料理をすると必ず出る、野菜の切れ端。当たり前に捨てている方も多いかもしれませんが、捨てる前に「リボベジ」ができるかどうかを一度考えてみませんか。
リボベジ(再生野菜)とは「リボーンベジタブル(reborn vegetable)」の略で、食べ残った野菜のヘタや根元部分を使って、植物の再生能力を活かした栽培方法です。家庭菜園をするには、準備や手間がかかりますが、リボベジは本来捨ててしまう野菜を活用するので、とても気軽に始めることができ、野菜を育てたことがない初心者にもおすすめです。
今回は、料理後に出た野菜ごみのにんじんとチンゲンサイの切れ端を利用し、実際にリボベジに挑戦した様子と、育て方のポイントなどを紹介します。
リボベジについて
リボべジは、捨てられることが多い野菜の切れ端を使って野菜を栽培します。もともと捨てる部分なので、失敗をおそれずに軽い気持ちで挑戦することができます。「家庭菜園に興味はあるけれど、初心者なのでハードルが高い」「料理のときに出る野菜ごみがもったいない」と感じている人におすすめです。
【関連ページ】リボベジに挑戦!初心者が育てやすい野菜・ハーブ5選を紹介
リボベジに挑戦してみました!
にんじん(葉)とチンゲンサイを、水耕栽培のリボベジで育ててみました。栽培のポイントや気をつけたい点などを紹介します。
栽培は、5月から6月初旬の期間におこないました。観察しやすいようにと、リビングの出窓に置きましたが、日当たりはあまり良くないため、窓の外に出したり入れたりして工夫しました。
気温が暑かったり寒くなりすぎたりすると、野菜が傷みやすくなるので、リボベジ初挑戦という人には、真夏と真冬以外のシーズンをおすすめします。
にんじん(葉)のリボベジ
リボベジに向いているにんじんのヘタは、少し盛り上がっているヘタです(写真右)。切るときに、食べることができる部分を少し多めに残すと生長しやすくなります。
1日目
リボベジの器は、食卓では使用していない小皿を使いました。水は、にんじんのヘタにかからないくらいに入れます。
5日目
新しい葉が出て来ました。これから気温が高くなり30度近くなってくるので、毎日水かえを忘れないようにします。特に暑い季節は、毎日の水替え(1~2回)が必要です。
11日目
緑の葉がこんもりとしてきました。気温がさらに上がったせいか、器に少しヌメリを感じました。水かえの時には、入念に器を洗います。
17日目
葉がシュッと伸びてきました。そろそろ収穫が近づいています。収穫は10cmほどを目安におこないます。
20日目
15cmほどになったので、ついに収穫します。
小さな葉は収穫せずに、引き続き育てることにしました。収穫したにんじんの葉は、野菜のかき揚げにして美味しくいただきました。収穫後は必ず火を通して食べるようにしてください。
収穫から一週間後
収穫二回目を目指して、水耕栽培を続けます。あと一週間くらいしたら良い頃合いになりそうです。リボベジの収穫は1~2回を区切りとします。
チンゲンサイのリボベジ
1日目
器は、不要になったガラス瓶(ジャム瓶)を使いました。チンゲンサイの切り口が可愛くて癒されます。切るときに、食べることができる茎の部分を少し多めに残すと生長しやすくなります。水は少なめに、切り口が浸る程度に入れます。
5日目
チンゲンサイの中心部分より、緑の葉が出て来ました。
11日目
チンゲンサイの茎の断面部分が隠れるほどに葉が広がり、下からは根が出て来ました。気温が高くなり、水の量が少し多かったのか、外側の茎部分が傷んできたので、取り除きました。
17日目
器が隠れるほど、葉が広がりました。そろそろ収穫が近づいています。収穫は葉が10cmほどを目安におこないます。
22日目
器が葉で隠れるほど大きく広がってきたので、ここで収穫とします。
中心部分の小さな葉は残し、外側の大きくなった葉を収穫しました。中華スープに入れて美味しくいただきました。
収穫から一週間後
チンゲンサイの根もある程度出てきたので、この後は土栽培(土耕栽培)へ移り、水耕栽培はここで終了します。土で育てることで、より大きく栽培することができます。
水耕栽培のリボベジで収穫可能な野菜
今回挑戦したにんじんやチンゲンサイ以外にも、水耕栽培でリボベジが可能な野菜はたくさんあります。水耕栽培のみで収穫できるので、野菜の切れ端をごみとして捨てる前に、リボベジできるか一度考えてみてください。
- 豆苗
- ミツバ
- にんじん(葉)
- ダイコン(葉)
- カブ(葉)
- ネギ
- バジル
- 水菜
- セリ
リボベジに使う野菜の種類
リボベジで使う野菜は、大きく分けると3つのタイプがあります。スーパーなどのお店で購入する時に、リボベジにしやすいかどうかを考えながら買うと、普段の買い物も視点が変わり楽しくなります。
- 「根」を使う野菜
- 「ヘタ」を使う野菜
- 「タネ」を使う野菜
ネギ、ミツバなど。葉がフレッシュでみずみずしく、葉は濃緑色のものを選ぶことがポイントです。
にんじん、ダイコンなど。ヘタが盛り上がり、乾燥していないもの、葉や茎が少し残っているものを選ぶことがポイントです。
アボカド(観賞用栽培)など。実が完熟しているものを選びます。タネを取り出す際に、包丁を使う場合は、傷つけないよう優しく取り出しましょう。
さいごに
毎日の水かえは必要ですが、にんじんもチンゲンサイもとても簡単に育てることができました。リボベジを始めてから、子どもと一緒にリボベジの生長具合を観察することが我が家の新しい日課となりました。手間をかけず気軽に始めることができるので、小さなお子さんがいる家庭にも、食育や環境への意識作りとしておすすめです。野菜の切れ端は捨てずに、エコで楽しいリボベジ生活を始めてみましょう。
【関連ページ】できるだけごみを出さずに家庭菜園を行うには?環境に優しい野菜づくりを目指して
【関連ページ】ベランダでハーブ栽培!初心者におすすめのハーブ5選
【関連ページ】小さなスペースでベランダ菜園!初心者におすすめの野菜・ハーブ6選
【関連ページ】コンパニオンプランツで野菜づくり!安全で安心そして環境に優しい家庭菜園へ
中池 梓
最新記事 by 中池 梓 (全て見る)
- 10月は食品ロス削減月間!未来のために私たちができることとは? - 2024年10月16日
- 備えていますか?停電・断水に役立つ防災トイレの種類と選び方 - 2024年9月30日
- 【9月1日は防災の日】子どもと一緒に防災を楽しく学べる「防災イベント」まとめ - 2024年8月30日