アパレル大手の株式会社ワールドは、不用になった衣類を回収し循環させる業界最大規模の取組み 「ワールド エコロモ キャンペーン」の2022秋冬キャンペーンを、9月13日から全国の百貨店54ヶ所をはじめ、ショッピングセンター、アウトレットモールで順次開催する。
同キャンペーンは、サステナブルな社会の実現に向けた社会貢献活動の一環として“衣料品の価値を最後まで無駄なく活かすこと”を目的に、不用な衣料品を引き取るもので、2009年に開始。以来、年2回実施している。09年の開始時は、経済産業省と独立行政法人中小企業基盤整備機構が支援する『繊維製品リサイクル・モデル事業』に参画。その後ワールド独自の手法でキャンペーンを拡大してきた。
リーマン・ショック直後でファッション消費が不振だった当時、新商品の売り上げを追求する既存の事業形態と両立できるか、アパレル業界では懸念する声も上がった。同社では、回収と引き換えに、協力した消費者にはワールドグループの店頭で使用できる「OFFチケット」を進呈。リユース・リサイクル、収益金の寄付、そして資源の再利用と「四方よし」のビジネスモデルとして継続に成功。現在は、業界をけん引するエコシステムとして、衣料品は自社商品に限らずに回収している。
日本のアパレル業界では先駆けとなる取り組みで、開始以降、環境に対する関心や社会貢献に繋がる消費の高まりも追い風となり、現在は年間100万枚を集める。リサイクル点数は累計1630万点超となった。
「エコロモ」は、“エコロジー”と“衣(コロモ)”をかけ合わせたワールド独自の造語。ワールドグループは今年6月23日にサステナビリティプランを掲げ、衣料品の循環を行い、エコシステムの自律的進化を目指す姿勢を表明。新たな目標の設定によって、エコロモキャンペーンの位置づけも前進した。
リサイクル方法も時代と共に進化させ、11年秋冬からはリサイクルパートナーとの連携で、引き取った衣料品を販売、衣料品のリユース(再利用)を行う。収益金は支援を必要としている子供達の未来のために寄付しており、これまでの寄付総額は1億493万827円(21年度)に上る。
ワールドグループは1992年に顧客価値と生産性の最大化を目的に、消費者を起点に小売から生産までを一気通貫させロス・無駄を価値に変える「SPARCS(スパークス)」構想を発表、多業態・多ブランド戦略を実現してきた。引き続き「『生活文化の多様性』と『ロス・ムダのない産業世界』の高次元の両立で、多様で選択肢のある持続可能な社会の実現を目指す」としている。
※本記事は、ハーチ株式会社が運営する、「未来がもっと楽しみになる」をコンセプトとする金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」からの転載記事です。
【関連ページ】【2022年】着なくなった服、捨てるの待って!常設で衣服回収を行うアパレルブランド13選
【参照サイト】ワールド エコロモ キャンペーン
【参照サイト】ワールド サステナビリティ プラン
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