ニュージーランドに学ぶ!コンポストを暮らしに取り入れるためのコツ【世界のゼロウェイスト】

コンポスト

当連載ではエコライターの曽我 美穂が海外在住の方に、その土地ならではのゼロウェイストな試みをお聞きします。今回は、ニュージーランド/アオテアロア在住の森野みどりさんに、現地の暮らしで見つけた、コンポストのアイデア、サステナブルなごみ処理の方法や、雨水の活用法を教えていただきました。

森野 みどりさんのプロフィール

森野さんプロフィール2011年からニュージーランド在住。現地のオーガニックショップ勤務を経てフリーランスのライターとして活動。エシカル、サステナブルをテーマに暮らしながら、英語で海外の情報を収集し、主に気候変動や環境問題、動物の話題について執筆している。現在、中国と韓国語に挑戦中。Twitter:@mmgreenforest

多くの人がコンポストを実践中!

こちらでは、多くの人がコンポストを実践しています。我が家では、4年ほど継続中で、今使っているのは、丸くて底の開いたプラスティック容器を土の中に埋め込んで使うタイプです。使い方は簡単! 生ごみを入れたあと、枯れ葉や花がら、刈った芝生などを振りかけるだけです。自然に発生したミミズや微生物によって、生ごみが分解され、容量が減るので、生ごみを半永久的に入れられます。

コンポスト

ご近所の庭にもかなりの確率で、似たタイプのコンポストが置いてあります。上の写真の2つ並んだ四角いコンポストは、お隣さんの家のもの。片方がいっぱいになったら、もう1つのコンポストに入れる、という風に交互に使っているそうです。

コンポスト

なお、以前住んでいた集合住宅には、共用のコンポストが置かれており、住人がそれぞれのタイミングで生ごみを入れていました。

自治体の支援も盛んです。国内最大の都市オークランドは「2040年までにゼロウェイストを目指す」と2018年に宣言し、コンポスト(堆肥化)の促進などの優先事項を9つ掲げて、取り組みを進めています。

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ごみ収集は、ボックスを使用!

ごみ箱

ニュージーランドでは、ごみ収集の時にごみ袋を使いません。その代わりに、各家庭に配られている、ふた付きの大きなプラスティック製のごみ箱に、ごみを入れておきます。ごみ箱はごみ収集日の朝8時までに自宅前の道路に出しておくと、収集車が中身を回収してくれます。ごみ箱の種類は赤いふたの「可燃」と青いふたの「リサイクル」の2種類。運転手が2本のアームを操作してごみ箱をつかみ、収集車の上部にある開口部に中身を入れ、空っぽにしてから道路に戻しています。ワイルドで合理的な方法ですよね!

ごみ収集の様子

可燃の回収は毎週1回、リサイクルは2週間に1回のペースで、曜日は地域ごとに決まっています。日本のように各家庭で毎回ごみ袋を使わずに済む点がプラスチック削減につながり、素晴らしいと感じています。

なお、住まいがアパートメントの人は、地下や1階に住民用のごみステーションがあり、いつでもごみを捨てられるシステムになっています。

雨水を生活用水に活用!

薄いタンク

国内には、上水道が通っておらず、飲用・生活用水は雨水だけが頼りという場所が17%あります。そういった事情もあるため、雨水をウォータータンクに集め生活用水として使う、ということが当たり前におこなわれています。特に都市部の住宅地では、草木の水やりや洗車、洗濯、トイレなどには雨水を使おう、と市から推奨されています。

ウォータータンクの種類はかなり豊富! 大きなタンクからコンパクトなタイプまで揃っており、住宅からビルまで、いろんな場所で使われています。

雨水を使えれば、災害で断水になっても水が確保できます。また、水道代の節約にもつながります。こんなサステナブルな生活スタイルを、普段から自然体で実践している点がステキですよね。

豊かな自然に恵まれ、親切で優しい人が多いこの国で、これからもサステナブルな暮らしのアイデアを学び、実践していきたいです。

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曽我 美穂

曽我 美穂(そが みほ)。2008年にエコライター・エディター・翻訳者として独立。雑誌やウェブサイトで編集、撮影、執筆、翻訳などをおこなっている。主なテーマはエコな暮らしやSDGs、環境問題。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。個人サイト:https://sogamiho.mystrikingly.com/