リサイクル素材の服のメリットと注意点、4素材の着心地と手放し方を比較

青緑の服についた洗濯表示タグを指でつまんで確かめる手元

11月に入り、衣替えで冬物を出したり、新しいニットやアウターを探し始めたりする時期になりました。売り場の下げ札で「リサイクル素材使用」の文字を見かけることも増えています。

リサイクル素材の服は、単なる「環境にやさしそうな服」の枠を超え、「何から生まれ、どう着て、どこへ手放すか」まで考えて選ぶ服へと変わってきています。ただ、素材によって着心地も、洗濯で気をつけることも、着終わったあとの行き先も違います。

再生ポリエステル・再生ナイロン・反毛ウール・再生コットンの4素材を、原料、着心地と耐久性、洗濯時のマイクロファイバー、着終わった後の循環という4つの視点で比べました。暮らしの場面ごとに合う素材と、長く着るための手入れ、手放し方もあわせて紹介します。

1. リサイクル素材の服を選ぶときに見るべき4つのポイント

ポイント1:何から作られているか

同じ「リサイクル素材」でも、原料はペットボトル、漁網などの廃棄物、服を作るときに出る裁断くず、古着とさまざまです。溶かして繊維に戻す方法、化学的に分解して原料に戻す方法、糸や生地をほぐして綿状に戻す方法など、再生のしかたによって品質も変わります。下げ札で「何を」「どれくらいの割合で」使っているかを見るのが出発点です。

ポイント2:着心地と耐久性

ほぐして再生する天然繊維は繊維が短くなりやすく、新しい繊維と混ぜて強さを補うのが一般的です。毛玉のできやすさや肌ざわりは、混ぜる割合や生地の織り方・編み方で差が出ます。長く着るつもりなら、試着のときに生地の厚みや表面の毛羽立ちも見ておくと選びやすくなります。

ポイント3:洗濯で気をつけること(マイクロファイバー)

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、洗濯のたびに目に見えないほど細かな繊維くず(マイクロファイバー)が出ます。リサイクル素材でもこの性質は変わりません。洗う回数や洗濯ネットの使い方、乾燥機の使い方で、繊維くずの量も服の傷み方も変わります。

ポイント4:着終わったあと、また循環できるか

リサイクル素材の服も、いつかは手放すときが来ます。ポリエステル100%のような単一素材の服は再びリサイクルしやすい一方、複数の繊維を混ぜた服は分けるのが難しく、次の循環に乗りにくくなります。回収の仕組みがあるか、どこへ出せるかまで考えておくと、手放すときに迷いません。

この4つを基準に選べば大きく失敗しません。

2. Life Hugger編集部おすすめ3選

目的 素材 選ぶ理由
毎日洗う普段着を手軽に 再生ポリエステル 乾きやすくシワになりにくく、洗濯の多い暮らしでも扱いやすい
冬の羽織りを長く着る 反毛ウール 古いウールを再び糸にした素材で、手入れしながら長く着られる
肌ざわり重視の普段着 再生コットン 裁断くずや古着の綿を生かし、天然繊維のやわらかさを楽しめる

3. 4つのリサイクル素材を一覧で比較

※表は横にスクロールできます。

素材 主な原料 特徴(着心地・耐久性) 洗濯の注意 着終わった後 おすすめな人
再生ポリエステル ペットボトル、古い衣類 丈夫で乾きやすい 繊維くずが出やすい 単一素材なら再生しやすい 洗濯回数の多い家庭
再生ナイロン 漁網、カーペット、工場の端材 軽くて摩擦に強い 繊維くずが出る・熱に弱い 回収するブランドもある 外遊び・アウトドア用
反毛ウール ウールの古着、裁断くず 温かいが毛玉が出やすい 縮みに注意 混紡だと再生しにくい 冬物を長く着たい人
再生コットン 裁断くず、古着 やわらかいがやや弱い 縮み・色落ちに注意 繊維が短く再生は限られる 肌ざわり重視の人

この表は一般的な傾向をまとめたもので、同じ素材でも混ぜる繊維の割合や生地の織り方によって着心地や耐久性は変わります。

4. こだわりで選ぶ、暮らしの場面別のリサイクル素材

洗濯の多い共働き家庭なら、再生ポリエステル

平日は朝に洗濯機を回して夜に取り込む、という家庭では、乾きやすくシワになりにくい服がそのまま時間のゆとりにつながります。再生ポリエステルのシャツやパンツは、新しいポリエステルと同じく干してそのまま着やすく、アイロンがけの手間を減らしやすい素材です。

気をつけたいのは、洗うたびに出る細かな繊維くずです。一度着ただけで毎回洗うのではなく、汚れやにおいが気になったときに洗う、洗濯ネットに入れて摩擦を減らす、洗濯槽に詰め込みすぎない、といった工夫で、繊維くずを抑えながら服の傷みも防げます。洗う回数を見直すことは、水や洗剤、家事の時間を減らすことにもつながります。

選ぶときは、ポリエステル100%など単一素材のものを優先すると、手放すときに次のリサイクルへ回しやすくなります。流行に左右されにくい色や形を選んでおけば、着る期間も延ばせます。次に通勤着を買い足すときは、下げ札の混率表示を見て、単一素材のものから選んでみてください。

子どもの外遊びやアウトドアなら、再生ナイロン

公園の砂場や雨の日の登園など、子どもの服は汚れと摩擦にさらされがちです。軽くて摩擦に強い再生ナイロンのウインドブレーカーやレインウェアは、そうした場面で頼りになる素材です。大人のアウトドアウェアやバッグにもよく使われています。

子どもの服はサイズアウトが早いため、丈夫さはそのまま「次の人に譲れるか」に関わります。傷みにくいアウターは、きょうだいや知人にお下がりとして回しやすく、リユースという形で一着の使われる期間を延ばせます。

洗濯では、ファスナーや面ファスナーを閉じて洗濯ネットに入れると、生地どうしの引っかかりを防げます。ナイロンは熱に弱いため、乾燥機の高温や高温のアイロンは避け、洗濯表示に沿って陰干しするのが長持ちのこつです。撥水加工のある服も、洗濯表示に従って手入れすると機能を保ちやすくなります。子どもの次のアウターを選ぶときは、お下がりに回すことまで見越して、汚れが目立ちにくい色や丈夫な縫製のものを選んでみてください。

冬の通勤着を長く着たいなら、反毛ウール

冬のコートやニットは、1着あたりの値段が高く、何シーズンも着ることを前提に選ぶ服です。反毛ウールは、古いウールをほぐして再び糸にした素材なので、温かさというウールの良さを生かしながら、すでにある繊維をもう一度使えます。

ウールは毎日洗わなくても、着たあとにブラッシングでほこりを落とし、風通しのよい場所でひと晩休ませるだけで清潔を保ちやすい素材です。反毛ウールは繊維が短いため毛玉ができやすく、見つけたら引っ張らずに毛玉取りブラシやハサミで整えると、生地を傷めにくくなります。

選ぶときに見ておきたいのは混率です。新しいウールや合成繊維がどれくらい混ざっているかで、肌ざわりや毛玉の出やすさ、手放したあとの再生のしやすさが変わります。シーズンオフには汚れを落としてから防虫剤と一緒に保管すると、翌年も気持ちよく袖を通せます。冬物を買い足す前に、まずは手元のコートの下げ札で混率を見てみてください。

肌ざわりを重視する普段着なら、再生コットン

休日に着るTシャツやスウェット、パジャマなど、肌に直接触れる服は着心地を優先したいところです。再生コットンは、裁断くずや古着の綿をよみがえらせた素材で、綿らしいやわらかさと吸水性を楽しめます。

綿100%であれば、洗濯で出る繊維くずはプラスチックではありません。合成繊維の繊維くずが気になる人にとって、取り入れやすい選択肢です。ただし、再生コットンは繊維が短いため、糸の強さを補う目的でポリエステルを混ぜることがよくあります。その場合は、繊維くずへの対策も手放すときの分け方も、合成繊維の服と同じように考えます。

長く着るには、裏返して洗濯ネットに入れ、乾燥機の高温を避けるのが基本です。縮みや色落ちを防ぐために、濃い色の服は分けて洗うと安心です。肌ざわりを優先するなら綿の割合が高いもの、丈夫さを優先するならポリエステル混のもの、と目的に合わせて混率を選び分けてみてください。

5. 素材ごとの特徴と良い点・気になる点

再生ポリエステル

再生ポリエステルは、使用済みのペットボトルや古い衣類を溶かしたり分解したりして、もう一度ポリエステルの繊維に戻した素材です。石油から新しく作る量を減らせることが、リサイクル素材の服でよく見かける理由のひとつで、乾きやすくシワになりにくい性質は新しいポリエステルと変わらないため、毎日洗うシャツやボトムス、フリースなどに使われています。素材ブランドの例では、Unifi社のREPREVE®が再生ポリエステルや再生ナイロンの繊維を服のメーカーに供給しており、これまでに400億本を超えるボトルを再生してきました(2026年11月時点・同社調べ)。

総合評価

扱いやすさはふだんのポリエステルのままで、洗濯の多い暮らしに取り入れやすい素材です。ただし、洗うたびに出る繊維くずへの対策は欠かせません。

洗濯回数が多く、乾きやすさやシワになりにくさを重視する人に向いています。単一素材の服を選べば、手放すときも次のリサイクルに回しやすくなります。一方で、天然繊維の肌ざわりを求める人や、合成繊維から出る繊維くずをできるだけ減らしたい人には、コットンやウールのほうが合います。

良い点

  • 乾きやすく、シワになりにくい
  • 石油から新しく作る原料を減らせる
  • ポリエステル100%なら、再びリサイクルに回しやすい

気になる点

  • 洗濯のたびに繊維くず(マイクロファイバー)が出る
  • 綿などとの混紡は、次のリサイクルが難しい
  • ペットボトル由来の場合、ボトルからボトルへの循環と原料を取り合うという指摘もある

再生ナイロン

再生ナイロンは、使い終わった漁網やカーペット、工場で出る端材などを原料に、もう一度ナイロンの繊維に戻した素材です。軽くて摩擦に強いナイロンの性質を受け継ぐため、ウインドブレーカーやレインウェア、バッグ、水着などに使われます。素材ブランドの例では、Aquafil社のECONYL®がブランドやデザイナー向けに再生ナイロンを供給しており、原料のカプロラクタムを1万トン作るごとに原油約7万バレル分を節約できるとしています(同社試算)。

総合評価

丈夫さと軽さが求められるアウターや小物に向く素材です。洗濯での繊維くずはポリエステルと同じく出るため、洗い方の工夫は必要です。

外遊びやアウトドア、雨の日の通勤など、服に強さを求める場面が多い人に向いています。丈夫なぶん、お下がりとして譲りやすいのも利点です。一方で、熱に弱いため乾燥機やアイロンをよく使う人は扱いに気を配る必要があり、肌ざわりを重視する普段着には天然繊維のほうが合います。

良い点

  • 軽くて摩擦に強い
  • 漁網などの廃棄物を原料にできる
  • 素材ブランドの提携先には、製品を回収する取り組みもある

気になる点

  • 洗濯のたびに繊維くずが出る
  • 熱に弱く、乾燥機や高温のアイロンで傷みやすい
  • 回収の仕組みはブランドごとに異なる

反毛ウール

反毛ウールは、着なくなったニットやウール製品、裁断くずを細かくほぐして綿状の繊維に戻し、もう一度糸や生地にした素材です。ウールの保温性や、においがこもりにくい性質を生かせるので、コートやジャケット、ニットなど冬の服に向いています。ほぐす過程で繊維が短くなるため、新しいウールや合成繊維を混ぜて強さを補うのが一般的で、原料を色ごとに分けて染め直さずに色を出すものもあります。

総合評価

冬物を長く着たい人にとって、温かさと繊維の再利用を両立しやすい素材です。毛玉や縮みへの手入れを前提に選ぶと、長く付き合えます。

毎日洗わずにブラッシングや陰干しで手入れできる人、同じコートを何シーズンも着たい人に向いています。一方で、繊維が短いぶん毛玉が出やすく、ちくちくした肌ざわりが苦手な人や、家で気軽に丸洗いしたい人には扱いにくいことがあります。

良い点

  • ウールの保温性を生かせる
  • 古いウール製品や裁断くずを捨てずに生かせる
  • 頻繁に洗わなくても、手入れで清潔を保ちやすい

気になる点

  • 毛玉が出やすい
  • 縮みやすく、洗濯表示に沿った手入れが要る
  • 合成繊維との混紡だと、次の再生が難しい

再生コットン

再生コットンは、服を作るときに出る裁断くずや古着の綿をほぐして繊維に戻し、もう一度糸にした素材です。綿ならではのやわらかさや吸水性はそのままなので、Tシャツやスウェット、デニムなど肌に触れる普段着に使われます。ほぐす過程で繊維が短くなるため、新しい綿やポリエステルを混ぜて糸の強さを補うことが多く、生地の風合いは混ぜる割合によって変わります。

総合評価

綿のやさしい肌ざわりを保ちながら、捨てられるはずだった綿を生かせる素材です。耐久性は、混ぜる素材とその割合で差が出ます。

肌ざわりや吸水性を重視し、合成繊維から出る繊維くずを減らしたい人に向いています。普段着として気軽に取り入れやすいのも魅力です。一方で、新しい綿だけの服より生地が弱くなることがあり、強めに洗う人や乾燥機をよく使う人は、毛羽立ちや傷みが早く感じられることがあります。

良い点

  • 天然繊維のやわらかい肌ざわり
  • 裁断くずなど、服づくりで出る廃棄を減らせる
  • 綿100%なら、洗濯で出る繊維くずはプラスチックではない

気になる点

  • 繊維が短く、新しい綿より生地が弱くなりやすい
  • ポリエステル混は、次のリサイクルが難しい
  • 縮みや色落ちに注意が要る

6. 「リサイクル素材だから安心」で終わらせない3つの工夫

「リサイクル素材使用」と書かれていても、どこにどれだけ使われているのか、どのくらい環境への負担が減るのかは、下げ札の一文だけでは分かりにくいものです。リサイクル素材は服を選ぶ理由のひとつで、表示を読み、長く着て、次へ手放すところまでを合わせて考えると、その服を選んだ意味が生きてきます。

表示を読み、根拠が公開されているかを見る

見るのは、まず混率と、リサイクル素材が使われている部分です。裏地や中わただけにリサイクル素材を使う服もあるため、表地・裏地それぞれの表示を見比べます。素材ブランドの名前が書かれていれば、そのブランドが根拠を公開しているかも手がかりになります。たとえばECONYL®は、環境への主張の根拠をまとめた公式ページを設け、CO2削減の主張がISO 14040/44に沿ったライフサイクルアセスメント(LCA)に基づき、第三者の認証を受けたものだと示しています。

素材に合った洗い方で、着る期間を延ばす

合成繊維は洗う回数を見直して洗濯ネットを使い、ウールはブラッシングと陰干しを基本に、綿は裏返して洗う。素材ごとの手入れを続けることが、一着を長く着て、新しい服を買う回数を減らすことにつながります。

着終わったら、回収の仕組みに乗せる

手放すときは、アパレル企業の店頭回収が使えます。株式会社JEPLANの服の回収の取り組みBRING™では、回収に参加する企業の店頭に着なくなった服を持ち込むだけで、面倒な手続きはありません。回収拠点はスポット開催を含めて2,742か所あり(2026年7月1日現在・同社調べ)、BRING MAPで近くの店舗を探せます。オンラインストアで製品を買うと服の回収封筒が付いてきて、着古した服を入れて送り返すこともできます。回収された服はまだ着られるものと着られないものに分けられ、着られる服は古着として国内外で流通し、着られない服がリサイクルに回ります。

回収や再生に取り組むブランドを選びたいときは、服のリサイクルに取り組むアパレルブランドの選び方が参考になります。素材だけでなく、作り方や買い方も含めた服選びの考え方は、サステナブルファッションの基本で紹介しています。次に服を選ぶときは、4つのポイントのうち「着終わったあと、また循環できるか」まで含めて比べると、手放すときに迷わない一着を選べます。

リサイクル素材の服は、原料によって得意な場面が分かれます。洗濯の多い普段着には再生ポリエステル、外遊びやアウトドアには再生ナイロン、冬の通勤着には反毛ウール、肌ざわりを重視する普段着には再生コットンが合います。

どの素材も、選ぶときに混率と単一素材かどうかを見て、素材に合った洗い方で長く着て、最後は回収の仕組みに乗せると、次の循環につながります。クローゼットの服をすべて入れ替える必要はなく、次の一着から取り入れれば十分です。

次に服を買うときは、下げ札の混率表示を一度見てから選んでみてください。

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Life Hugger 編集部

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