再エネの電気プラン比較、実質再エネと再エネ100%の違いと選び方

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緑の山と木々に囲まれた砂利敷きの太陽光パネル

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「冬は暖房で電気代が上がるから、その前に電力会社を見直しておきたい」「『再エネ』『実質再エネ』『再エネ100%』と書いてあるけれど、何が違うのか分からない」「環境にはよくても、料金が上がったり解約で困ったりしないかが心配」。切り替えたい気持ちはあっても、比べ方が分からず先延ばしにしている方は多いのではないでしょうか。

電気の契約は、ただの毎月の固定費ではなくなりました。「どんな電気にお金を払うかを選ぶ」という、暮らしの循環のひとつになりつつあります。そんな方に向けて、この記事では再エネの電気プランを比べる4つのポイントと、プランのタイプ別の違い、暮らし方に合った選び方をまとめました。

冬の値上がりが心配なら燃料費調整の上限、初めての切り替えなら解約時の費用の有無、電源にこだわるなら電源構成の開示を最優先に見てください。この3点を押さえておけば、料金の安さだけに振り回されず、納得して使い続けられるプランを選べます。

1. 再エネの電気プランを選ぶときに見るべき4つのポイント

同じ「再エネ」という言葉でも、プランの中身はさまざまです。名前やイメージで選ぶ前に次の4つを見ておくと、自分に合うかどうかを落ち着いて判断できます。

ポイント1:電源の構成をどこまで開示しているか

電源構成とは、その電力会社が販売する電気を、太陽光・風力・水力・火力などのどの発電方法でどれくらいの割合で調達したかを示したものです。送電網の中では電気が混ざるので、家に届く電気そのものを選ぶことはできません。それでも、どこから調達した電気にお金を払うかは選べます。開示を見るときは、割合だけでなく「いつの実績か」もあわせて確かめると、今の中身に近い判断ができます。

ポイント2:非化石証書をどう使っているか

非化石証書とは、再エネなどCO2を出さない電源で発電された電気の「環境価値」を、電気とは切り離して証書にしたものです。電力会社はこの証書を買って電気と組み合わせることで、CO2排出を「実質ゼロ」とした電気として販売できます。

そのため「再エネ100%」とうたうプランには、再エネ発電所から調達した電気そのものを供給するものと、火力などを含む電気に非化石証書を組み合わせて「実質再エネ」としているものの2種類があります。たとえば、火力を含む電気に非化石証書を組み合わせたプランなどが後者にあたります。どちらが良い・悪いではなく、「電源そのもの」と「実質」のどちらなのかが、はっきり書かれているかどうかを見てください。

ポイント3:料金の決まり方(燃料費調整・市場連動)

電気料金は、基本料金と電力量料金に加え、燃料費調整額や再エネ賦課金などで決まります。燃料費調整額は、火力発電の燃料価格の変動を料金に反映する仕組みで、上限があるかどうかはプランによって違います。また、卸電力市場の価格に合わせて単価が変わる「市場連動型」のプランもあります。市場価格が下がる時期には安くなる一方、需給がひっ迫すると高くなりやすいのが特徴です。冬に使用量が増える家庭ほど、この違いが家計に響きます。

ポイント4:基本料金と解約の条件

基本料金の有無、契約期間、解約時に費用がかかるかどうかも大切な判断軸です。初めて切り替える方にとっては、「合わなかったら戻せる」と分かっているだけで心のゆとりが違います。自動更新の契約なら、更新のタイミングと解約の手続きもあわせて確かめておくと安心です。

この4つを基準に選べば、選んだあとに「思っていたのと違った」となりにくくなります。

2. 目的別に選ぶ、再エネプランの3つのタイプ

目的 選び方の候補 選ぶ理由
電源の中身にこだわりたい 再エネ電源から調達し、電源構成を開示しているプラン どの発電所の電気にお金を払うかを、自分の目で確かめられるから。
手軽にCO2を減らしたい 非化石証書を使った実質再エネのプラン 今の暮らしを変えずに、使う電気のCO2を実質ゼロにできるから。
契約の身軽さを重視したい 基本料金0円・解約時の費用がかからないプラン(例:ソフトバンク自然でんき) 使った分だけの料金で、合わなければ見直しやすいから。

3. 再エネプランのタイプ別比較表

タイプごとの違いを一覧にしました。一般的な傾向をまとめたものなので、実際の料金や条件はプランごとに異なります。

タイプ 料金の決まり方 特徴 おすすめな人
電源そのものが再エネのプラン 基本料金+電力量料金の2本立てが中心で、基本料金0円のプランもある。燃料費調整額と再エネ賦課金が加わる。再エネ電源の調達費用が単価に反映されやすい 太陽光・風力・水力などの発電所から電気を調達。電源の内訳を開示している会社が多い 応援したい電源や地域があり、中身を確かめて選びたい人
非化石証書による実質再エネのプラン 今の料金体系(基本料金+電力量料金)はそのままで、証書の費用が単価への上乗せやオプション料金として加わる形が多い 電源には火力なども含まれるが、証書でCO2排出を実質ゼロにしている 今の電力会社のまま、手軽に環境への配慮を始めたい人
市場連動型のプラン 基本料金の有無はプランによって異なる。電力量料金は卸電力市場の価格に合わせて、30分ごとなどの単位で変わる 市場価格が安い時間に使えば料金を抑えやすいが、高騰時は負担が増えやすい 使う時間をずらせる人、価格の変動を許容できる人

タイプは組み合わさることもあります。たとえば「再エネ電源+非化石証書」のプランや、「実質再エネ+市場連動」のプランもあるため、ポイント1〜4に沿って一つずつ確かめるのが近道です。

4. こだわりで選ぶ、暮らし方別の考え方

共働き・子育て世帯で、冬の電気代が気になる人

共働き・子育て世帯は、在宅の時間帯が朝晩に集中しやすく、冬は暖房・乾燥機・お風呂まわりで使用量が一気に増えがちです。使用量が多い家庭ほど、1kWhあたりの単価の差や、燃料費調整額の上限の有無が月々の金額に大きく響きます。

このタイプの家庭では、目先の単価だけで決めず、「燃料価格が上がったときにどうなるか」を先に確かめておくのがおすすめです。上限のない燃料費調整や市場連動型は、燃料や市場の価格が高い時期には負担が増える可能性があります。電気を選ぶことと同じくらい、使う量を減らす工夫も効果があります。窓まわりの断熱や家電の使い方など、家庭でできる省エネアクションを組み合わせると、環境にも家計にもやさしい冬を過ごしやすくなります。

忙しい毎日の中で何度も見直すのは大変なので、「一度決めたら、しばらく安心して任せられるか」を基準にするのが、心の余白を守る選び方です。

一人暮らしで、使用量が少なめな人

日中は外出していることが多く、使用量が少なめの一人暮らしでは、基本料金の有無が気になるポイントです。基本料金0円のプランなら、使った分だけの料金になるため、出張や帰省で家を空ける月でも固定の負担がかかりません。

また、一人暮らしは引っ越しの機会も多いので、契約期間と解約時の費用もあわせて確かめておきましょう。解約時の費用がかからないプランなら、住まいが変わるタイミングで気軽に見直せます。再エネのプランは「ずっと使い続けなければいけないもの」ではなく、暮らしの変化に合わせて選び直していくものと考えると、最初の一歩を踏み出しやすくなります。

電源そのものにこだわりたい人

「CO2が実質ゼロ」というだけでなく、どんな発電所の電気にお金を払っているのかまで知りたい人は、電源構成の開示を一番の判断軸にしましょう。日本全体で見ると、2024年度の発電電力量に占める再エネ(水力を含む)の割合は23.1%で、まだ火力が大きな割合を占めています。国の見通しでは、2040年度に再エネを4〜5割程度にまで増やす姿が示されています。

電源の中身を見て選ぶことは、こうした再エネの広がりを家庭から後押しすることにつながります。開示を読むときは、電源ごとの割合、非化石証書を使っているかどうか、そして対象となっている期間の3点を確かめてください。「再エネ100%」の表記があっても、それが電源そのものなのか、証書による実質なのかで意味が変わります。納得して選んだ電気は、毎月の請求書を見るたびに、小さな誇りになるはずです。

初めて電力会社を切り替える人

初めての切り替えでは、「手続きが面倒そう」「停電したり、工事が必要になったりしない?」といった不安がつきものです。電力会社を切り替えても送電網は同じものを使うため、電気の品質が変わることはありません。手続きの多くはWebで完結し、今の電力会社への解約連絡も、新しい電力会社が代わりに進めてくれるのが一般的です。

初めての方は、解約時の費用がかからないプランを選んでおくと、合わなかったときに戻しやすく安心です。切り替えの流れや準備するものは、電気から始めるゼロウェイストな暮らしのガイドで詳しく紹介しています。

5. ソフトバンク自然でんきの特徴と料金

ソフトバンク自然でんき

ソフトバンク自然でんき公式サイト

画像出典:ソフトバンク自然でんき(2026年10月時点)

ソフトバンク自然でんきは、SBパワーが電気を供給する「自然でんき」1本のシンプルなプランです。基本料金は0円で、使った電力量に応じた料金になります。1年契約(自動更新)ですが、初期費用・解約時の費用・年会費はかかりません。申し込むと、ソフトバンクが毎月55円を森林保全団体に寄付する仕組みがあり、支援先は全27団体の中から自分で選べます。Webからの申し込みは最短5分、24時間受け付けています。

再エネで作った電気そのものを届けるプランではなく、供給する電気に「再生可能エネルギー指定の非化石証書」を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギー比率100%・CO2排出量ゼロとしているプランです(ソフトバンクの2020年9月1日の発表)。神奈川県内の家庭には、神奈川県企業庁の水力発電による電気を供給しています。

総合評価

基本料金0円・解約時の費用なしで、契約の身軽さが際立つプランです。森林保全への寄付先を選べるので、電気を使うことが小さな循環への参加になります。

初めての切り替えで「合わなければ戻せる」安心感がほしい人や、使用量が月によって変わる人に向いています。一方で、燃料費調整額に上限がないため、燃料価格が上がったときの値上がりを避けたい人には向きません。また、電源そのものが再エネであることを重視する人は、申し込み前に公式の電源構成を必ず確認してください。

良い点

  • 基本料金が0円で、初期費用・解約時の費用・年会費もかからない
  • ソフトバンクが毎月55円を森林保全団体に寄付し、支援先を全27団体から選べる
  • PayPayカードで支払うと、でんき料金200円(税込)ごとに1%のPayPayポイントが付く

気になる点

  • 燃料費調整額に上限がなく、燃料価格が高騰したときは今のプランより高くなる場合がある
  • 電力量料金の単価がエリアによって大きく異なる
  • 電源そのものが再エネか、非化石証書による実質再エネかは、公式の電源構成の開示を読んで自分で確かめる必要がある

主な条件は次のとおりです。

基本料金 0円
料金に別途加わるもの 燃料費調整額、再エネ賦課金(燃料費調整額に上限なし)
契約期間 1年契約(自動更新)
初期費用・解約時の費用・年会費 かからない
対象エリア 北海道・東北・東京・中部・関西・中国・四国・九州の各電力エリア
申し込みから利用開始まで 10〜45日前後(申込完了後の検針日から切り替え)

条件はソフトバンク自然でんき公式サイトの2026年10月時点の情報です。電力量料金の単価はエリアによって大きく異なります。お住まいのエリアの単価は公式サイトの料金表でご確認ください。実際の料金は地域や使用量によって変わるため、電力市場の価格に連動する項目がかかるかどうかもあわせて、申し込み前に公式サイトのシミュレーションで最新の内容を確かめておくと安心です。

電源の内訳と非化石証書の使い方は、公式サイトの電源構成のページで年度ごとに公開されています。今の電気代と比べたい方は、公式サイトの料金シミュレーションに、お住まいのエリアと普段の使用量を入れてみてください。

6. 切り替えの不安・トラブルを防ぐポイント

「環境のために切り替えたのに、冬の請求書を見て後悔した」という事態は、できるだけ避けたいものです。こうした後悔の多くは、料金の決まり方と切り替えのタイミングを事前に確かめておくことで防げます。

  1. 今の使用量を把握する:検針票やWeb明細で、冬の月の使用量(kWh)を確認しておきます。比べるときの土台になります。
  2. 単価以外の項目を確かめる:燃料費調整額の上限の有無、市場連動の項目の有無、基本料金を確認します。再エネ賦課金はどの電力会社・プランでも使用量に応じてかかり、2026年5月検針分から2027年4月検針分までは1kWhあたり4.18円です。月400kWh使う世帯では月1,672円になるため、この分はプランを変えても減らない前提で比べましょう。
  3. 切り替えは早めに申し込む:申し込みから利用開始までは、検針日のタイミングによって数週間かかることがあります。ソフトバンク自然でんきの場合は10〜45日前後です。暖房を本格的に使う前に切り替えたいなら、余裕をもって手続きを始めておくと安心です。
  4. 国の支援策は期間限定と考える:国の電気・ガス料金支援は実施される時期が限られるため、支援がなくても無理なく払える料金かどうかで判断し、最新の状況は資源エネルギー庁の発表をご確認ください。
  5. 解約の条件を確認する:契約期間と解約時の費用を確かめておけば、合わなかったときにも落ち着いて見直せます。

不安を一つずつ解消していけば、あとは1章の4つのポイントに沿って、自分の暮らしに合うプランを選ぶだけです。電気の切り替えを、ほかのゼロウェイストな習慣とどうつなげていくかは、電気から始めるゼロウェイストな暮らしの続編も参考にしてください。

料金の不安を数字で確かめたい方は、公式サイトのシミュレーションで、今の電気代との違いを一度試算してみると判断しやすくなります。

再エネの電気プランは、「電源の開示」「非化石証書の使い方」「燃料費調整・市場連動の有無」「基本料金と解約の条件」の4つで比べると、中身の違いが見えてきます。「再エネ100%」の表記を見かけたら、電源そのものなのか、証書による実質なのかを確かめることが第一歩です。

冬の電気代が気になる共働き・子育て世帯は燃料費調整の上限を、一人暮らしは基本料金と解約の条件を、電源にこだわりたい人は電源構成の開示を、初めての人は「合わなければ戻せるか」を軸にすると選びやすくなります。

完璧な一社を探そうとしなくても大丈夫です。暮らしが変われば、また選び直せばいいのですから。まずは今月の検針票を手元に置いて、気になるプランの料金シミュレーションを一度試してみてください。電気を選ぶことも、暮らしの循環のひとつ。あなたなら、どんな電気で冬を過ごしたいですか?

※この記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

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Life Hugger 編集部

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