近年いろいろなところで耳にするようになったサステナブルファッションという言葉。企業は環境に配慮された素材を使ったり、労働環境を適切なものにしたりとさまざまな工夫をしており、これまでにLifehuggerでも取り上げてきました。
一方、私たち生活者にも、サステナブルファッションに貢献できることはたくさんあります。
例えば、値段が安いからという理由で服を買ってワンシーズンで捨てるのではなく、長く愛用できる一着を手に入れる。着物のように世代を超えて、母から娘へと長く愛用したり、他の方に譲って大事に使ってもらうことができたらいいですよね。
環境省によると、今よりも1年長く着用するだけで、国内全体で4万トンの廃棄量の削減にもつながります。
【参照ページ】環境省 SASTAINABLE FASHION これからのファッションを持続可能に
長く愛用できるアウターを選ぶポイントは?
こだわりを持って作られた服やストーリーが感じられる服を選ぶ
こだわりをもって大切に作られた服は、作り手の想いが込められているのでその服自体にストーリーがあり、着る側も大切にしようと思うもの。着続けていくうちに経年変化を楽しむこともできます。
また、長年愛用していくにつれて自分とその服の間にもストーリーが生まれ、「この服であんなことをしたな」、「この服を来てあそこにも行ったな」というような自分自身の思い出も服に詰まり、大切な1着になっていくことでしょう。
もし誰かに譲ることになった場合でも、どのような素材を使い、誰がどんな想いで作ったか、それを今まで自分が大切に着続けてきたことをきちんと相手に伝えることで、その服はただの古着ではなく、大切な1着として世代を超えてまた着続けてもらうことができるでしょう。
製法や素材がサステナブルで、未来の地球に配慮したものを選ぶ
オーガニックコットンや麻などの天然素材で作られた服は、使い古して廃棄をすることになっても土に還すことができます。他にも、リサイクルポリエステルなどの再生原料の素材を使っている服も増えてきています。できるだけ環境に配慮した素材の服を選ぶようにするとよいでしょう。
飽きのこない定番デザインの服を選ぶ
服を選ぶ際は、自分のサイズに合った、似合う服を選ぶことが大切です。特に飽きのこない定番のデザインのものは長く着ることができます。流行りの服を着たい場合は、レンタルサービスの利用なども検討してみると良いでしょう。
着回しができる服や家族・友人とシェアできる服を選ぶ
気に入って購入したとしても、自分が今持っている服と合わなければいつのまにか着なくなってしまう可能性もあります。購入する前に一度立ち止まり、着回しができるのかどうかを考えてから購入するようにしましょう。
また、家族や友人と服をシェアするのも一つの手です。服を買う際にユニセックスな服を選択することで、シェアできる幅が広がります。1枚の服を複数の人でシェアすることで、服の寿命を伸ばすこともサステナブルな取り組みのひとつです。
お手入れがしやすい服を選ぶ
お手入れのしやすさも大切なポイントです。どんなに気に入った服でもお手入れがしにくいと服の寿命が大幅に短くなってしまったり、次第に着なくなってしまったりもします。自分できちんとお手入れできる服を選ぶようにしましょう。
リユースでも価値が出る高品質な服を大切に着る
服を服のままリユースすることは環境への負荷を大きく減らせます。リサイクルショップやバザー、フリーマーケットだけでなく、最近人気のフリマアプリという手段もあります。古着には一点物や個性的なアイテムも多く、自分だけのおしゃれをしたい方にぴったり。また、手ごろな値段の物も多いため、お金をかけずにおしゃれを楽しみたい方にもおすすめです。
服を購入する際は、自分が長く着られるものかどうかだけでなく、自分が着なくなった時のことも一度考えてみてください。着なくなった際に古着としてリユース市場に出した時に価値が落ちないような高品質なものを買い、品質やお手入れに気をつけて大切に着るのもポイントです。
【関連ページ】「0円服の交換会」参加レポート。ファッションの楽しみ方は「買う・捨てる」から「貰う・あげる」に
【関連ページ】服の交換会「¥0 Market」で古着を捨てずに次の誰かへ!京都の循環フェスをレポート
【関連ページ】服を捨てずにリサイクル!おすすめの寄付先や問題点も
長く着続けられるサステナブルアウターのブランドは?
最近はさまざまなサステナブルアウターがありますが、今回は親子でシェアができるような世代を超えて長く愛用できるブランドを3つ紹介します。どのブランドも素材や製造過程などにこだわりを持って作られていますので、ぜひ参考にしてみてください。
SAVE THE DUCK(セイブ・ザ・ダック)
セイブ・ザ・ダックは、2012年にイタリアのミラノで誕生したアウターウェアブランドです。通常ダウンには水鳥の羽毛が使われますが、「アヒルを救え!」といった意味をもつブランド名の通り、製品にはダウン素材を使用せず、独自の技術で開発したPLUMTECH®(プラムテック)という特殊なポリエステルを使用し、100%アニマルフリーなアウターを製作しています。プラムテックは、最新のテクノロジーで開発されており、保温性や通気性を兼ね備えている上に軽量な点が特徴です。デザインがシンプルなので、世代を超えて楽しむことができます。
1着のアウターに対して、豊富なカラーバリエーションがあり、他では買えないような服と出会えるのも魅力の一つです。黒や紺などのベーシックカラーはもちろん、少し変わった色味のものが多数あるので、普段とは違うおしゃれを楽しめる1着が見つかるはず。赤や青などの着回しがしにくいアイテムでも、母娘やパートナーなどとシェアすることで着用回数を増やすことができるので、アウターの比重が大きくなる冬のファッションを思い切り楽しめることでしょう。
セイブ・ザ・ダックでは、売り上げの一部を世界の子どもたちや動物、環境保護のために寄付するなどの社会活動も行なっています。
【関連サイト】SAVE THE DUCK (セイブ・ザ・ダック)
KAPOK KNOT(カポックノット)
カポックノットは日本発のサステナブルファッションブランドです。日本人のスタイルに合い、性別問わず取り入れられるデザインでプライベートからビジネスまで、着回しが利くアイテムが揃っています。同社がダウン素材として使用するのは木の実由来の新素材カポック。空気中の湿気を吸って暖かくなる吸湿発熱機能を持っているのが特徴です。コットンの8分の1の軽さで、たった500gでもダウンに匹敵する暖かさが実現できます。木の実から採れるため、木を伐採する必要がなく環境への影響も優しい素材です。
カポックノットでは、サイズやカラーが自分に合うかどうか2週間試着できるサービスがある点も魅力的です。オンライン購入でも試着ができるため、長く使えそうかどうかを時間をかけてゆっくり検討することができます。
さらに女優の二階堂ふみ氏とのコラボモデルのアイテム「Animal Free Down」を購入すると、売り上げの収益の10%が「アニマルライツを追求する団体」に寄付されます。
Animal Free Downは、サステナブルで機能的なモノづくりを行なうカポックノットと、女優であり自らも動物愛護に関する活動を行う二階堂ふみさんとのコラボレーションによる作品。「罪悪感のないものづくりを通して、ファッションの楽しさを表現したい」という想いから生まれました。
より良い社会への願いや未来への想いが服に込められており、人から人へと受け継いでいきたいと思わせてくれるアウターです。
【オンラインストア】カポックノット × 二階堂ふみコラボアイテム
【関連ページ】二階堂ふみ×KAPOK KNOT、アニマルフリーファッションの可能性を伝えるコラボレーションアウターを販売中!
PRISTIN(プリスティン)
プリスティンは、オーガニックコットンを使ったライフスタイル商品を展開するブランドです。国産の材料を使い、染色をせず、国内の工場で生産することにこだわっています。プリスティンのフリースは、表はウールで軽く暖かく、身頃の裏側はコットン100%の優しい肌あたり。通常フリースといえば、ポリエステル生地を使用していますが、プリスティンは、ウールとオーガニックコットンの天然繊維100%で作っています。ベーシックカラーなので、世代を問わず着ることができるので親子でシェアして着ることができます。またどんなファッションとも合わせることができるのも嬉しいポイントですね。
プリスティンの2022年秋冬モデルのフリースはすでに完売してしまいましたが、現在は2023年春夏コレクションとしてこれからの季節に役立ちそうなコットンリネンの二重織ジャケットやオーガニックコットンのラッセルレースジャケットなどを販売しているので、気になる方はウェブサイトをチェックしてみてください。
【関連ページ】オーガニックコットンのライフスタイル提案ブランド「PRISTINE」が「衣」食同源プロジェクトをスタート!
【関連サイト】PRISTIN(プリスティン)
さいごに
アウターはほかの服に比べると高額で収納場所も取るため、何枚も購入するのが難しいものです。それだけに、長く着続けられるアウターを選べるかはとても大切なことです。
もし新しく購入することを考えるなら、自分自身が着続けられることはもちろん、家族や身近にいる人とシェアすることも考えて長く愛用できる1枚を検討してみてください。
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