まれたオフストア。その立ち上げを担当した、アドアーリンクのマネージャーの阿部大樹さんに、この場所で実現したいファッションの未来についてお話を伺いました。

阿部さん

株式会社アドアーリンク マネージャー 阿部大樹さん

はじまりの場所から発信する、アダストリアの想いとは

店内様子
2022年2月25日、茨城県水戸市にあるイオンタウン水戸南店にオープンしたオフストア。都内や首都圏近郊の街ではなく、この場所をスタート地点に選んだ理由は、ここがアダストリアの創業の地であるからだと、阿部さんは言います。

「アダストリアは、ここ茨城県水戸市の泉町で、紳士服を取り扱う福田屋洋服店として事業をスタートしました。その後、大人から子どもまであらゆるお客さまのニーズに応えるべく、マルチブランド展開をして今に至ります。

しかしながら、お客さまに届けたいモノありきのビジネスでは、どうしても年間20万・30万着の廃棄される在庫を抱えてしまう。本来お客さまのために作った服を捨てるなんてことは本末転倒ですよね。

オフストアでは、販売時期が終わってしまったなどの理由でアダストリアの店舗で販売できなくなった在庫を買取り、リーズナブルな価格でお客さまに提供しています。

お客さまのために服を作る、その服を一人でも多くの方に着てもらいたい。創業以来の想いを込めて、誕生の地であるここ水戸にオフストアをオープンすることにいたしました。」

「気がつけば地球に良いことしていた」を体験できる場に

オフストア

当日は吉祥寺の「HIRO Workshop」のヒロさんによる、革小物のアップサイクル ワークショップが開催されていました。

アダストリアでは、店側がモノを作り、それらを店舗に並べ、お客さま『これ、どうですか』という発信を行なってきた。一方のオフストアでは、店側からの一方的な発信ではなく、お客さまと一緒にファッションの価値を作り上げていく店をめざしたいと、阿部さん。

今後は、手持ちの服にハンドプリントをして新たなお洋服(新たな価値を付けたお洋服)に生まれ変わらせたり、汚れて売り物にならない商材にむら染めしてアップサイクルするワークショップを開催し、服を捨てない暮らしの体験を多くの人に伝えたいとのこと。

「ファッションの循環を経験するのに『地球にいいことをしよう』を入口にしたくないんです。かっこいいモノがあって、参加してくれる人がいて、一緒に面白いことをやろうとする場がある。その3つが重なったときに、結果的に地球にも良いことをしていた、となるのが理想です。

捨てようと思っていた革製品をアップサイクルすると、世界で一つだけのかっこいい小銭入れができて、一つのモノの寿命も延ばせる。そんな体験や感動をお客さまと分かち合う場として、オフストアを地域の方と共に育てていきたいです。

そして究極を言えば、アダストリアの店舗で在庫がゼロになり、オフストアで売るモノもなくなる。少し困ってしまいますが、そんな未来を期待しています。」

編集後記

店内を案内してもらう中で、阿部さんの「かっこいい、楽しいが先にあって、気がついたら”地球に良いことしていた”となるのがいい」の言葉が、そのままお店の空気感にあらわれていて、深い共感を覚えました。

オフストアへ足を運ぶ理由は人それぞれ。でも、ここで服を購入することで、廃棄衣料を一着減らすことができる。また、アップサイクルの楽しさを知れば、家にある捨てようと思っていたモノに、新たな命を吹き込むことができるかもしれません。

最新のトレンドを追うのもよし、トレンドからこぼれてしまったモノに自分なりの価値を見出すのも、また楽しい。オフストアは、ファッションへのそんな想いが、ぎゅっと詰まった、誰もが思わず足を運んでみたくなるような場所でした。

【公式サイト】FROMSTOCK
【参照サイト】アダストリア
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Life Hugger 編集部

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