持続可能なファッション産業を目指すADOORLINK、国際認証「B Corp」を取得。「従業員」分野で高い評価

アパレル大手の株式会社アダストリア（以下　アダストリア）傘下の株式会社ADOORLINK（アドアーリンク）は、社会・環境に配慮した公益性の高い企業に対するグローバル認証「B Corp（ビーコープ）」の取得を発表した。

B Corp（B Corporation）とは、米国の非営利団体B Lab（ビーラボ）が主催する国際認証制度だ。B Labが定めるガバナンス・従業員・コミュニティ・環境・顧客の5カテゴリーで総合的に評価し、基準を満たした企業に付与される。

ADOORLINKは、特に「従業員」カテゴリで高く評価され、「健康、ウェルネス、安全性」で8.5ポイント、「経済的安全性」で6.1ポイント、「エンゲージメントと満足度」でも5.4ポイントを獲得した。

「コミュニティ」「顧客」の項目においても、ダイバーシティ、社会貢献活動、サプライチェーン管理、顧客管理等の取り組みが評価され、一般企業の合計スコア中央値が50.9ポイント（2023年12月時点）のところ、83.4ポイントを獲得している。※合計スコア80ポイント以上が認証クリア条件

同社は、サステナブル素材や製造技術、工程にこだわったブランド「O0u（オー・ゼロ・ユー）」や、顧客がリユースやアップサイクルといった体験ができるコンセプトストア「OFFSTORE（オフストア）」などを手掛けている。

残在庫やサンプル商材といった、アパレル産業で廃棄ロスとなりがちな製品にも目を配り、リペアやリユース、リサイクルまで一貫して管理することで、持続性のある事業展開を目指している。

同社を傘下に持つアダストリアは、「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」などを含む、30を超えるブランドを国内外で約1,400店舗展開する、巨大カジュアルファッション専門店チェーン。

SDGs分野では、画期的なアイデアや技術などが注目されがちだが、こうした企業が小さなところから改善を積み重ねた先にある変化もまた、重要なのではないだろうか。今後の展開にも、大いに期待したい。

「フレキシタリアン」を実践している静岡在住のWebライター。これまでモノ系、テクノロジー、サイエンス、ビジネス、ファッションといったジャンルで執筆してきました。趣味は読書とフィットネスと料理。最近は愛車のfiat500でドライブに出かけるのが楽しみです。